第306話 月曜日の学校
今日は月曜日なので俺は今学校にきた所だ。
教室に入ると隼人が居たので挨拶をする。
「おう」
「ああ、海斗、朝からヘビーだけどな真司が呼び出されて行っちゃったんだ」
「前澤さんか?」
「前澤さんだ。まあ2週間以上空いたから真司のメンタルも限界だったと思うけど、今日になって急に呼び出されてついて行ったんだ」
「前澤さんの様子は、どうだったんだ?」
「それが、普通だった」
どうやら、ついに真司が告白の返事をもらう事になった様だ。仮にダメだったとしても、蛇の生殺しの様な今の状態が続くよりはよっぽど建設的になれそうなので良かった。
それにしても前澤さんは何を考えて2週間以上返事をしなかったのだろうか?
本当にダメなら即断ってる気がするので可能性はあるのではないだろうか?
「まあ、朝礼までには帰ってくるだろうから待つしか無いな」
「そうだな。海斗、週末はダンジョンに潜ってたのか?」
「いや、週末は家族旅行に行ってたんだ」
「家族旅行?珍しいな」
「ミクに勧められて、俺がお金を出して家族と温泉旅館に行って来たんだ」
「へ〜やるな〜。俺も今度親を誘ってみようかな」
朝礼が始まる直前に真司と前澤さんが戻って来たがすぐに始業してしまったので、確認する事ができなかった。
俺と隼人は1時間目の古文が終わった瞬間に真司の所に行って聞いてみた。
「どうだったんだ?」
「ああ、それが友達からお願いしますって」
「それって、OKだったって事か?」
「OKとは違う気がするけど、断られたのとも違う気がする」
「まあでも友達から恋人へってやつじゃないのか?」
「そうかな。そうだといいけど、とりあえずフラれなくて良かったよ」
「それでこれからどうするんだよ」
「今日の帰りに2人でカフェに行く事になった」
「おお〜、デートじゃないか」
「いやそれを言ったら海斗も同じ事してただろ」
「ああ、まあ確かに。それじゃあデートじゃないのかも」
「良かったな。あとは俺だけか……。お前ら彼女達に頼んで誰か紹介してくれ。頼むっ!この通りだ!」
「隼人……」
「気持ちは分かるけどな〜。まず好きな人を見つけろよ」
「海斗、馬鹿だな。出会った瞬間に恋に落ちるかもしれないだろ」
「もしあの2人から紹介受けるんだったら同じ学校だろうから、もう出会ってると思うぞ」
「それじゃあ、俺知らない間に既に恋に落ちてるのかも」
隼人がいつもの様に馬鹿な事を言っているが、とりあえず真司は前向きな返事をもらえたらしい。真司の表情も先週までと比べると随分明るい。
友達からか〜。羨ましいな。そのうち、デートを重ねて付き合ったりするんだろうか。俺は……買い物友達か。同じ様なものかな。もしかして俺も前向きな感じなんだろうか?自分的には、この半年間ぐらいで随分と春香との距離は縮まった気はするのだが、それが恋に繋がる様な縮まり方かといえば、そうでもない気がする。
どっちかと言うと買い物友達としての仲が深まった気がする。
できる事なら俺としては、すぐにでも恋人にランクアップしたいが、ランクアップの為の条件が分からない。
まさにプライベートでも迷宮に迷い込んだ気分だ。
ただプライベートでは残念ながらシルもルシェもベルリアもいないので、完全に丸腰状態となっており、まさにモブ全開だ。
最近ダンジョンでは、自分的にモブ感が薄れて来ている様な気がするのだが、プライベートでは相変わらずだ。
これからは、ダンジョン同様に地上でも頑張っていきたいと思う。
ダンジョンでは徐々に経験を積み重ねアイテムを手に入れてパーティを組んだ事によって、少しだけ自信がついて来たと思う。
地上では既にメンバーは真司と隼人がいるので、経験を積み重ねて、あとはアイテムと自信をつけるべく頑張りたい。
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