第191話 3偽神
俺は今11階層で古代神もどきと戦っている。
「ミク、あれって何の偽神?」
「多分 左からホルス、セト、アヌビスだと思う。」
「何となく聞いたことがある気がするな。」
「結構メジャーなんじゃないかと思うけど。だんだん有名な神になってきていると思う。」
だんだんメジャーな神もどきになってきたみたいなので能力も高くなっているかもしれない。
「あいつらがエリアボスかな。」
「いえ、多分次ぐらいじゃないかな。1番有名なのがいないから。」
「ミク、相手の能力がわかる?」
「ホルスが月と太陽の目、セトが暴風と雷だったかな。アヌビスが死者を司るんだったと思う。」
説明を聞いてもホルスの月と太陽の目はよくわからないがアヌビスが1番やばそうだ。
「偽アヌビスを優先して倒そう。ベルリア、ルシェ、シルの3人で速攻でケリをつけてくれ。俺とミクとスナッチで偽セトを仕留める。偽ホルスは能力がよくわからないから、あいりさんが牽制しながら、ヒカリンがとにかく魔法で足止めしておいて。片付き次第合流するから。」
アヌビスの死者を司る能力は何となく悪魔には効かなさそうなのでベルリアとルシェに期待だ。
俺はセトに向かって剣撃を飛ばしたが、偽セトが何やらゴニョゴニョ言うと突風が巻き起こり、剣撃が打ち消されてしまった。
「一応『幻視の舞』を仕掛けてみて。」
ミクがスキルを発動するが変化がない。やはりこのエリアの偽神には効果がないらしい。
「ミクは魔核銃で援護を頼む。スナッチにも攻撃してもらってくれ。」
話している間にも偽セトがゴニョゴニョやったら雷撃が降ってきた。第6感とでも言うべき変な感じがして避けた瞬間地面が抉れてしまった。
シルの『神の雷撃』とは比べるべくもないが俺がくらうと、どう考えても徒では済まない。
「ミクやばい、下がってくれ。」
俺は囮も兼ねてとにかく移動を続けながら、斬撃を飛ばし攻撃を繰り返してみるが、やはり風に防がれてダメージが届かない。
これやばい。攻撃の手段が無い。
他の2組に目をやるが、偽ホルスは、ミクが『アイスサークル』を連発してかろうじて留めている。
偽アヌビスはサーバント3体に攻撃を受けて、徐々に弱っているのが見て取れる。
アヌビス以外はこちらが劣勢なので、時間をかせぐしかない。
ミクに被害が及ばないように俺とスナッチで攻撃をかけながら逃げるしかない。
スナッチと連携が取れればいいのだが、残念ながら俺はカーバンクル語を話す事も理解することも出来ないし、俺のサーバントでは無いので俺の指示も聞いてくれるわけではないので今の段階ではおまけ程度に考えるしか無い。
時々『ヘッジホッグ 』を発動しているが、暴風も完全には『ヘッジホッグ』を防ぐことが出来ないようで、何本かの針は本体に届いている。
全力で逃げているが、時々今までいた所に雷が落ちてきているのでスピードを緩める事はできない。
まだか。まだなのか。
再度アヌビスの方に目をやると丁度シルが『神の雷撃』によって倒した瞬間だった。
これで助けが得られると思った瞬間、アヌビスが再度動き出してしまった。ほとんどゾンビ状態だが、これが死者を司ると言う能力なのかもしれない。
このままでは助けが来るまでにどれだけかかるかわからない。
ヒカリン達も早くしないと、いつガス欠になるかわからない。
やるしか無い。
全力で逃げながら俺の覚悟が決まった。
遠距離からの飛ぶ斬撃は無効化されてしまうのでやるなら近距離攻撃しか無い。
俺単体では正直厳しいのでミクとスナッチに助けてもらうしか無い。
「ミク、俺が仕留めるから、スナッチに『ヘッジホッグ』を連発させてくれ。ミクも同時に連射してくれ。」
そう指示を出しながらスピードを緩めずに偽セトとの距離を微妙に詰めていった。