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第683話 野村さんと三階層

本日より新作 サバイバー最弱の俺はハズレスキル『フェイカー』で天使な彼女とSランクを目指す の投稿を開始しました。ローファンタジーです。モブからの下部にリンクがあるのでクリックお願いします

土曜日は朝から野村さんとダンジョンに潜っている。

既に三階層に通じている階段の所まで進んで来た。


「海斗先輩、ここが三階層への……」

「ああ、ここが三階層への階段だよ。もう一度確認しておくけど、三階層から敵は複数出現するからな。絶対に一人で突っ込んで行ったり無理は禁物だ!」

「もちろんです。絶対に無理はしません」

「よし、それで出現するモンスターは獣系。ヘルハウンドとかワイルドボアが中心だから、まともに正面から組み合えば負けるよ。必ず距離を取って直線的な動きは避けるんだ」

「はい、わかりました」

「まずは一体だけ相手にしよう。それ以外の敵はこっちで受け持つから。もし複数の敵を相手にする場面があったら迷わず、俺等の方へ逃げろ!」

「わかりました」


事前の打ち合わせを終え、野村さんを先頭にして三階層への階段を降りて行く。

当然だが野村さんからは緊張感が伝わってくる。

本来であれば野村さんにマッピングしてもらい徐々に進んでいくのがいいのだろうが、時間は限られているのでこの際マッピングは捨て野村さんの戦闘力とレベルアップを優先して三階層でやっていけるように戦闘回数重視でいく事にした。


「シル、頼んだぞ」

「はい、お任せください」

「みんなも、野村さんが一対一で戦えるようにサポート頼んだぞ。ティターニアは、必ず野村さんに『ウィンガル』をかけてくれ」

「はい……わかり……ました」


ティターニアはまだ馴染んでくれていないのか、声が小さい。

歩き出して十分程で、最初のモンスターと出会う事が出来た。


「ワイルドボア二体か」

「海斗先輩……なんかあれ大きく無いですか? まだ距離があるのに明らかにゴブリンとかスケルトンより大きいように見えるんですけど」

「え? それはそうだよ。ゴブリンよりかなり大きいから」

「……そうなんですね。海斗先輩あの大きさのモンスターってボウガンで倒せるんですか?」

「単発だと難しいかもしれないから、数撃つつもりでいこう」

「わかりました」

「それ……ではいきます。精霊の加護を『ウィンガル』」


野村さんがティターニアのスキルの効果で薄ピンク色の光に包まれる。

野村さんが覚悟を決めてボウガンを構えて、ワイルドボアの方へと向かっていくが、慎重にゴブリンとの戦いの最初の時のように擦り足で少しずつ距離を詰めて行く。

ベルリアに野村さんのすぐ斜め後ろについてもらい、俺はもう一体のワイルドボアをターゲットにする。

ワイルドボアの動きは直線的だがスピードが乗るとかなり速いので、摺り足の野村さんの事は気になるものの、緊張から来るものなので、すぐにどうなるものでも無いので、まずは見守る事にするが、パーティでゆっくり進んでいたせいで早々にワイルドボアから発見されてしまった。


「野村さん! 来るぞ!」

「はいっ!」


上手い具合に俺と野村さんに向かって一体ずつのワイルドボアが突進して来た。

スピードはあっても、冷静に対応すれば的も大きく直接的な動きなので狙いやすい。

俺はバルザードを構えて、向かって来るワイルドボアに向かって斬撃を飛ばす。

バルザードの斬撃は、ワイルドボアの突進力と相まって、ワイルドボアを縦に真っ二つに割る事に。成功した。


「うそっ! 止まらない!」


野村さんの声がして視線を向けると、野村さんはワイルドボアに向けてボウガンの矢を三本放っていた。三本全て命中させていたが、残念ながら急所からは外れてしまったようで、痛みに怒り狂ったワイルドボアが更に加速して野村さんを目掛けて向かって来ていた。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 冷静に対応すれば的も大きく直接的な動きなので狙いやすい。
[一言] 今月のみの同行ならば、強化していない状態で慣れなければならないのに何故強化するんだろ?
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