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第786話 槍は俺がお好き?

現れた槍は、俺とベルリア、そして後方へと向けて放たれる。

かなりのスピードだが、距離があるので軌道は読める。

俺は槍の軌道から身体をずらして回避する。

大袈裟に贈り物と言う割には普通の攻撃だった。当然ベルリアも回避し、後方ではシルがラジュネイトで撃ち落としたようだ。

おれは再び巨豚の方へと目を向け、駆け出そうとするが、


「マスター! あぶないです!」


後方からティターニアの声が聞こえてくる。

ティターニアの声に反応して、咄嗟にその場から横へと飛び退くと、後方から躱したはずの槍が再び俺を狙い飛んできた。


「ホーミング!?」


まさかの追尾機能か?


「ご主人様、叩き落とせば消え去ります」


回避ではなく撃墜しろということか。一気に難易度が上がってしまったがやるしかない。

後方から迫る槍を撃ち落とすべく構えるが、バルザードでは余りにリーチが違いすぎる。

このままでは、貫かれる自分の未来を予見し、すぐに回避に切り替え、全力で避ける。

そして回避と同時に魔氷剣を発動し、更に集中を高め、アサシンの能力を解放する。

反転して迫ってくる槍のスピードが鈍る。十分に目測し、タイミングをみて魔氷剣を槍の側面に合わせて跳ね上げる。

俺の動きも鈍いままだが、タイミングを図る時間を稼げた事で上手く合わせることができた。


「このような無粋な贈り物など必要ありません」


ベルリアも問題なく槍の攻撃を退けたようだ。


「ほう。下等な者にしては、なかなかやるようだ。それではこれでどうだ?」


再び巨豚がスキルを発動し空中に槍が浮かぶ。

しかも六本浮かんでいる。

そしてその六本の槍は、全て俺に向かって飛んできた。


「くそ! なんで俺!?」


挑発したのはベルリアなのになんで俺を狙うんだ。それも六本って、ハードル上がりすぎだろ!


「マイロード!」

「ご主人様!」

「マスター!」


サーバントの声がボス部屋に響き渡るが、正直気にしている余裕は一切ない。

六本の槍がこちらに穂先を向けてくるのをみて、生命の危機を感じた俺は本能的にアサシンのスイッチを入れる。

急速に槍のスピードが遅く感じられるようになるが、六本の槍で正面全体が埋め尽くされて逃げ場がない。

斬って落とし逃げ場を得る以外に方法はない。

俺は正面の一本に向け踏み込み、先程と同じ要領で下から跳ね上げ、素早い動きでそのまま空いたスペースへと無理やり身体を滑り込ませる。


「フッ」


まだあと五本、次の動作に移るために、肺に空気を吸い込み魔氷剣で迎え撃とうとした瞬間、遅くなった時間の流れを無視するかのような動きで俺の前に立つ二人の姿があった。


「下賤なモンスター如きがご主人様を傷つけようとするなど許せません。神罰を受けなさい!」

「マイロードを狙うとは、騎士の格好をしていても所詮は下劣なモンスター。そのような紛い物の刃でマイロードに害をなすなどあり得ませんね」


次の瞬間俺は『鉄壁の乙女』の光のサークルに包まれた。



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