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第462話 真司が進化

「おいおい真司、見せつけるのは遠慮してくれ。独り身の俺のハートがもたないぜ」

「別に見せつけてるわけじゃないって。悠美も機嫌いいし、いいだろ」


隼人の声は俺の心の声と完全にシンクロしていたが、この春休み2人に一体何が起こったと言うのか。

俺は鉄の心で目の前で繰り広げられる異世界の情景をスルーして肉を焼いて配る。


「ほら、春香も、もっと食べてよ」

「うん、ありがとう。海斗も焼いてばっかりじゃなくて食べようよ。これでいいかな。はいど〜ぞ」

「……………」

「食べないの?」


「はいど〜ぞ」と言いながら春香が焼いた肉を箸で取って俺の方に向けてくれている。

これって俺に食べろって事だよな。


「は、はるか……」

「はい、ど〜ぞ」

「うん、ありがとう」


強烈に恥ずかしいが、この状況では選択は1つしか無い。俺は春香が差し出してくれている肉を思い切って頬張った。

肉も熱いが顔が熱い。


「美味しい?」

「うん、美味しいよ」


本当は味が全く分からない。正直味どころでは無い。これは所謂「あ〜ん」ではないのか?


「あ〜海斗もか〜。2人共俺に少しは気を使ってくれよ。お熱いね〜。ねえ花園さん」

「…………」


恥ずかしい……。春香も前澤さん達にあてられたのだとおもうが、少しは俺のメンタルの事を考えて欲しい。


「それより、花園さんは探索者とか興味あるの?」

「そうでもなかったんだけど悠美から色々聞かされてるうちに気になった感じ」

「そうか〜。何でも俺に聞いてよ」

「じゃあ隼人くんは、何でダンジョンに潜ってるの?」

「それは、そこにダンジョンがあるからさ」

「…………」

「冗談だよ。やっぱり楽しいしやりがいがあるし、お金も稼げるからかな」

「お金稼げるの?」

「まあ、俺はそこまででも無いけどサラリーマンぐらいは稼げてると思う」

「そんなに?」

「本当だよ。一応体張ってるから。今度よかったら俺の奢りでカフェでも行かない?」

「あ〜考えとく」


隼人も積極的に花園さんにアプローチをかけているが、上手くいっているのか判断が難しいところだ。

俺達も出来る限りのフォローをしてやりたいが、真司が異世界に行って帰って来ないので強制的に呼び戻す。


「ちょっとトイレに行ってくるよ。真司も一緒に行くぞ」

「え?あ、ああ、じゃあ俺も」


真司を異世界から現実のトイレへと引き戻す。


「真司、前澤さんとイチャイチャしすぎだろ。隼人のフォロー頼むぞ」

「ああ、ごめんごめん。気をつけるよ」

「それにしても名前で呼んでるし距離感が一気に近づいてないか?」

「まあ、そうかな」

「春休み中に何かあったのか?」

「まあな。先週のデートでキスした」

「………………………マジで?」

「うん、マジ」

「……………マジですか。早くないですか」

「そうか?海斗もそのぐらい春香ちゃんとしてるだろ」

「…………して、ない……」

「マジで?」

「うん、マジ」

「海斗、今日もあれだけ仲良くしてるのに春休みはどうしてたんだ」

「週末には遊びに行ってたけど」

「それで何も無かったのか?」

「手を、手を繋ぐようにはなった」

「それだけ?」

「それだけだけど」

「マジか」

「マジ」

「…………。海斗、告白はしたんだろうな」

「いや、まだだけど」

「マジか‥‥…。でも手は繋いだんだよな」

「うん、春香から手を………」

「そうか。じゃあ海斗俺もフォローするから今日告白しろよ」

「は?」

「は?じゃない。流石に春香ちゃんがかわいそうだぞ。俺も悠美と付き合い出して色々と成長したけど、海斗は奥手すぎる。お前に付き合わされる春香ちゃんの気持ちを考えた事はあるのか?」

「いや、でも、断られたら俺再起不能になりそうなんだけど」

「は〜………断られる訳ないだろ。今のお前達、世間では完全に付き合ってる状態だぞ。お前春香ちゃんの顔まともに見たことあるのか?さっきだって完全に海斗の事大好きって顔してただろ」

「そうかな。嫌われては無いと思うんだけど」

「もっと自信を持て。黒い彗星の2つ名が泣くぞ!」


真司が今までと違う。今までも男らしい部分はあったが前澤さんの影響か、生まれ変わったように男らしい。

危うく惚れてしまいそうになるが俺には心に決めた人がいる。

それにしても黒い彗星はこの場では関係無いだろ。

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― 新着の感想 ―
[一言] ヘタレなうえに自分のことしか考えてないとか救いようが無い
[一言] 春香の方からは色々アプローチしてるのにずっとヘタレたままでは可哀想。 でも読んでて付き合っても結局春香が我慢しそうな感じがする。主人公は人の事考えられないから
[一言] 恋愛相談出来る友人がいるっていいね……
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