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第522話 搾りかす

「ルシェ! 絞り出せってどう言う意味だ」

「そんなの一つしかないだろ! HPがあるならわたしに寄越せ! 」


これはあれか……ルシェ本当に俺の最後の一滴まで絞り取る気か。

確かに合理的ではある。

もう戦力となり得ないのであれば、ルシェの糧となり戦力の底上げを試みた方が可能性が上がる。

この戦闘を乗り越えればレベルアップする可能性も高いので戦闘後に回復するかもしれない。

後は、俺の覚悟だけか……


「ルシェ! ポーションはもう無い。これで最後だぞ。今回は遊びは無しだ」

「そのぐらい分かってるよ。それじゃあ、いただくぞ! 『暴食の美姫』」


ルシェ、もうセリフがおかしいぞ。いただくぞって……


「ふうぅううぁあ〜!」


来た〜!キツイ。この満身創痍の状態からの『暴食の美姫』いつになくキツイ。

俺の命が吸われていく。立っていられない。


「海斗! 大丈夫?」


ミクが横について気遣ってくれる。


「いや、大丈夫じゃない」


もう、一刻も早くルシェにおわらせてもらうしかない。


「ふふふっ。虎熊童子とやら、もうお前の命もここまでだ。わたしがこの姿になった以上、逃れる術はもうないぞ。せいぜい残り少ない命を楽しめ」

「大きくなった程度で笑わせてくれる」


流石ボスだけあって普通にしゃべれるな。

それにしてもルシェ、完全にセリフが悪役のそれになってるぞ。まあ悪魔だから悪役で間違い無いのかもしれないが、今のやり取りだけ見るとどっちが敵役か分からない。


「いつもなら時間いっぱいかけて楽しみたいところだが、流石に今は無理っぽい。さっさと死んでくれよ。お前らも死なないように避けろよ」


お前らって俺達の事か?


『爆滅の流星雨』


ルシェがスキルを発動すると、上方から無数の火の玉が落ちて来た。ある程度範囲指定は出来ているようだが、落ちる角度のまずい火の玉がこちらに向かってくる。

これが文字通り流れ弾と言うものなのだろうがこれは当たると死ぬやつだ。


「みんな、逃げるぞ!」


俺はミクに肩を借りながらなんとか避難を繰り返す。

やはりルシェは無茶苦茶だ。


「ズドドドドドドゥゥウーン」


豪音とフロア全体を焦がすのでは無いかと思われるような熱量を発しながら火の玉が次々に落下を繰り返していく。

無理やり移動した俺は、気を失ってしまいそうだ。

今気を失うわけにはいかない。

なんとかフロアを見回すと、残っているのは十鬼に満たないが熊童子と虎熊童子はダメージは負っているようだが健在だ。


「流石にしぶといな。虎野郎! これ以上長引かせると海斗が戻って来れなくなりそうだからな、これで終わりだ『神滅の風塵』」


ルシェの必殺のスキルが発動して虎熊童子を風の暴力が襲う。

圧倒的な風の圧力が一気に虎熊童子に向けて収束し、瞬時に虎熊童子の存在を消し去った。


「おい、シルいつまでかかってるんだよ。わたしは終わったぞ」

「分かっていますよ。ルシェが終わってしまったようなのでこれ以上あなたにお付き合いする事はできないようです。熊さん、そろそろ終わりにしましょう。我が敵を穿て神槍ラジュネイト」


今度はシルが必殺の一撃を熊童子に放ち、熊童子の胴体に風穴を開け、完全に動きが止まった熊童子に向けて追撃を放ち完全に消滅させた。


「ルシェ! もう無理だ! 今日はもう無理!」

「ふふっ、また今度じっくりな」


何を言ってるんだ。もう今回で最後だよ。じっくりなんてするわけない。

ルシェが『暴食の美姫』を解除したが、俺はもう一歩も動けなくなっていた。

あとは残りの鬼に襲われないように気配を消して隠れていよう。

後は頼んだ。俺はもう絞り取られて何も出ない。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ルシェが変わらずゴミのままなの何とかしてくれ
[気になる点] はたして、ルシェが事前に渡されたポーションを、少し気分が悪いからといって飲んだせいでここまでピンチだったのか、関係なくピンチだったのか。
[一言] 今回はルシェに助けられたなぁw
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