第373話 呼び出し
俺は今ギルドに来ている。
ギルドから呼び出しがあったので放課後にギルドにやって来ていた。
「あの〜、何かあったんでしょうか？」
「高木様、今14階層に潜ってるんですよね」
「そうですけどよく知ってますね」
「ギルドも探索者サークルの情報内容は把握しておりますので『黒い彗星』は超イケメン説も、もちろん存じております」
「…………………」
日番谷さんに面と向かって言われると、とんでも無く恥ずかしい…………やめて欲しい………
「高木様の事は長年存じておりますが、私の想像を超えた成長を遂げられたようですね。超絶リア充『黒い彗星』は超絶イケメン。すごいです」
「…………お願いです。やめてください………それ、きついです」
日番谷さんに真顔で言われると精神的ダメージが凄まじい。
「14階層で他のパーティを助けたのは高木さんで間違い無いですね」
「いや僕だけじゃ無くてパーティでですけどね」
「そうですか。それで、今売り出し中の高木様のパーティにお願いがあります」
別に売り出している訳でもなんでも無いのだが、俺達にお願いってなんだ？
「これはすぐに知れ渡る事なのですが、最近になって15階層で隠し部屋が見つかったのです。そこにエリアボスらしきモンスターが出現しまして、すでに何チームかのパーティが挑んで敗れているんです。そこで15階層以上を探索しているパーティの中からいくつかのパーティでチームを組んで頂き、集団戦にて討伐をお願いしたいんです」
「ちょっと待って下さい。15階層以上って言いましたよね。俺達まだ14階層なんですけど」
「今週中に踏破して下さい。討伐は来週末になりますので」
「日番谷さん、滅茶苦茶ですけど何で俺達なんですか？もっと上位のパーティがいっぱいいるじゃ無いですか」
「それは、高木様のパーティは本来14階層を遥かに超えた戦力であると認識しておりますので。実際に今回助けられたパーティも絶賛しておりましたし、圧倒的だったと」
「それにしても可笑しくないですか？何かありますよね」
「…………はい。実は一応ギルドからの討伐依頼という形になりますので報奨金が出るのですが1パーティあたり100万円となります」
「100万ですか」
100万と聞くと大金に聞こえるが、俺達は4人パーティなので人数で割ると1人25万円だ。1日で終わった場合は日当25万と考えると結構なものだが、集団戦を挑むほどの相手に25万は安い気もする。おまけに土日の2日かかれば日当は半分になってしまう。
「そうです100万円です。これでも地方のギルドとしては頑張ってるんです。でも15階層より上の方達はもっと稼いでいる方も多くて。しかも上位のパーティを雇う事はほぼ不可能なんです。なので今売り出し中の高木様に是非お願いしたいのです」
ああ、やっぱり安いんだ。15階層で真面目に頑張れば危険をそれほど犯さなくてもそのぐらいは稼げるよな。しかも上位パーティとなると雇う為には桁が違うのかもしれない。
ただ初めてのレイドバトル、興味がないと言えば嘘になる。普段他のパーティと共闘する機会なんか無いので良い経験になる気がするが、シルとルシェの事もあるしな………
「高木様、悩まれていますね。お金の事でしょうか？それとも例のサーバントの事でしょうか？」
「まあ、それもありますけど、他のメンバーに確認が必要ですし」
「高木様、サーバントの事は心配ありませんよ。既にネットワーク上にかなり前から上がっておりますので、かなりの数の方が既に存じ上げているのです」
「はい？存じ上げてるってシルとルシェの事を他の探索者が認識してるって事ですか？」
「それは、そうですよ。高木様も含めてk-12のパーティは既に結構有名ですから。10階層に到達した時点から皆さんの注目を集めてましたからね」
10階層から未だに話題に上っていたのか………
俺は目立たないように注意して来たつもりなのに無駄だったのか？
いずれにしてもこの件は他のパーティメンバーに相談しないと決められない。
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