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第480話 ルシェきれる

俺とあいりさんは奇妙な動きを続けている小鬼にむかってそのまま距離を詰めてから


「アイアンの呼Q 4の型 戦撃ボール衝 滅」


あいりさんが『ボール』を放つが、もはや技の発動にほとんど『アイアンボール』を感じられない。

しかも鉄の呼Qですら無くなっている。

ただし命中した鉄球は、心なしかサイズも威力も増している気もするので文句は言えない。

ただ発動にいつもより時間がかかっているので、急ぎの時は控えて欲しい。

『アイアンボール』が直撃した小鬼は苦しんでいるが流石にミクの幻術は解けたようでこちらを睨んできている。

小鬼とはいえ鬼なので睨まれると結構怖い。

いつまでも睨まれ続ける訳にはいかないので速攻で勝負を決めに掛かる。

機動力を削がれた小鬼には俺とあいりさんの同時攻撃を避ける術はない。


「海斗、氷の呼Qだ!」


え………ここでですか?あいりさん。スパッといったら終わるところですよ?

氷の呼吸って何?

どうしたらいいんですか?

無茶振りすぎませんか?


「こ、氷の呼Q 1の型 ………………………氷結烈波………氷柱」


俺は恥を忍んでオリジナルの技の名前と共に魔氷剣を振るい小鬼の消滅に成功した。

今回の戦闘は魔氷剣の一振りで終わったが、疲れた………。そして恥ずかしい。

俺の精神力がかなり削られてしまった………


「海斗、なかなか良かったぞ。ただ最後の部分は1文字の方がベターだったな」

「………………そうなんですね」



最後は1文字か。思い返してみれば確かに他のメンバーはそうだった気がする。

うっかりしていた…………

でもこれで俺もみんなの仲間入りだ……な。

他のパーティには絶対見られたく無い。

考えてみると探索者になる人は少なからず厨二病にかかっているのだろう。

そうじゃ無いと続けられないよな。

は〜

残りの小鬼はどうなった?

横に目をやると2体とも交戦状態に入っていた。

ベルリアは追いかけながら剣を振るっているが、どうもそれなりの距離を走るスピードは両者に大きな差は無い様に見える。

その為、剣を振るっては距離をあけられると言う状態が続いているようだ。

シルの方もどうやら近接戦を選択したようでシルが最前線まで出てきて交戦している。


「スピードだけはある様ですが、それだけのようですね。あまり時間をかけるとご主人様の迷惑になります。そろそろいいでしょう。早く消えてしまいなさい。我が敵を穿て神槍ラジュネイト」


シルは神槍の発光と共に一気に加速して小鬼を捉えて瞬殺してしまった。

俺があれだけ苦労した小鬼もシルは瞬殺。

やはり火力も含めてシルは別格だと再認識させられる。

残るはベルリアだけか。

ベルリアは未だ交戦しており、相対する敵を捉え切れていないようだ。


「あ〜、イライラする。わたしだけ除け者か!もういいベルリア代われ。時間かかりすぎ!わたしが瞬殺するから退け!」


ルシェが………きれた?

説明したのに納得してなかったのか?

そもそも小鬼とルシェは相性が悪すぎるだろ。どう考えてもベルリアに任せたほうが良い。


「ル、ルシェいきなり何を言い出すんだ。お前じゃ無理だろ、大人しくしてろ」

「バカなのか?こんな小鬼ぐらい敵の内に入らない。無理なはずないだろ!その小さい目を極限まで開いてしっかり見てろよ」


そう言うとルシェは小鬼に向かって駆け出した。

ルシェまさか近接戦やるつもりか?

躱される事を考えると確かに学習しているのかもしれないがルシェが近接戦?

以前のスタンピードの時以来だが大丈夫なのか?

まさかとは思うが頭に血が上って何も考えずに突っ込んで行った訳じゃ無いよな。そんなはずは無い……よな。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 何というか、生き死に関わってるはずなのに全体的に緊張感や危機感が足りないメンツに...、主人公が狙われてるのが多いせいか、主人公がピンチになってもルシェを諌めたりしないしないしシルも止…
[良い点] なんかギクシャクしてきたな どうまとめるのか
[一言] スキルの件といい、暴走しまくりわがまま放題すぎてコイツいらんだろ…ってなるね。 前に罠に引っかかって主人公に言われてからまるで成長していない…
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