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第229話 12階層の足下

俺は今12階層を進んでいる。

火蜥蜴を力業で撃退したが、結局攻略法を見つける事は出来なかったので次遭遇しても全員で力押しするしか無い。

これまでの感じだとやはり12階層は小さな敵が中心なのかもしれない。


「ヒカリン、次にさっきみたいなのが出て来たら『ファイアボルト』で倒せそうかな?」


「やってみないと分かりませんが、動きを予測して放てば、なんとかなるかもしれないのです」


「ミクも何とかスピットファイアで倒せないか?」


「ある程度見通しの良いオープンスペースに敵がいれば連射である程度は倒せるかも」


「あいりさんは『アイアンボール』で倒せてましたもんね」


「ああ、ある程度先読みして放ったからな。狙いも段々つくようになって来たからだよ」


「本当はスナッチが一番適任な気はするんだけど、さすがにカーバンクル用のナイトスコープは売ってないよな」


一応、敵に対する全員の経験値が増えたので、次の方がより上手く戦えると思う。

それにしてもやっぱり暗いのはかなりハンデだ。ナイトスコープを使ってはいるが、普段眼鏡などもつけていない俺が急にナイトスコープを装着して探索をすると、それだけで結構疲れる。

敵がいる時は寧ろ集中するのでそれ程違和感は感じないが、探索を進めている時は足下や周囲の壁にも注意を払わなければいけないので消耗してしまう。

ナイトスコープ越しだと距離感が掴み辛く、探索のペースも今までよりも格段に落ちてしまっている。


「ご主人様、敵モンスターです。今度は4体です。」


「俺とベルリアが前だ。あいりさんが中衛、後は後衛で頼むよ」


俺とベルリアが前に立つが、4体だとこの階層では少な目な気がする。

数からして、なんとなくだが今までよりは大きい敵な気がする。


「ベルリア見えたか?」


「いえ、まだ何も見えていません」


迎撃態勢を取ってはいるが敵が来ない。

また火蜥蜴なのか?

砂の上に目を凝らしているが全く何も見えない。


「マイロード避けてください!」


ベルリアの声に反応して横に飛び退くが足下の砂の地面が陥没してしまった。

蟻地獄のようにゆっくりではなく突然足下が陥没してしまったのだ。


「ベルリア、よく分かったな」


「いえ、たまたまです。何となく足下の方に嫌な感じがしたので」


「ベルリア、敵は砂の中か」


「見えているわけではないので、断言は出来ませんが可能性は高いと思われます」


また厄介な敵だ。

砂の中の敵のようだが以前の巨大ミミズのような直接的な攻撃をかけてくるわけではないので、居場所が特定出来ない。


「シル、敵の居場所がわかるか?」


「ご主人様、申し訳ございません。敵の居場所までは、はっきりとは分かりかねます」


地中の敵。まだ厄介な敵が相手のようだが、またもこれと言った攻略法を思いつかない。

一応バルザードの斬撃を足下の砂に飛ばして見るが、当然砂が弾け飛んだだけで何の効果も無かった。

地中の敵、大きいかどうかすら分からない。


「マイロード避けてください!」


再びベルリアの声に反応して避けるが、また俺の足下だけ大きく陥没した。

おそらくこの敵はいつものように俺をターゲットにしているのかもしれない。

ベルリアが第六感で辛うじて感知できるようなので、その瞬間を狙ってシルに攻撃をさせるしか無い。


「シル、俺の近くに来てくれ。ベルリアが俺の足下の敵を感知したら神槍で足下を攻撃してくれるか?」


「かしこまりました。ただご主人様を囮にしているようで、あまり良い気はしませんが」


「問題ない。俺はこの前おみくじで末吉だったから、こんなもんだよ。シルを信用しているから大丈夫だ。思い切ってやってくれ」


「ご主人様、そこまで私の事を信頼してくださって嬉しいです。間違いなく敵を殲滅して見せます」


俺の一言でシルにやる気が漲っている。

普段から本当にシルの事は信じているのだが、言葉にするってやっぱり大事だな。



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