第745話 四階層に
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シルたちも喚び出して四階層を進んでいる。
「ティターニアちゃん、イイ！ シルフィーさんとルシェリアさんもいいけどティターニアちゃんもイイ！ なんか俺そっちの趣味が開花しそうな気がしてきた」
「隼人……花園さんの件は残念だったけどそれはやめといた方がいいんじゃ」
「冗談だよ。それにしても海斗と潜るのも久しぶりだから楽しみだな」
「ご主人様……でました。お願いします」
「ベルリアわかってるな！ 瞬殺だぞ。瞬殺！」
「姫、おまかせください」
レベルアップしても相変わらずか。
「なあ海斗、なんかシルフィーさんとルシェリアさんの様子が変じゃないか？」
「まあ、あれだ。もうすぐわかる。隼人も積極的に攻撃に参加してくれ」
「キャ〜！ でました〜！ ご主人様！」
「ベルリア！ いけ〜！ 今すぐいけ！ うぁああ〜。海斗！ 海斗〜！」
「これってもしかして……」
「ああ、見ての通りだ」
「マスター……私も無理です」
女性陣は全滅か。仕方がない。男性陣だけで対処することにする。
久々の『Gちゃん』に向かってバルザードを構え向かっていく。
「きゃ〜飛びました。ご主人様！ 飛んだのです」
「シル大丈夫だ」
「シルフィーさん、俺にまかせろ！ 『必中投撃』」
隼人が上空を飛んでいたGちゃんに向けて槍を投げた。
隼人も四階層の適正レベルは大きく超えているので、放たれた槍はあっさりとGちゃんの胴体を貫き、Gちゃんは地面へと落ちた。
「カサカサカサッ」
隼人の一撃は確実に致命傷を与えているが、驚異的なGちゃんの生命力はまだその身に動くことを許し、槍が刺さったまま逃げ出そうとしている。
「きゃ〜、動きました！ カサカサ動いてます！」
「隼人！ 早く殺せ！ ベルリアなにしてるんだ！」
「……無理」
サーバントたちが騒いでいるのを尻目にさっさと片をつける。
俺はバルザードの斬撃を飛ばして逃げようとするGちゃんにとどめをさした。
残りは二体。
一体は既にベルリアが交戦しているので、すぐに終わるだろう。
俺と隼人は残りの一体と交戦する。
「海斗、俺にまかせろ！ ここは俺がいいところを見せるチャンスだ！」
隼人が張り切っているようなので止める必要もないだろう。
「いくぞ、ゴキブリ野郎！ 俺の必殺の一撃をくらえ！」
隼人はGちゃんへと走っていき、すれ違いざま胴体へと槍を突き刺した。
「まだまだ、おりゃ！」
続け様に槍を突き刺し、Gちゃんを消滅へと追いやった。
「隼人、やるな」
「まあな。俺の活躍どうだった？ ティターニアちゃん」
「…………」
反応がないのでティターニアの方を見るとしゃがんで目を瞑り顔を背けていた。
残りの二人も似たような状態だ。
この様子では三人とも隼人の活躍をその目に焼きつけたということは一切無さそうだ。
「姫、終わりました。いかがでしたか？」
ベルリアもか。
当然ベルリアの活躍もルシェの目には映っていなかったようだ。
それにしても、この階層では三人とも相変わらず全く役に立ちそうにはない。
むしろ毎回騒がれたらペースダウンは免れない。
それほど時間はないのでこのままではまずい。
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