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第284話 ダンジョンの神秘

俺は今1階層で戦っている。

遠征で獲得した魔核は全部売却してしまったのでまたスライムの魔核を狩る必要があり、1階層でスライムスレイヤーとしての本分を果たしている。

ただ、さすがに慣れた1階層でのスライム狩りは気を抜いてでも問題なくこなせている。

ベルリアにも新しい剣の使い心地を確かめてもらっている。


「ベルリア、新しい剣の使い心地はどうだ?」


「はい。スライムとは相性が悪いですが、剣が2本あるとやっぱり良いです。0本の時と全く違います。これから2刀流に励みます」


「そう言えばあまり詳しく聞いた事が無かったけど、ベルリアってどうやってダンジョンに来てたんだ?」


「それは、初めてお会いした時の事でしょうか?」


「そう。お前以外に悪魔ってまだダンジョンで遭遇した事がないんだけど」


「それはですね、魔界から大規模術式でこのダンジョンに送られたのです」


「それって何しに来たんだ?」


「魔公爵様の命でオルトロスを連れてこのダンジョンの探索を行いに来たのです」


「散歩って言うわけじゃないよな」


「それは私にはわかりかねます。私は散歩がてら行って来いとしか言われておりませんが、魔公爵様の真意は計りかねます」


「そうなのか。もしかしてダンジョンを侵略しようとしてたりしないよな」


「それはよくわかりませんが、既に深層には私以外にも送られた悪魔もいたようです」


「え〜っ!それって深層に行けば悪魔と交戦する可能性があると言うことか?」


「いえ、もしかしたらもう帰ってしまっているかもしれません」


「一つ質問だけど、他の魔族が出て来て襲って来たらお前はどうするんだ?」


「そんな事は聞くまでもありません。マイロードの剣として撃退するのみです」


「そうなのか。その魔公爵とか言うのが出てきたらどうするんだ?」


「私の主はマイロードと姫達ですのでもちろん戦います」


「そうなんだ。でも悪魔が侵攻してくるとヤバいけど、どうしてこのダンジョンなんだろうな」


「それはたまたまだと思います。たまたま、術式に合致したのがこのダンジョンだっただけで、他のダンジョンに行ける術式もあるようですが、秘術の類ですので」


「ご主人様、天使や神達もダンジョンに現れる事もあると思います。神や天使にとって、人間は特別味方という認識は無いのです。恐らく悪魔から見た人間と天使達から見た人間に対する意識はそれほど差がないような気がします」


「それって、場合によっては天使や神も敵になる可能性があるって事か?」


「そうですね。ダンジョンに執着する者が出てくれば人間とそう言った事になる可能性はあります」


「シル、もし天使や神が現れて俺の敵に回った場合、シルはどうするんだ?」


「そんな事聞くまでもありません。ご主人様に敵対するものは即消去します」


「おい、海斗くだらない事聞いてるんじゃないぞ、そんなの当たり前だろ!わたし達を馬鹿にしてんのか?」


どうやら俺のサーバント3人はどんな事があっても俺の味方でいてくれるらしい。サーバントとは、もともとそういう存在なのか、それともこれまで築いてきた信頼関係の賜物なのかは分からないが、頼もしい限りだ。

それにしてもつくづくダンジョンとは不思議な所だと思う。

シル達サーバントを目の当たりにしているので別世界があるのは漠然と感じてはいたが話を聞く限り異世界と繋がる事の出来る場所という事なのではないだろうか?

人間と悪魔、神や天使そしてモンスターが同時に存在する事ができる空間がダンジョンという事だろう。

地上では決してあり得ない事だが、ある意味すごい事のような気がする。

まあ1高校生にすぎない俺には全く関係がない事ではあるが、少しだけ世界の神秘に触れた気がする。

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[一言] さらっと情報の吸い出しが行われたね
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