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第540話 決断

病院を出てから俺から二人に声をかけた。


「ヒカリン良くないですね」

「うん……びっくりした」

「ああ、良くないな。海斗の話では、後数年は猶予があると言う話じゃ無かったか?」

「そう聞いてたんですけど、ヒカリンのパパにもう一度電話してみます」


俺は再びヒカリンのパパに電話をかけた。


「はい、今病院を出ました。どうしてあんなに…………はい。そんな…………はい。じゃあ……そうです。なんで…………そうですか。俺が、俺達が何とか……はい。任せてください。はい、それでは」


ヒカリンのパパとの会話を終えて電話を切った。


「何となく聞こえたけど……」

「ああ、ヒカリンの状態は俺と同じリバウンドだと思う。特に影響が出たのは魔力切れだと思うけど、地上に戻った次の日には極端に体調が悪化して、それから悪くなる一方らしい。ポーションも飲んだりしてるみたいだけど効果は薄いみたいだ」

「それじゃあ、ヒカリンはこのままだと」

「はい、厳しいみたいです。リバウンドがきっかけで病状が急激に悪化したみたいです」

「そんな……」

「俺はヒカリンを助けると約束したんで約束を果たすつもりです」

「でもどうやって霊薬を?」

「十七階層をクリアしましょう。それでダメなら十八階層も攻略してボスドロップを狙いましょう」

「私もそれしかないとは思うけど、十五、十六階層では出なかったのに都合良く十七階層で出るかしら」

「……でもそれ以外に霊薬を手に入れる方法が俺には無いんだ」

「私もそれしか無いと思う」

「そうだな、それしか無いだろう。ヒカリンがいないから後衛はミクに任せる事になるがそれでも行くしか選択肢は無いな」


みんな分かっている。ヒカリンにはもう時間がない。少し前までは後数年あるのだから、どこかの層のボスドロップか何かでどうにかなるだろうと思っていた。

だが、さっきのヒカリンのこの二週間での衰弱度合いを見てしまうと、後一ヶ月でも本当に大丈夫なのかと心配になるレベルだった。

このまま衰弱していくとは考えたくは無いが、そう遠く無いタイミングで……


「俺は少し無理をしてでも探索のペースを早めるべきだと思います。シル達もレベルアップしましたし、前面に立ってもらって突き進むのがいいと思います」

「魔核は大丈夫なの?」

「先週一週間で十分な量を確保しているからこの土日だけなら思いっきり行けます。平日はまた魔核を集めるんで大丈夫です」

「分かった。それじゃあ海斗に任せるよ」


俺達は急いでダンジョンまで戻ってきたが既に時刻は十三時を回っている。

正直一分一秒が惜しい。

俺は装備を整えてからダンジョンへと踏み込み『ゲートキーパー』で十七階層へと飛んだ。


「シル、ルシェ、ベルリア、ヒカリンの容態が急変してもう時間が無いんだ。この十七階層を最短で攻略したい。どうしてもボスドロップで霊薬が必要なんだ。シルこの階層は最初から前で戦ってくれ」

「はい、かしこまりました」

「おい、ヒカリンはそんなに悪いのか?」

「ああ、良くないな。霊薬が無いとまずい状況だ」

「そうか……」

「ルシェも積極的に戦闘に参加してくれ」

「ああ、分かった」


これで十七階層といえども、必ず攻略出来る筈だ。俺とベルリアを先頭にして初めての十七階層の探索を始める。


「シル、どうだ? 敵の気配はするか?」

「いえ、今のところ反応はありません」

「海斗、焦っているのは分かるが、落ち着け。焦っていると足下をすくわれるぞ! まずは着実に進んで、確実に攻略する事に集中しよう」

「はい、そうですね」


頭ではあいりさんの言葉が理解出来ているが、心と身体が焦りを感じてしまう。

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[良い点] 学校休んで潜りそうだが進学に影響が出そう うーん、板挟みになるな [一言] 親友二人も加えてパーティー組めば、と思ったがかえって足手まといか…
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