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第642話 ホスピタリティ

ダンジョンギルドから引き上げて家に戻るが、まだ両親は旅行からは戻ってきていないようだ。

今日一日に賭けていたと言っても過言ではないが、成果をあげる事はできなかった。

もちろんダメな時の事も想定はしていたが、実際にそうなってしまうと無力感に苛まれてしまう。切り替えなければいけない。

明日からのスライム狩りが本当のラストチャンスになる。

本当に後がない。

両親が戻ってくるのは遅くなりそうなので、俺は家にあったカップ麺を作って食べたが、胃が痛い……

夜九時になって両親が戻ってきた。


「ただいま〜」

「おかえり」

「どうしたのよ、なんか暗いわね。昨日は春香ちゃん来てくれたでしょ。もしかして喧嘩でもしたの?」

「いや、そうじゃない。喧嘩はしてないよ。母さんが呼んでくれたんでしょ。驚いたけど、助かったというかありがとう」

「スターリゾートのお礼だと思えば安いものよ。スターリゾートよかったわ〜。やっぱり違うわね。ホスピタリティよ、ホスピタリティ。癒されたわ〜。ねえお父さん」

「ああ、良かったな。ホスピタリティ満載だったな」


なんだ? 両親ともにホスピタリティという耳慣れない言葉を連発している。意味はわかるけど今まで両親の口からは聞いた事のない言葉だ。


「次も行くならスターリゾートの系列がいいわね。ホスピタリティが違うから」

「ああ、ホスピタリティがな」


これはあれだな。完全にスターリゾートのファンになってるな。ホテルのコンセプトに完全にやられてしまっている。ある意味スターリゾートすごいな。一泊しただけの俺の両親がホスピタリティを口にするようになるとは……

さすが有名なホテルは違うな。


「これお土産ね。スターリゾートホスピタリティ饅頭とお守り」

「お守り?」

「ホテルのすぐ近くに大きな神社があったのよ」


母親から赤いお守りを受け取る。


「これって……安産祈願って書いてるんだけど」

「あら〜将来役に立つかしら」

「いったい、いつの話をしてるんだ……」

「まあ広い意味で病気や怪我にも良さそうだから、ダンジョンに持って行くといいわよ」


広い意味って広すぎるだろ。これは完全に何も見ずに買ってきたな。

ただ明日からの探索は運頼みなところも大きいので、何かの足しにはなるかもしれない。

一応持っていこうかな。

ホスピタリティ饅頭は開けて食べてみたが、普通の饅頭だった。

何がホスピタリティなのか、残念ながら饅頭から感じ取ることはできなかった。


「私達は温泉に入ってから帰ってきたから、海斗だけお風呂に入ってね」

「俺はもうシャワーしたからいい」

「温泉もね〜癒されたわ。ホスピタリティが溢れてたから普通の温泉とは違って癒されたわ〜」

「そうだな。なにか泉質も他の所とは違ったな。疲れの取れ方が全然違ったよ。やっぱりホスピタリティの違いだな」


ホスピタリティか……

俺のホスピタリティはダンジョンの一階層だ。

一階層にいると落ち着くしある意味、自分のホームに帰ってきたような気がして癒される。

これはまさにホスピタリティ。

俺にとってダンジョンの一階層はスターリゾート。

明日から毎日スターリゾートに行くような気持ちで頑張ればいいのかもしれない。

俺はスターリゾートには行ったことが無いのでどんな所なのかは知らないけど。


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