第775話 再会
HJ文庫モブから始まる探索英雄譚3がついに明日12/1発売です。ルシェの表紙が目印です!
早い書店では今日から売り出される店舗もあるようなので新刊コーナーで是非買ってください。
よろしくお願いします。皆さんに買ってもらえると4巻が出ます。
召喚のエフェクトと共にシルが目の前に現れた。
「ご主人様〜! 急にいなくなってしまったので心配しました。シルは、シルフィーは……ううっ」
シルが現れると同時に俺に抱きついて泣き出してしまった。
心配をかけたが、再びあえてよかった。
「シル、ついでにルシェも喚んでみるな」
「はい、ルシェも心配して、取り乱していましたから」
ルシェが取り乱す? そんなことあるのか?
「それじゃあ、喚んでみるな。ルシェリア召喚!」
今度も召喚と共にエフェクトが発生してルシェが現れた。
ルシェと目が合い一瞬表情が崩れたように見えたが、次の瞬間俺に向かってきて飛び上がって俺のほっぺたを叩いてきた。
『バチ〜ン』
な、なぜ……
「おい海斗、勝手にいなくなるとはどういうことだ! どこまで心配かければいいんだ! 全然帰ってこないから探し回ったんだぞ! わたしをなめてるのか!」
ああ……こんなでも心配してくれてたんだな。
ああ、戻ってこれてよかった。
いや、ちょっと待て。
たしか俺と隼人が隠しダンジョンから飛ばされたのってルシェがトラップにハマったからじゃなかったか?
俺が悪いんじゃなくて全部ルシェが悪いんじゃ……
「ご主人様、無事野村様たちを見つけることができたのですね」
「ああ、転移先にいたからなんとか助けることができたよ」
「ふ、ふん。わたしのおかげだな。わたしには全部わかってたんだ。あの先にいるってこともな」
ルシェ、絶対嘘だな。そんなことはあり得ない。あるはずがない。全部わかってたなら心配するはずもないし探し回るはずもない。
だが、転移していなければ野村さんたちを見つけることは叶わなかったのも事実。
今回は大目に見てやろう。
「それよりもティターニア、ご主人様はどうかされたのですか? ずっと支えているようですが」
「はい、シル姉様。転移先でボス部屋があって戦闘になりました」
「え!? ボス部屋? 大丈夫だったのですか?」
「はいマスターの奮闘もあり、どうにか切り抜けることができました」
「ティターニアちゃん俺の活躍も忘れてもらっちゃ困るぜ」
「はい、隼人様の活躍もすごかったです」
「……隼人様、く〜っ」
隼人が感激したような表情で止まってしまったので、放っておいて話を進める。
「ボス部屋ということは階層主を倒したということでしょうか?」
「ああ、倒した。だけど通常の階層からは外れていた気がするから正確には階層主っていうのとは違うかもしれない。だけどラミアは強敵だったな」
「ラミアと戦ったのですか?」
「ああ、ボス部屋にいたのがラミアだったんだ」
「ラミアを倒すとは、ご主人様さすがです」
「そうかな。頑張ったのは間違いないけど」
「ラミアは神にも連なる者です。それを倒すとは、そう簡単にできるものではありません」
「え? 神にも連なるってあのヘビの化け物が? 嘘だろ?」
「嘘ではありません。あれは闇堕ちしてモンスター化したのです」
「なんだよそれ。闇堕ち? 怖いな」
闇堕ちなんかあるのか。神に連なるやつが闇落ちしたらああなるのか。怖すぎるな。
それにしても今考えてもよく勝てたものだ。運が良かったとしか思えない。