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第132話 オルトロス

俺は今オルトロスと戦おうとしている。


「シル、『鉄壁の乙女』を頼む。みんな光のサークル内に入ってくれ。この中なら大丈夫だから。」


「ルシェ、とにかく『破滅の獄炎』で焼き払うぞ。」


そう指示を出してから、俺自身も臨戦態勢に入った。

オルトロスの大きさ自体は恐竜よりは大分小さいが、恐らく攻撃力は上なのだろう。あとは防御力の問題だがやってみないとわからない。

まずは魔核銃を放ってみる。

ミクとあいりさんもほぼ同時にバレットを放つ。


「「「プシュ」」」


オルトロスの反応を見ると、なんらかの影響はあるようだが、ダメージと呼べるものを与えられたのかは分からない。


『グヴオージュオー』


ルシェの『破滅の獄炎』が炸裂したが、オルトロスは健在だ。体毛が焦げてはいるが、炎への耐性が高いのか、致命傷には程遠い。


「ルシェ、『侵食の息吹』を使ってくれ」


指示と同時にオルトロスが吠えたと同時に双頭からファイアブレスを仕掛けてきた。


「ううっ。」


『鉄壁の乙女』に遮られて直接的なダメージはないが、猛烈に熱い。

どうやら温度変化までは完全には防げないようだ。


「さっさとくたばれ。『侵食の息吹』」


「グウゥー」 「グゥルゥ」


何かしらの影響を与えてはいるものの、効果がはっきりしない。

この間もスナッチは間髪入れずに『かまいたち』を連発している。

俺もバルザードから斬撃を飛ばして命中させるが、爆散しない。表面で爆発してはいるようだが、本体への影響が極めて少ない。


「アースウェイブ」


ヒカリンが継続的に『アースウェイブ』を発動しているお陰で、オルトロス自体の動きは鈍いのだが、今までで一番防御が堅い。


「ウヮォオオオーン!」 「グゥオオオオオオー」


オルトロスの咆哮が響き、強烈なプレッシャーが襲ってくる。

おそらくこの感じ、威圧系のスキルではないだろうか。慌ててメンバーの方を向くが、『鉄壁の乙女』の効果もあり全員が正気を保って、攻撃を続けている。


「ウォーターボール」


魔氷剣を発動してから斬撃を飛ばす。

着弾と同時に少し裂傷を負っているようだが、まだまだ致命傷には程遠い。

オルトロスが再び口を開き攻撃をしてきた。片方の口からは何やら液体を飛ばしてきたので多分毒だと思う。

『鉄壁の乙女』に防がれて俺たちに影響はないが、今のままではこちらも決め手を欠いており、ジリ貧状態だ。


『グヴオージュオー』


「ウウゥウー」


オルトロスの唸り声に苦痛の色が含まれているので、ルシェの攻撃は確実に効いてきてはいるが、このままだと千日手の様相を呈し、先にガス欠を起こすのはこちらだと思える。

意を決して、俺はルシェをお姫様抱っこして飛び出した。


「お、おぃ。急に何するんだよ。」


「このままだと埒があかない。オルトロスの足元まで俺が運ぶから、下から腹に向かって『破滅の獄炎』を放ってくれ。犬だったら腹の部分の方が弱いはずだ。」


「わかった。また死ぬなよ。」


「だから俺は死んだことないんだって。」


そのままルシェを抱えてオルトロスの元へ走るが、当然オルトロスもこちらをロックオンしてくる。


「「プシュ」」 「ファイアボルト」 「ブゥウン」


パーティメンバー全員が注意を逸らす為、援護してくれる。


「グォオーオ」 「ギャーウゥー」


確実に嫌がってはいる。


「破滅の獄炎」


ようやくオルトロスの足元付近まで近づいて、間髪入れずに攻撃をする。


『グヴオージュオー』


「ガァアアア、ギュアーアアー」


効いている。


「ルシェ効いてるぞ。連発してくれ。」


『グヴオージュオー』 『グヴオージュオー』


「グウウウガァアア」 「グルウウゥアー」


やっぱり効いているが致命傷まではいかない。


「みんな、シルを一度送還するから、攻撃しながらもっと距離をとってくれ。」


少しだけ間をおいて、シルを送還してすぐに再召喚した。


「シル、ルシェと一緒に腹に攻撃してくれ。『神の雷撃』を頼む」


「ズガガガガーン」


なぜかシルの攻撃はオルトロスの背中に着弾した。

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