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419話 逆鱗

ベルリアが紫色のブレスを物ともせずに突っ込んで行く。


「あいりさん、俺たちはベルリアのサポートに回りましょう」

「わかった」


レッサー龍が再び口を開きベルリアに向けて紫色のブレスは吐いたが、ベルリアは本当に大丈夫なようで構わず突っ込んで行く。

どう見ても有毒なブレスなので、普通の人間で有れば避ける以外の選択肢はないが、ベルリアは既にレッサー龍の目の前までたどり着いている。

ベルリアが剣で攻撃しようとした瞬間、レッサー龍が短い足を音速稼働させて避けた。

ベルリアも瞬間的に動いて追撃をかけるが、どちらもやたらと素早いので援護し辛い。

この位置からではベルリアが邪魔で狙えないので、俺はレッサー龍の後方に回るべく移動して行く。

レッサー龍はベルリアの剣を口の牙と頭に生えた角を使いダメージを負わないように交戦している。

俺が無事に後方までたどり着いたのを見計らってからベルリアがジャンプしてからの2刀アクセルブーストを放とうとしたのが見えたが、ベルリアのジャンプに呼応するようにレッサー龍も飛んだ。


「え?」


このレッサー龍って飛べるのか?巨体のくせにベルリアよりも上に飛んでいる。

ベルリアは目標を失いそのまま着地するが、頭上からレッサー龍が落ちながらベルリアを狙っているのが見え、咄嗟にバルザードの斬撃を放つ。


「ベルリアよけろ!」


残念ながらバルザードの斬撃では、決定的なダメージを与える事は出来なかったが、少しの時間を稼ぐ事は出来た。

ベルリアはその場からすぐに飛び退き、着地した龍に向かって剣を振るう。

見る限りどうやらあの龍は飛べる訳ではなく、空高くジャンプしただけのようだ。

再びベルリアがアクセルブーストを使って斬りかかり手傷を負わせる事に成功しているが、やはり龍の外皮が硬いのか切断までは至っていない。

やはり龍の弱点と言えばあれか!


「ベルリア、逆鱗だ!首の辺りに逆鱗が有るはずだ。その辺りを狙え!」


龍の弱点といえば昔から逆鱗だろう。一般的に物語の中では首の辺りに一枚だけ有る逆さの鱗が弱点とされる事が多い。

こいつも龍の端くれなら逆鱗が有るはずだ。


「マイロード、どの辺りでしょうか?残念ながら確認できません」


確かに、目の前のレッサー龍の鱗は蛇が大きくなったような鱗なので1枚1枚が1cm程度しかないように見える。しかも枚数がとんでもない枚数なので戦いながら逆さの鱗を見つけてそれを貫くのは難易度が高すぎる。


「ベルリア、すまない。気にせずに戦ってくれ!とりあえず首は弱点かもな」


ベルリアを惑わせる真似をしてしまったので、お詫びに援護に入るべく後方から迫るが、かなり体長があるので、俺の位置から狙えるのは尻尾に近い場所だけだ。

尻尾の根本の辺りに狙いをつけてス〜ッと近づいて行き、そのままバルザードで斬りかかる

外皮に当たる瞬間硬質な抵抗感が有り、バルザードの刃が途中で止まってしまった。


「グウウアアアアアアア〜」


尻尾を斬られかけたレッサー龍が叫び声を上げてこちらを振り向いた。

やばい……

焦る心を押さえ込み途中まで刺さったバルザードに切断のイメージをのせて一気に尾を切り離し、そのまま後方に離脱を試みるが怒り狂ったレッサー龍が口を開くのが見えた。

まずい、この距離だとブレスをくらう。

咄嗟に息を止めて身構えるが、ブレスが来る事は無かった。

俺が身構えた直後にレッサー龍の首が落ちたのだ。

ベルリアから目を離して俺をターゲットにしたレッサー龍は、ベルリアに対して完全に無防備な状態で首を晒す事になり、その瞬間ベルリアの2刀で首を切断される事となった。

ベルリアが回転もジャンプも無い状態で一気に切断まで持っていったので、やはり首が弱点だったのかもしれない。

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[一言] トカゲしか思いつかん
[良い点] ベルリアさんかくけい
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