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第586話 ワーム

この一週間一階で頑張って見たが、いつものようにスライムの魔核が手元に残った。

気持ちを切り替えて今日は十七階層の探索をすすめる。

俺は完全に切り替えが出来ているので、いつも通りのテンションで臨めているが、なぜかミクのテンションがいつもよりも低い気がする。


「ミク、何かあったのか?」

「いえ、別に……」


やっぱりいつもの元気とキレが無い気がする。


「言いたくないなら聞かないけど、何かあるなら相談にのるよ」

「…………昨日ヒカリンの病院に行ってきた」

「ああ……それでどうだった?」

「前行った時よりも目に見えて悪くなってた」

「入院していても回復は難しいんだな……」

「多分、あの感じだと十八階層クリアまでは無理かもしれない」

「そんなに?」

「医者じゃないからはっきりとはわからないけど、無理だと思う」


俺とあいりさんはミクの話にショックを受けてしまった。

ヒカリンが良くないのはこの前見てわかっていたが、俺が思っていた以上に時間はなかった。俺達の認識が甘かったのかもしれない。

十八階層のクリアまで保たないとなると、もう一刻の猶予も無い。

何がなんでも十七階層を最短で攻略して、ドロップを手に入れるしか無い。


「よし! この土日でクリアするつもりでやろう」


焦りはあるが、それ以上に使命感に駆られて十七階層の探索をすすめる。

およそ二時間ほどで前回のマッピングポイントまでたどり着く事ができた。

そこからしばらく歩くとフィールドに 変化が訪れた。


「急にだな」

「そうだな。また歩きにくい」

「歩くペースが落ちるわね」


突然、地面が以前の階層と同じような砂のエリアに切り替わってしまった。

ここのところしばらくは通常の石で出来た床だったので急に足が重くなる。

歩くペースが遅くなり気ばかり焦ってしまう。


「ご主人様、敵モンスターですが、こちらに向かって来ています」


シルの警告で全員が前方へと目をやるが、敵モンスターの姿は見てとれない。


「ご主人様近いです」


前方には未だ敵の姿は見えない。

これはまさか……


「みんな下だ! 下を警戒してくれ! ベルリア!」


これは以前もあった巨大ミミズのパターンだ。

全員の意識が足下に集中する。


「マイロード! 恐らく三体。来ます!」


俺の想像通り砂の中を移動して来たようで、足下からモンスターが飛び出して来て、再び砂へと潜った。

一瞬ミミズかとも思ったが、一瞬見えたギラつく大きな目と、特徴的な頭部の形がミミズではなくドラゴンである事を物語っている。

頭部はドラゴンのそれだが胴体は蛇のようにも見える。


「海斗! こいつはワームよ!」

「ワームって虫?」

「違うわよ。ワームっていうドラゴンよ! 牙に強力な毒があるわ」


毒持ちのドラゴン!? どう考えてもヤバイやつじゃないか。


「シル『鉄壁の乙女』だ!」


毒の牙と聞いてこの初見のドラゴンへの対応策を咄嗟に思いつく事はできなかった。

だが三体いるこのワームの牙による一撃をくらうわけにはいかないので、体勢を整える為にシルに『鉄壁の乙女』を展開してもらう。

光のサークルに向かってワームが地中から飛び上がって体当たりしてくるが、見えないところから突然飛び出してきて攻撃をかけるとすぐに地中へと戻っていくのでタイミングが計りづらい。


「みんなどうやってしとめる?」

「攻撃に姿を現した瞬間を狙って一斉攻撃でしょうね」

「それでいこう」

「ルシェ、いけるか?」

「いけないはずがないだろ! なめてるのか? 完全にわたしの事をなめてるんだな!」

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― 新着の感想 ―
[一言] 結局海斗はカオリンの事に関して何も考えてないじゃないか。 お見舞いは最初の一回のみ。 で、認識が甘かった☆ ハハハハハハ
[良い点] そろそろ海斗が命掛けそう
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