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第601話 ミラードラゴン

砂嵐の中に突入しているが、今の時刻は十一時前だ。

上がったテンションの恩恵もあるのか昨日よりも一時間近く早いペースでここまでこれている。

既にこのエリアでもストームドラゴンの一団を退け、あと少しで抜けるはずだ。

二回目とはいえ流石にストームドラゴンを瞬殺とはいかず、苦戦しながらも無傷で切り抜ける事ができた。


「みんな、ようやく抜けたよ」

「やっぱりここは難所ね」

「ああ、視界が悪いのがキツイな」


しばらく歩き、無事砂嵐エリアを抜ける事が出来た。

昨日はこの地点で昼ごはんを食べたが、今日はまだ時間的に余裕があるので、食事を取らずに先に進む。


「ご主人様、モンスターです。この先を左に行った先に一体います」

「一体か。この階層じゃ珍しいな。一体なら問題無いだろうから各自好きに動いてくれていい」


この階層で単体の敵が出現するのは初めてだ。先に進んでいる証拠でもあるのかもしれない。

モンスターのいるところへと向かい、角からモンスターをうかがい見る。

二十メートルほど先にドラゴンがいるが、その風体は特異だった。

全身が鏡面のように光っており、周囲の景色をその身にうつしている。

鏡のようにガラスではなく金属を磨き上げたような光沢。

おそらくは、金属竜の亜種。

サイズはそれほど変わらないので上位種というわけではなさそうだが、金属であるなら当然硬く、しかも雷も反射してしまいそうだ。


「こそこそするのは、小物のする事だ! わたしがさっさと片付けてやるよ。燃え尽きてなくなれ!『破滅の獄炎』」

「あ……」


ルシェ、どう考えてもこのドラゴンは獄炎と相性悪いだろ。

確かに好きにしていいとは言ったが、なんでまた同じ事を繰り返すんだ。

しかも今回は鏡面の効果で、明らかに金属竜の時と比べても燃え方が弱い。


「マイロード、どうされますか? もしよろしければ私も敵を倒しに向かいますが」


あ〜これはベルリアもわかってるんだな。このままいくと下手をすると三十分コースだという事を。


「よし! ベルリア頼んだぞ!」

「ちょっと待て! わたしが戦っているのに邪魔する気か? ベルリア!」

「いえ滅相もございません。ルシェ姫の助けになればと思っただけです」

「余計なお世話だ!」

「そう仰るのでしたら私の出る幕はありません。控えさせていただきます」

「ベルリア!」

「マイロード、ここはルシェ姫にお任せしましょう」


ベルリア……寝返ったな。

このまま待っていても埒があかない。三十分もこのまま待ち続けることなどできるはずがない。


「ご主人様、よろしければ私がとどめをさしましょうか?」

「シル……頼めるか?」

「はい、もちろんです」

「おい! シル邪魔すんなよな」

「ルシェ、このままずっと待っていてもご主人様から魔核をいただけませんよ。素早く倒して次に行った方が、魔核をいただける機会が増えるのですよ?」

「た、たしかに。目先の一個よりも先の三個というわけだな。わかったぞ! シルも頼んだぞ!」

「まかせてください。我が敵を穿て神槍ラジュネイト」


シルが加速して光を放った神槍をドラゴンに叩き込む。

鏡面の効果で威力が半減したりしないかと心配したが全くの杞憂に終わった。

シルの一撃はドラゴンの鏡面装甲を貫き風穴を開けてあっさりと消滅させた。

今回はシルのお陰で助かった。だがベルリアは裏切り者だ。


「ベルリアは当分魔核はおあずけな」

「マイロード……」

「自業自得だな」

「海斗! わたしにはくれよ。獄炎を使ったんだからな」


なんてずうずうしいんだ。どう考えてもあの獄炎は余計な一撃だっただろう。

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