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第226話 2日目

今日の俺は昨日迄の俺とは違う。

新調した黒いマントを羽織っている。

マントが少しバージョンアップしただけだがテンションは高めだ。


「海斗何かいいことあった?機嫌が良さそうだけど」


「わかる?このマント見てよ」


「え?新しいの買って来たんだよね。それがどうかした?」


「いや、よく見てよ」


「?何?何のことかわからないんだけど。ヒカリンわかる?」


「いえ、昨日のマントと全く同じ黒いマントですよね」


「いやいや全く同じでは無いんだ」


「私も全く同じ物に見えるんだが何か違うのか?」


「実はこれ、今までのと違って特殊繊維で出来たマントで炎とかにも強いんです」


「ああ、そうなのか。全くわからなかった。悪かったな」


「私も全く気づかなかったわ。ごめんね」


「見た目は全く同じに見えるのです。高かったんですか?」


「これは一生物の良いマントだからな。15万円したけど安い買い物だったよ」


「15万円したのか・・・」


「一生物っていっても、人の好みって変わるのよ」


「まあ海斗さんが満足しているなら良いと思うのです」


なんだこの微妙な反応は?どうも女性陣にはこのマントの良さが伝わらないらしい。マントの良さが分かるのは男性限定なのだろうか。

とにかく万全の態勢を整えたので今日も12階層に臨む。

暫く進むとすぐに


「ご主人様敵モンスターです。5体反応があります。気をつけてくださいね」


5体か。この階層としては少ない気もするが、今までの階層よりも現れる敵の個体数が多い気がする。


「とりあえず、ネズミかネコか分からないから気を抜かずに対応しよう。俺とあいりさんとベルリアで前に立ちましょう」


小動物の可能性も高いので地面と空中をそれぞれナイトスコープ越しに凝視する。

空中には居ないが微かに砂を蹴って進む音がする。

音のする方に注意していると敵モンスターが現れた。

これは、犬か?いや、小型の犬らしきのともう一種類わかりにくいがきつねの一種のフェネックっぽいのが混じっている。よくみるとそれぞれ角や牙が生えている。ぱっと見可愛い風貌だがやはりモンスターだ。


「俺達前衛が食い止めている間に動きをよく見て残りのメンバーで攻撃を頼む」


かなりのスピードで5体が迫って来たのでバルザードの斬撃を飛ばすが散開して躱される。

見ていると犬っぽいのは直線的に迫って来てフェネックっぽいのは斜め方向に飛び跳ねながら迫ってくる。


「ベルリア、きつねはまかせた。俺は犬をやる」


今までの経験から俺は相性の良さそうな方を選んで対峙する。

流石に迫り来る犬型モンスターに短いバルザードだけでは怖いので魔氷剣を発動し迎え撃つ。

モンスターも俺達前衛3人に対して3体がついて残り2体が傍から後方に抜けた。


「シル頼んだぞ」


「おまかせください」


その瞬間俺の後方から雷撃の光と獄炎の熱量が伝わって来た。

何も知らないモンスターからすると後衛の方が倒し易いと考えるのは至って普通だろう。ただ俺たちのパーティは普通では無いので後衛の方が火力が圧倒的に強い。

飛び込んだ瞬間に即終了となるのでモンスターからすると計算出来ない相手となっているのだろう。

今度は俺の番だ。犬に向かって剣を振るうが流石12階層の犬だけあってヘルハウンドとかよりもかなり素早い。

距離をとって対峙していると突然犬が吠えながら口を開いた。

まずい。

直感的にまずいと感じて正面から外れるべく飛び退いた瞬間、犬の口から小規模なファイアブレスが放たれた。

少しブレスを浴びてしまい熱量は感じたが、マントは焼けていない。

流石は特殊繊維で出来たマントだ。値段以上の価値があると自己満足しながらカウンターで魔氷剣の斬撃を飛ばして犬もどきを撃退することに成功した。

隣を見るとベルリアの相手のフェネック型は飛び跳ねながらベルリアと交戦していたが後方からスピットファイアの小型ファイアボールをくらって動けなくなった所をベルリアにとどめを刺されて消失した。

あいりさんが相手にしていた犬型はあいりさんがなぎなたの距離感を生かして完封して終了していた。

今日の初戦は幸先良く完勝だった。新しいマントもしっかりと性能を発揮してくれたので満足だ。もし前と同じ物を買っていたらまた買い替えが必要になる所だった。

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