表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
625/980

第621話 ドラゴンチェイス

「いやああああ〜!『斬鉄撃』」


あいりさんが渾身の一撃を放つ。

スキルで強化された一撃は、黄色のドラゴンの表面に触れると威力を減衰させたものの、そのまま奥へと到達しドラゴンの本体へと傷を負わせる事に成功したようだ。


「ガィアアア!」


黄色のドラゴンが痛みで初めて声を上げた。


「すまない。まだ浅い! 威力を削がれた!」


あいりさんの『斬鉄撃』でも必殺とはなり得ないのか。

ベルリアの攻撃を見てもこの黄色ドラゴンは、思った以上に防御力が高い。

俺はあいりさんの背後から黄色のドラゴン側面へと走り、そのまま脇腹にバルザードを突き立てた。

バルザードはベルリアの魔刀よりも短い。おそらく斬ったのではベルリアの時と同じようにダメージを与えることができない可能性が高い。

俺は突きを選択して身体毎押し込む。

かなりの反発力を感じるが、突きであればいける!

刃の中間まで押し入れるが、まだなんの手応えもない。


「まだかっ!」


更に体重を乗せバルザードを突き入れると根本まで突き入れる寸前に手に刃先が肉に触れる感覚が伝わってきた。

ただ、肉に届いたのは僅かで致命傷を与えるには程遠い。

俺はすぐさま破裂のイメージをバルザードに乗せる。


『ボフゥン』


黄色の竜を覆う沼とも呼べる泥が弾け飛び、黄色のドラゴンの本体へもダメージが入る。

ただ、バルザードの触れている面積が少なすぎたのか、破裂した大部分は表面の泥部分であり、本体へのダメージは微小なものとなってしまった。


「アァアァアアアアア!」


黄色のドラゴンはダメージを受けたことで怒り狂い、完全に俺をターゲットに定めたようだ。

さすがにこの近距離で攻撃したことにより俺の存在が明確に認識されてしまったようだ。

ドラゴンが首を振り、俺の姿を完全に捉えたので、俺はバルザードを引き抜き全力でその場から離脱を試みる。

とにかく距離を取る為に、背を向けて全速力で駆けるが逃げる俺は地上であれば人類最速と呼べるスピードに到達していると思われる。

ドラゴンの口や腕が届く範囲にとどまることは自殺行為に等しいので、後方からの攻撃のリスクをとっても、とにかく全力でその場から離脱する。

逃げる俺の後方から『ズシン ズシン』というドラゴンの移動する音が迫ってきているのが聞こえてくる。

やばい!

黄色のドラゴンが俺を追いかけてきている。

俺も前方を向いて必死で逃げるが、どう考えても音が迫ってきている。

移動速度が完全にドラゴンの方が上だ!

このままだと、あと数秒で追いつかれてしまうかもしれない。

俺は走りながら頭を高速回転する。


「もういいでしょう。そろそろ終わりにしますね。我が敵を穿て神槍ラジュネイト!」


シルが敵のドラゴンを倒そうとしている声が聞こえて来るが、今の俺には構っている余裕はない。

どう考えてみてもこのまま逃げ切ることは不可能だ。

そしてベルリアとあいりさんの援護は期待できない。

遠距離攻撃は効かず、しかもこの速度で移動しているので二人が割って入ることは不可能だろう。

そうなると残された選択肢は一つしかない。

黄色のドラゴンと正面から交戦するしかない!

普通に考えて中位種のドラゴンと正面から戦うのは得策とはいえないがそれしか選択肢がない。

全速力で逃げながらも俺の覚悟が決まる。自然とバルザードを握る手に力が入る。


『ライトニングスピア』


俺が覚悟を決めた直後に少し離れた後方からミクの詠唱が聞こえてきた。

【読者の皆様へお願い】


いつもありがとうございます。

皆様のブックマークと☆ポイント評価で筆者のモチベーションが保たれています。

興味を持たれた方は是非ブックマークとスクロールして下部の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にお願いします


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  ▼▼▼ 文庫版 画像をクリックすると紹介ページにアクセスできます ▼▼▼  
表紙絵
     ▼▼▼クリックするとアニメ公式ページにアクセスできます ▼▼▼  
表紙絵
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ