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第190話 トラップ

俺は今11階層の隠しダンジョンで探索を続けている。

苦戦しながらもセクメト達を撃破して進んでいるが、隠しダンジョンなのでそれ程広いとは思えない。もう少しでエリアボスまで到達するのではないだろうか。


「みんな、なんとなくなんだけど、もうちょっとでボスのところまでつく気がするんだよ。気を抜かずに行こうか。多分ボスは古代エジプトの上位神もどきだと思うから十分に気をつけて行こう。」


それからしばらく進んでいくと先頭を歩いていたベルリアが剣を一閃する。

一瞬何が起こったのかわからなかったが、細い串のようなものが地面に落ちているのが見て取れた。


「罠か。ベルリア大丈夫か?」


「問題ありませんが、複数一斉に襲って来た場合は完全には対応しきれませんので皆様も注意してください。」


今まで順調に来ていたので罠の意識が薄れていたが、隠しダンジョンだけあってしっかり罠も張られているらしい。


「みんな、ベルリアからちょっと離れて歩こう。この細さの串の罠に対応できると思えないから。」


今回は運良くベルリアが防いでくれたが、他のメンバーで対応できるのはシルぐらいだろうから、念のためにベルリアから少し距離をとって歩いて行く。

また暫く歩いているとベルリアが剣を一閃した直後に俺の太腿と胸部に鋭い痛みが走った。


「うっ。」


見るまでも無く細い串状のものが足下に2本落ちており、胸部分のマントは小さな穴が空いている。

すぐさま後ろを向いて


「みんな罠だ!大丈夫か?」


確認をしてみるがどうやら命中したのは俺だけらしい。もともと2本だけだったのか、他は命中しなかったのかはわからないがとりあえず、俺以外が無傷でよかった。


「マイロード大丈夫ですか。」


「いや、大丈夫じゃない。『ダークキュア』を頼む。」


ベルリアから治療を受けて全快したので進み出すが、すぐに俺の視界が一気に下がった。

歩いていた床が突然抜けてしまったので咄嗟に残った床の縁にしがみついたが、足裏に激痛が走る。


「痛ってー!」


慌てて下を見ると剣山のようなものが足下に伸びて来ており辛うじて足裏の辺りで止まっている。


「やばい。やばい。みんな助けてくれ。引き上げて。やばい。急いで。ハリー。」


少しパニック気味になりながら騒いでいると、他のメンバーが急いで引き上げてくれたので慌てて靴裏を見ると穴が無数に空いて血が流れている。

もちろん痛いがそれよりも、もう少し下まで落ちていたと思うと血の気が引いてしまった。


「マイロード大丈夫ですか?」


「いや、全然大丈夫じゃない。『ダークキュア』を頼む。」


再度治療してもらったが、もちろん靴底の穴が塞がることはなかった。多少なりともこの靴の底が俺を守ってくれたかと思うと感謝しても、し足りないが、次までには買い換えないと砂が底から侵入してきて機能を果たしそうにない。

しかし、なぜか先に歩いていたベルリアは穴に落ちず、2番目の俺が落ちた。

なぜだ・・・

まあ女性陣が落ちる事は想像したくないので、俺が落ちて事なきを得た?と思えば納得できる気がする。

しかし、今回はルシェに巻き込まれたわけでもないのに罠にかかってしまっている。

俺って何か罠にかかりやすい体質なのか?それとも末吉ってこんなのなのか?


「ご主人様大丈夫ですか?」


「ああ、もう大丈夫だよ。」


「自分で落ちたな。」


「ああ、自分で落ちたけどそれがどうかしたか?」


「いや、別にどうもしないけど自分で落ちたな。」


「そうだな。」


ルシェがちょっと嬉しそうに言ってくる。言いたい事はわかるが、罠にハマって死にかけた俺に対しての態度としてはどうなんだと言いたい。

気を取り直して歩き出すと


「ご主人様敵モンスターです。今度も3体です。気をつけてください。ベルリア見えますか?」


「はい。人型が3体です。トリ頭、犬頭と鼻の長い変な頭の3体です。」

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― 新着の感想 ―
ここまで読んで海斗の負担が大きすぎる 危険度、指示、金銭面全てにおいて
[良い点] 主人公可哀想で草
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