表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
687/980

第678話 スケルトンは眠らない

下級モンスターであるスケルトンは、そこまで戦術的な戦いをしてくるわけではない。

空振った野村さんにそのまま直線的に二撃目を放ってくる。

当初のプランが崩れて野村さんも焦りがあるのだろう。本来であれば避ける事が最善であるはずのスケルトンの斬撃をタングステンロッドで受けて防いだ。


「んん〜っ!」


どうにか受け止めて防ぐことには成功したが、そのまま徐々に押されている。

LV5の彼女のステータスがどのぐらいの数値かはわからないが、まだスケルトンと力比べをして勝てるレベルでは無さそうだ。

必死で押し返そうと耐えているが、完全に力負けしている。

力の根源とも言える筋肉が一切ないのに、この膂力。まさにモンスターの神秘と言っても過言ではない。

ただこのまま力比べを続ければ野村さんは押し負けてしまう。

もう少し様子を見ても良かったのかもしれないが、俺には責任がある。

俺がベルリアに目線で合図を送るとベルリアが割って入り、スケルトンを斜め前方から蹴り飛ばした。


「野村さん! 体勢を立て直して、足狙いだ!」

「はいっ!」


野村さんが肩で息をしながらタングステンロッドを構え直してスケルトンが立ち上がるのをその場で待つ。

スケルトンがゆっくりと立ち上がり再び野村さん目掛けて歩き出す。

ベルリアも手加減して蹴っているのでスケルトンに大きなダメージは無い。

スケルトンは、先程同様に距離を詰めてから手にある剣を振りかぶり野村さんに斬りかかるが、ほぼ同じパターンなのでタイミングを掴んだ野村さんが上手くサイドに躱し、そのまま踏み込んで、タングステンロッドをスケルトンの向こう脛に叩き込んだ。


「ガッ!」


タングステンロッドが硬質な物に当たる音がする。


「かった〜」


力が足りないのか、打撃が浅かったのかは分からないがタングステンロッドの一撃を狙い通り脛に当てたものの想定したように足の骨が砕ける事は無かった。

ただ確実にダメージはある。その証拠にスケルトンの動きが止まっている。


「もう一撃だ!」

「はいっ!」


野村さんが俺の声に反応して、すぐさま初撃と同じ箇所にタングステンロッドを叩き込んだ。


「ボギン!」


今度こそスケルトンの骨は野村さんの二撃目によって叩き折られ、スケルトンはその場へと倒れ込んだ。

こうなればあとは頭蓋骨を砕くだけだ。


「海斗先輩やりました! これで決まりですよね!」

「ああ、後は頭蓋骨を砕くだけだけど、油断はするなよ。そんな状態でも腕は動くんだからな」

「わかりました」


野村さんは慎重に倒れたスケルトンの後方へと回り込んでゆっくりと近づいて、タングステンロッドを頭部へと振り下ろした。


「ガンッ」


やはり力が足りないのか一撃で頭蓋骨が砕ける事は無かった。


「やっぱり硬いです。砕けるまでいきますよ!」


そこからは、動けないスケルトンに向かって野村さんがタングステンロッドを振りかぶり連撃を加え一方的に攻め立て消滅へと追いやった。


「やりました〜。手が痺れちゃいましたよ。初スケルトンですけどベルリアくんの手を借りちゃいましたね」

「まあ、初めだからしょうがないけど、その後は一人で倒したんだから大したものだよ」

「いえ、はじめての近接でしたけど、焦って身体が動かなかったです。骨も一撃じゃ無理だったし、一人じゃまだまだ危ないです」


しっかりと自己分析ができているようなので、野村さんが調子に乗って突っ走る事は無さそうだ。

真司と隼人は完全にハイになっていたけど、落ち着いているしやっぱり野村さんの方が優秀な気がする。

【読者の皆様へお願い】


いつもありがとうございます。

皆様のブックマークと☆ポイント評価で筆者のモチベーションが保たれています。

興味を持たれた方は是非ブックマークとスクロールして下部の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にお願いします


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  ▼▼▼ 文庫版 画像をクリックすると紹介ページにアクセスできます ▼▼▼  
表紙絵
     ▼▼▼クリックするとアニメ公式ページにアクセスできます ▼▼▼  
表紙絵
― 新着の感想 ―
[良い点] ベルリアくんって呼び方新鮮だな 考えてみたらパーティーメンバーは大人ベルリアを知ってるからおねショタ展開にはならないんだよなぁ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ