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第550話 ドラゴニュート

俺は迫りくるドラゴニュートの棍の攻撃を見極めて後方へと避ける。

他の四人もそれぞれ戦いに入っていた。

ベルリアは俺とほぼ同時に戦闘に入り、ドラゴニュートと斬り合っているが、二刀を操るベルリアが、圧倒的に押している。

ベルリアはドラゴニュートの強烈な一撃に押し負ける事も無く、一刀でさばいて

残るもう一刀でドラゴニュートの外皮を削りダメージを与えている。


「やりますね。だが二刀の魔剣を操る私の敵ではありません」


ベルリアの攻撃が勢いを増し、ドラゴニュートの身体からは青い体液が噴き出している。

劣勢に見えたドラゴニュートは口を開いたと同時に口からファイアボールをはきだした。


「流石は蜥蜴ですね。口から火を吐くとは思いませんでしたが、口の中は焼けないのですか?」


ベルリアが華麗に宙を舞いファイアボールを避けそのまま脳天に魔刀を突き刺した。

他の三人は、迎撃態勢に入り少し遅れてから戦闘に入った。

あいりさんは薙刀で相手の棍に対し先手を取るべくいきなり『ダブル』を使用して、一撃を叩き込んだ。


「流石はドラゴニュート、外皮が硬いな。もう一回だ『ダブル』」


再びあいりさんが2度目の『ダブル』を放ち手傷を負わせる事に成功した。

やはり初見であれを見破る事はまず出来ないだろう。

追い詰められたドラゴニュートがベルリアの時と同様にファイアボールを放つべく口を開いたがその瞬間


『アイアンボール』


ドラゴニュートは開いた口の中に鉄球がめり込んで卒倒し、あいりさんがそのままドラゴニュートの首を落とし消滅させた。

ルシェはドラゴンが炎耐性が強い事を警戒してか『破滅の獄炎』では無く『侵食の息吹』を発動してドラゴニュートの様子を見ている。


「がhぁjあaかkああ〜」


ドラゴニュートが理解出来ない声を発して苦しみ始めた。


「ふん、所詮蜥蜴だな。炎は耐えれてもこれはダメみたいだな。さっさと溶けて無くなれ」


しばらくすると、理解不能な言葉と共にドラゴニュートの身体が溶け始めて崩れて消え去った。


「口ほどにもなかったな」


一方シルは戦いにもならなかった。


「あなたなどに時間を使っている場合ではありません。今すぐ消えてください。我が敵を穿て神槍ラジュネイト」


速攻で神槍の一撃を叩き込み一瞬のもとに消滅させてしまった。


「神槍の敵ではありませんね」


結局のところ俺が一番苦戦している様だ。

ドラゴニュートと斬り合っているが思いの外、棍の攻撃に手こずってしまい、決定打を放てていない。


「海斗避けて!」


ミクの声が聞こえた直後に、後方から雷の槍が飛んできてドラゴニュートの胸に突きささった。


「ガァアア……」


これで決まったか? 

俺はそのままドラゴニュートの様子を確認するが、どうやらまだ致命傷には至っていないものの動きは完全に止まっている。

俺は、チャンスを逃さず、すぐに踏み込んで魔氷剣でドラゴニュートにささっている雷の槍のすぐ横を貫いた。

雷の槍と氷の刃がささったドラゴニュートは絶命しすぐに消滅した。


「ミク、助かったよ。それにしても口からファイアボールを吐くとは思わなかったな」

「私はベルリアので、わかっていたから対処できたよ」

「俺は、もしノーマークで吐かれていたら危なかったですね。人型が口から炎を吐く発想がなかったです」

「やはりドラゴニュートは人型でもドラゴンの仲間という事だろう」


ドラゴニュートは、鬼とは勝手が違い、棍での攻撃に俺は結構苦戦してしまったが、他のメンバーは、案外通常のドラゴンよりもあっさり倒せてた感じだったな。

やっぱり相性もあるのかもしれない。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 海斗「なんか鬼より苦戦しましたね、やはり呼Qの問題なのでしょうか」 あいり「何を言ってるんだ海斗、真面目にやれ」 とか言ってそう
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