表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
141/979

第141話 第4のカード

俺は今9階層で休憩している。

激闘を終え、パーティメンバーの回復を行なってからちょっと休憩中だ。

ただ、俺は低級ポーションを飲んでHPは完全に回復したが、異常に身体が重い。どうやら悪魔スキルのせいか、HPやMPとは違う疲労があるようだ。

休憩してみても回復しなさそうなので、地上に戻ろうと思うが、その前に、オルトロスと士爵級悪魔のドロップを確認しなければならない。


まずオルトロスが消失した跡を見たが魔核が残されていた。

しかしただの魔核ではない。大きさが今までで一番大きくしかも色が深緑色をしている。

こんな色は初めてなので高額買取かもしれない。おまけに大きさが俺の頭ぐらいある。色付き魔核でこの大きさ、以前700万で売れたものより高額な気がする。ちょっとやばいかも。


「何ニヤニヤしてるんだよ。気持ち悪い。」


しまった。顔に出ていたらしい。ルシェも目ざといな。

真顔に戻してから士爵級悪魔のいた所に目をやると


「おおっ。あれってあれだよな。」


「それ以外ないだろ。」


そこには、シルとルシェを顕現させたのと同じサーバントカードが落ちていた。

普通に考えたら、あの士爵級悪魔がカード化されたのかなとは思うが、スライムからシルとルシェがドロップされた事を考えると、そこに因果関係はないのかもしれない。

できる事なら次は天使とかがいい。ドラゴンでもいいけど。

俺は他のメンバーも集めてから、カードを手にとって見る事にした。


頼む。


出てくれ。


うう〜。


このやり取りも3回目となるが俺は思い切って手にとったカードを見た。今まで2回は大当たりだった。


「ああ・・・」


周りのメンバーからもため息が漏れた。

そこに映っていたのは、先程まで戦っていた士爵級悪魔だった。


種別 士爵級悪魔

NAME ベルリア

Lv1

HP 70

MP 85

BP 90

スキル ダークキュア

装備 魔鎧 シャウド


「あれっ?」


ステータスは、シルやルシェには劣っているがそれでもLV1でこの数値はかなりのものだろう。

問題はそこではない。明らかにおかしい。

なぜかスキルがダークキュア1つしかない。俺達との戦闘では他のスキルも使っていたはずだ。

おまけに武器を装備していない。騎士なのに剣を持っていない。これは俺が武器を破壊したからか?

武器を持たず、回復系スキルしか持たない。おっさんのくせに完全に支援系じゃないか。

そもそもこのダークキュアって人間に使っても大丈夫なスキルなんだろうか?

なんか名前だけ見ると、悪魔以外に使うと毒にでも侵されそうだけど。

周りを見ると、みんな考えている事は同じのようで、一様に微妙な表情を浮かべている。


「みんな、このカードどうする?売った方がいいかな。」


「私は海斗が決めるのがいいと思う。この悪魔を倒したのも実質ルシェ様と海斗だからな。」


「私もサーバントはスナッチがいるから必要ないし、海斗に任せる。」


「わたしはちょっと自分では使えないのです。生理的に厳しいです。海斗さんが使ってみればいいのでは。」


どうやら、みんなは積極的に使いたい訳ではないらしい。

おそらく、このおっさんの風貌と、やられかけたトラウマにも似たものが忌避感を生んでいるのかもしれない。

俺としても悩みどころだ。サーバントカードはそもそも希少だ。ルシェには劣るとはいえ士爵級悪魔、戦力的には申し分ない。


「う〜ん」


支援職と化した士爵級悪魔のおっさん。悩んでしまう。

シルとルシェの時は金額がどんなに高額であってもそれ以上にビジュアルに魅力を感じてしまい、顕現させて今に至っている。

しかし、数千万円とこのおっさん悪魔を比較した時にシル達の時のようなトキメキと期待感が薄い。

スキルを使用したルシェ以外は歯が立たなかったので、レベルアップすれば超強力なのは間違いないが。


「う〜ん」


どうしたものだろうか。やっぱり売るか。売るしかないか。売ってしまっちゃうか。売ろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  ▼▼▼ 文庫版 画像をクリックすると紹介ページにアクセスできます ▼▼▼  
表紙絵
     ▼▼▼クリックするとアニメ公式ページにアクセスできます ▼▼▼  
表紙絵
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ