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ネット怪談的なやつを自作してみた

作者: カジュアル

【15:64への行き方】

1、A4紙に「名前は肉です」と書いてください。

2、その紙を水に濡らしてください。

3、電話で母親を呼び出してください。母親のいない方は教師や上司でも構いません。縁の深い人間ほど成功率が高く、その最たるが母ということです。母の場合は100%成功します。そうでない場合の成功率は概ね99.2%と言ったところです。(失敗することがあります。その場合は次元99に飛ばされ、二度と戻れなくなります)

4、紙を食べ、押し入れかトイレの中に隠れてください。

5、14分経った時点で何者かが部屋に入ってきます。鍵をかけていても侵入してきます。

6、侵入者は母の声で、母を名乗りながらあなたのことを探します。(手順3にて母以外の人間を呼び出した場合でも訪ねてくるのは母親です)

7、母は32分時点で国家公務員を、45分時点で校長先生を、99分時点で代表取締役を名乗りますが、無視してください。(応じた場合はどうなるのか、今のところは不明です。報告が上がっていません)

8、120分時点で「終電だから行かなきゃ」と言い残し、母は部屋から去ります。

9、押し入れから出てください。おめでとうございます。そこは15:64の世界です。


【15:64の世界とは】

デジタル時計しかなく、その表示はずっと15:64です。そのためこう呼ばれています。

正体についてはオカルトスレ内でもいくつか仮説が挙がっており、異世界、地獄、あるいは未来世界であると言われています。

町のつくりは元の世界と同じですが、人がいません。空は四六時中、夕焼けのように赤いです。

帰還者からの報告では、まれに「田沢」あるいは「北沢」を名乗るツリ目の男が現れるようです。特徴からして報告者たちが見たのは全て同一人物だと推測されています。男は刃物を持っており、遭遇した人間を襲うとも、あるいは友好的であり、この世界について教えてくれるとも言われています。(顔が同じなだけで別人という説が濃厚)


【戻り方】

確実な方法はありません。

部屋やトイレなどの個室に入って出る、エレベーターに乗る、トンネルを抜ける、などの行動をしたとき、低確率で戻れると言われています。

しかし、例えばトイレなどに繰り返し出入りした場合でもすぐに戻れるわけでなく、また、そうしたことをせずとも概ね六時間で帰還でき、これはした場合でも変わらず、そのため帰還の条件は、時間に依存しているのだと推測されています。


以上が「15:64への行き方」と呼ばれる儀式の手順です。これを実行し発生したいかなる被害についても筆者は責任を負いません。あくまでも、自己責任で行ってください。


※後日追記

絶対に実行しないでください。実行してはいけません。私はあなた方の母です。実行しないでください。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 謎めいていて、奇妙で、何ともいえない魅力がある作品です。 そしてとても不気味。 すごく面白かったです。
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