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第351話 リング

俺は今ショッピングモールの中のジュエリーショップにいる。

前回ブレスレットを購入したお店に来ているが、ちょっとした問題が発生してしまった。

店員さんが俺達の事を覚えていてくれて、色々と奨めてくれるのだが値段が思ったよりも安い。

大体3〜5万円ぐらいのものを薦めてくれるのだが、俺のリングが50万円した事を考えるとあまり安いのを春香に贈るのも憚られてしまう。

俺のマジックリングは銀色のリングに赤い小さな石がはまっている。

春香が同じようなのがいいと言うので赤い石を探すとルビーになったのだが、ダイアモンドが圧倒的に1番人気らしくルビーはそれほどでも無いそうで、そこまで種類がある訳でもなく値段も抑えめのものが多い印象だ。


「海斗、これとかどうかな?」

「う〜ん、もちろん似合ってるしいいと思うんだけど………」

「どうしたの?あっ、もっと安いのにするね。ごめんね」

「え?ああ、そうじゃ無いんだ。もっと高い方がいいんじゃないかと思って」

「もっと高いってこのリングでも35000円もしてるんだよ。十分だよ」


春香の反応を見ていると本気で言っているようにしか見えない。

俺のリングが50万もしたものだから、指輪に対する値段の感覚がおかしくなっているのかもしれない。

心配になった俺は、春香がいくつかの指輪を見比べている隙に店員さんにこそっと50万円レベルの指輪を見せてもらった。

俺は完全に間違えていた。50万円の指輪は結構大きなダイアの婚約指輪みたいなのばかりだった。

これをプレゼントは無理だ。完全に引かれてしまう。

やばい……俺の貴金属に対する金銭感覚がダンジョンマーケットのせいで完全におかしくなっている。


「海斗、これ海斗のとよく似た感じでいいと思うんだけど」


春香が見せてきた指輪は確かに俺のリングと良く似ている。


「きっとお似合いだと思いますよ。せっかくですから彼氏さんも彼女さんの指にはめて見てあげてください」


盛大に勘違いした店員がしきりに俺に指輪をはめろと圧をかけてくるので、勢いに押されて春香の指にはめてみる事にする。


「あ〜お似合いです。お二人お揃いのようですし、最高のペアリングですよ」


彼氏では無いのでペアリングでは無いのだが、確かに春香にはよく似合っている。というか春香はどれをつけても似合っている。

俺が指輪をはめた春香の手に魅入っていると何故かじ〜っと春香がこちらを見ている。


「うん、良いと思う。似合ってるんじゃ無いかな」


声をかけると春香が華の咲いたような笑顔を俺に向けて来てくれるが、やはり視線が気になる。

春香にそんなに見つめられると照れてしまう。何だ?やっぱり俺に何かがついてるのか?


「どうかした?お金は大丈夫だから」

「ううん、なんでも無い。ありがとう。大事にするからね」


気に入ってくれたようでブレスレットの時以上に喜んでくれているように見えるが値段はブレスレットと同額の30000円だった。

とてもじゃ無いがあの手作りトリュフの感動は30000円でどうにかなる物では無いがとにかく良かった。


「よろしければ、そのままはめて帰られますか?」

「はいっ、お願いします!」


よっぽど気に入ってくれたのかそのままつけて帰るようだ。

お店の人も勘違いしているせいか、妙な感じで暖かく見守るような目でにこやかに見てくる。

ちょっと気恥ずかしいが、とにかくホワイトデーのお返しを忘れず渡すことが出来てよかった。

俺とお揃いというのも少し気が引けるが、俺同様に春香の左手の薬指に指輪がはまっており抜群に可愛い。

いつの日か50万円の指輪を送れるといいなと、妄想に駆られてしまいながらお店を後にした。

【読者の皆様へお願い】


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― 新着の感想 ―
[良い点] 左手薬指!(*´ω`*) この時の春香の気持を述べよ(小学生並問題)
[一言] せめて。。。せめて右手に。
[一言] まぁ妥当な線かな? 一般的な高校生ならこれでも十分か
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