表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
610/980

第606話 灼熱の修羅と氷の女王

一部修正しました。

「隼人先輩と違って真司先輩は誠実そうなので、アリかもしれないですけど」

「そんな〜! それに真司はちょっと無理だと思うな〜。愛しの彼女が許してくれないんじゃないかな〜」

「へ〜。やっぱり真司先輩は彼女がいるんですね。やっぱり誠実な人は違いますよね」

「い、いや〜。別にそんな事はないけどな」


真司も後輩の女の子に高評価してもらって照れているみたいだ。

それにしても、やはり足下が冷え込んでいるのに、今度はなぜか急に背中の部分は熱くなってきた気がする。

足下が冷たくて背中は熱い……やっぱり体調が悪いんだろうか?


「ところで真司先輩の彼女さんってどんな人なんですか?」

「あ、ああ。悠美はそこに……あっ……」

「え? どうかしましたか?」

「い、いや……ごめん俺はちょっと抜けるから」


前澤さんを紹介しようとした瞬間、真司の挙動が突然おかしくなり、真司は話の輪から抜けて前澤さんの下へと向かっていった。


「ヒッ……」


前澤さんの表情を見ると怒っている。

すごく怒っている。

俺の目線の先には修羅を思わせる前澤さんが立っていた。

なんだ? なんであんなに怒っているんだ? もしかして野村さんか?

もしかして野村さんが真司の事を褒めたから怒っているのか? だけどさっきのはいい意味で褒めていたと思うけどヤキモチか……

前澤さんの周囲だけ明らかに温度が上がっているように感じる。

真司が前澤さんに向かってひたすら頭を下げているが、一向に俺の背中の温度は下がる気配がない。

もしかして、背中が熱くなったのは前澤さんのせいか? そんなことあり得るのか? もしかして前澤さんって能力者……


「あ……真司先輩に悪いことしちゃいましたね。そんなつもりはなかったんですけど」

「まあ、さっきのは野村さんが悪いわけでもないと思うよ」

「そうそう、前澤さんが真司のこと好きすぎるだけだから。まあ、そんなわけで真司は無理だからやっぱり俺じゃない?」

「いえ、海斗先輩にお願いしているので大丈夫です。ね! 海斗先輩」

「ああ、暇になったらな」


あっ……今度は熱さが一瞬で消えて背中も寒い。凍りそうに寒い。ここは雪国か?


「隼人、なんかこの教室おかしくないか?」

「なにがだよ」

「温度だよ。なんか凍りそうに寒いんだけど。足下と背中が……」

「いや、俺はなんともないけどな。体調でも……あっ………」

「なんだよ」

「海斗! そろそろ野村さんの事は俺に任せて……な!」

「そういう訳にいかないだろ。一応俺が受けた話だし」

「あ、いや、な! 本当にそうした方がいい。海斗は、今すぐにでも葛城さんのところに行った方がいいんじゃないか?」

「え? 春香?」

「春香さんってもしかして海斗先輩の彼女さんですか?」

「い、いや、彼女ではないよ」


やばい……冷気が……これはブリザード?

この感覚、以前もあった気がする。

体感温度が一気に四十度は下がった。


「海斗、悪いことはいわない。今すぐ行ったほうがいい。うっ……俺にも影響が……」

「わかったよ。それじゃあ野村さん、後はダンジョンの話は隼人に聞いてよ」

「わかりました。ありがとうございました」


俺は二人から離れて春香の方へ向かっていく。

春香の隣では、まだ真司が前澤さんに謝っているのが見える。

春香はいつものように笑顔だけど……

ちょっと笑顔の感じが違う気がする。

しかも春香の周りだけ温度が低い気がする。前澤さんの周囲の温度が高く見えるだけに余計際立っているような……

これは……なにか怒ってる?


「海斗、あの子と仲が良さそうだったね!」

「え? この前初めて話したばっかりだからそんなに仲良くはないけど」

「ふ〜ん、それにしては色々と相談にのってあげているみたいだったけど」

「ああ、彼女も探索者なんだけど一年以上一階層から抜けられないみたいで」

「そうなんだ……もしかして海斗は年下が好きなの?」

「いやいや、年下は好きってことはないけど。うん全然好きじゃないです」

「本当にそうなのかな……」


これってどういう意味だ?

もしかしてさっきの野村さんとのやりとりを見てか?


「お、俺は、同い年にしか興味ないです」

「そうなんだ」

「そう! 俺が好きなのは同い年だけです!」

「うん……」


幾分春香の雰囲気が和らいできた気がする。

変な誤解が解けたのだろうか?

あ…‥でもこれってちょっと告白みたいになってないか?

まあ誰が好きとかって言った訳じゃないから大丈夫か。


「海斗、今度また時間がある時に一緒にカフェに行こうね」


そういえばずっとダンジョンに潜りっぱなしで誕生日以外は一切どこにもいけていなかったな。


「ゴールデンウィークが終わったら行けると思う。あと十日ぐらいだけ待ってもらえると嬉しいんだけど」

「もちろんいいけど、大丈夫なの?」

「うん、多分その頃には目処がついてる予定だから」

「そう、楽しみにしてるね!」


今はヒカリンの事があるのでダンジョンに集中しているが、普段の生活との両立も大事だよな。

可能な限り春香との関係も大事にしていきたい。

【読者の皆様へお願い】


いつもありがとうございます。

皆様のブックマークと☆ポイント評価で筆者のモチベーションが保たれています。

興味を持たれた方は是非ブックマークとスクロールして下部の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にお願いします


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  ▼▼▼ 文庫版 画像をクリックすると紹介ページにアクセスできます ▼▼▼  
表紙絵
     ▼▼▼クリックするとアニメ公式ページにアクセスできます ▼▼▼  
表紙絵
― 新着の感想 ―
[一言] 適当な理由捏ねてもナチュラルに飯タカろうとしてるし厚かましい子のどこがいい子だと思ったのだろう
[一言] 感想欄で黙って見守ってようとか何言ってんだって感じなんだけど そもそも探索者にリスクはつきもんだろうし、泊りで潜ってるのも普通におるみたいだしなぁ 1階層にいたっては危険がほぼ0でスプレー…
[一言] マジレスすると放課後はサーヴァント達の魔核確保に1階層でコツコツやらなきゃだから進めらんないんだゾ。 サーヴァント達抜きでは17階層突破は無理だし、だから毎日潜るのはそもそも無理なんだよ。 …
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ