表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
523/980

第520話 瓦解

「すまない。海斗……もう腕に力が……」


あいりさんが薙刀を手から落としてしまった。

度重なる斬撃で遂に薙刀を持つ握力が無くなってしまった様だ。

既にポーションも何本か飲んでいたはずなので完全に限界を迎えたのだろう。


「あいりさん! ルシェの後ろに下がって!」


あいりさんに下がってもらい、俺とシル、ベルリアで鬼の一団を押し返す。

鬼の数は減っているものの、四人で対応していたところが三人にへってしまったので、突然負担が三割増してしまった。

残念ながら剣を持たない俺では複数を同時に相手することは出来ないので、挟まれ無い様に注意しながら立ち回るしか無い。


「ヒカリン! 『アースウェイブ』を周りに張ってくれ」


鬼の動きを止めるためでは無く、少しでも敵からの攻撃範囲を狭める為にヒカリンに『アースウェイブ』を周囲に発動してもらう。

これで効果が続く限り侵入経路は限定できるはずだ。

もう一度ルシールを出してもらうか?

ルシールを出せば、盛り返せるはずだ。


「シル! ルシールをもう一度頼む」

「ご主人様! ルシールを喚んでしまうとMPが切れます」


……そこまでか。ずっと戦い続けているのでシルのMPが切れても不思議では無いが、どうする。

こうしている間にも鬼は押し寄せて来ている。


「シル、やってくれ! ルシールを喚んでくれ!」

「かしこまりました。我が忠実なる眷属よここに顕現せよ『楽園の泉』


再び戦場へとルシールを喚び戻し、戦況を立て直す。


「ルシール頼んだ。お前だけが頼りなんだ。とにかく鬼の数を減らしてくれ!」

「お任せください。私の出来る限り倒します。ほら、海斗様のお望みです。お還りください『エレメンタルブラスト』」

 

迫って来ていた鬼が空中へと巻き上がり、少しの時間だが攻撃の手が止んだ。


「シル、今のうちにこれを」


このタイミングを逃さずにスライムの魔核をシルに差し出した。


「こんなに良いのでしょうか?」

「いや、今しかない。これで少しでも回復をしてくれ」


これだけ魔核を摂取すれば、シルの体力もMPもかなり回復するはずだ。


「ああああ〜! ずるい! ずるい! シルだけずるい!」


ここでそれを言うのか……ルシェ。

なんで、戦闘中にこっちを見てるんだよ。


「騒がなくてもルシェの分もあるって」

「じゃあ今すぐくれ。すぐにくれ。私もMPが切れる」


今すぐって言われても、この状況でどうやって渡すんだよ。


「とりあえずこれがシルの分な。ルシェは終わったらな」

「無理! 無理! 無理! ミク今すぐ海斗から受け取って来てくれ」

「はいルシェ様、わかりました」


我慢する事を知らないルシェはミクをこちらに寄越して来たので、素早く残る魔核を渡しておいた。

そしてこの時点で気がついてしまった。

さっきベルリアに渡した低級ポーションって魔核でよかった……

やってしまった。

ベルリアが突然MPが切れたと言い出すからテンパってポーションを渡してしまったが低級ポーションを一本無駄にしてしまった。

この切迫した状況での低級ポーション一本分の価値は計り知れない。

俺はどこか抜けている。状況が切迫すればするほどミスを犯してしまう。

そんな自分にショックを受けてしまうが、ルシールの稼いでくれた時間が終わってしまう前に戦闘態勢を整え直すが、残念ながら俺のMPもそろそろ底を尽きそうだ。


「シル! 俺が戦える時間もそれ程残ってない! ルシールと一緒に一気に行くぞ!」


シルのMPは今のでかなり回復しているはず。ルシールの召喚もまた使用できるはずだ。このまま四人の間に殲滅するしかない。

俺は最後の気力を振り絞り残る鬼に向かって行く。

【読者の皆様へお願い】


いつもありがとうございます。

皆様のブックマークと☆ポイント評価で筆者のモチベーションが保たれています。

興味を持たれた方は是非ブックマークとスクロールして下部の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にお願いします


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  ▼▼▼ 文庫版 画像をクリックすると紹介ページにアクセスできます ▼▼▼  
表紙絵
     ▼▼▼クリックするとアニメ公式ページにアクセスできます ▼▼▼  
表紙絵
― 新着の感想 ―
[良い点] ピンチのときこそミスは出る! 大事なのはミスしたことを反省することじゃなくて、その穴をすぐさまカバーする立ち回りだぜ さあ後少しだ!頑張れ海斗!
[一言] この状況でミスらない奴はいない!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ