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日常

「おーす、マメゾー」

「マメゾー、おはよー」

「マメゾー先輩!!おはようございます!!」

「おう、マメゾーおはよう」

「...おはよう」


タケのせいで、マメゾー呼びが止まらねぇ。

なんだよ、学校中でその呼び方って。

先生までって意味解んねぇよ。


挨拶されたら挨拶は返さにゃいかん。

だが、このメンタルを削るのはどうなんだろうか。


「マメゾー呼びほんま人気やな」

「てめぇのせいだろうが!?」

「あいたっ!?」


持ってたバックで思いっきり叩いてやったわ。

まじでこのアホなんとかしてくれよ。


「まぁまぁ、ビビられるんよりはええやろ?」

「うっせ」

「素直やないなぁ」


タケにため息を吐きながら、教室へと入る。

すると、先程と変わらない感じでクラスメイト達も挨拶してくる。

マジで勘弁してくれよ。


諦めて挨拶を交わし、ドカっと自分の席に着く。

俺の席は常に最前列の中央。

背が低いから仕方ないとはいえ、何の嫌がらせだよ。


「あらら、マメゾーさん。ご機嫌ナナメ?」

「うっせぇ、ダテ眼鏡。ホッとけよ」

「怖い怖い」


声をかけてきたのは、クラスの委員長である渡瀬光わたらせひかり

黒髪ロングのサラサラヘアーに長身。

顔も美人で人当たりも良い。

しかも、モデル並みにスタイルが良いくせに運動も出来て頭も良い。

『天はダブルのトリプル、私の気持ちの大盤振る舞い』なんて事を誰かが言ってたな。

マジであり得ねぇ位の人間だ。


しかし、こんな奴にも難点がある。

とりあえず、笑わねぇ。

というか、表情が無いと言った方が良いか。

笑う時とか、声は笑ってっけど無表情だぞ?

怒りながら笑う人みてぇなノリだぜ、コイツ。

そのせいなのか、何故かだて眼鏡している。

眼鏡が似合うから府に落ちねぇ。

まぁ、それでも性格も良いからダチは多いがな。


しっかし、何を食えばそんなに何処もかしこもデカくなんだよ。

そんな奴の顔を凝視してると、わざとらしく胸を強調するように腕を前に組んで一言。


「どこ見てんのよ」

「てめぇのデカメロン」

「...清々しい位のエロっぷりね」

「いや、お前が言わせたんだろ?」

「まぁ、見せてんのよ」

「変態かよ!?」

「何でよ。役得でしょ」

「勘弁してくれ」

「そんな、私とは遊びだったの!?あの女ね!?」

「何でいきなり昼ドラ展開なんだよ!!てめぇの頭は温けぇのか!?」

「冗談よ」


俺は思わず机に突っ伏した。

途端にクスクスと笑いが起きる。

それを見計らって、後ろの席に居たタケが此方に来た。


「いいんちょ、おはようさん。相変わらずラブラブやね」

「おい、タケ。何回言わせんだ。俺とコイツは...」

「イチャリングMAXの相性100%」

「てめぇ、でっち上げんのもいい加減にしろ」

「何でよ。私、貴方の事好きだって言ってるじゃない」

「いやいや、そんな真顔で言われてもな」


訳が解らんが、光は二年の時に同じクラスになった当初からこんなことばかり言っていた。

俺に惚れる要素皆無だろ、時間的にも。

すると、光は何を思ったのか核兵器並みの爆弾ブッ混みやがった。


「だって、私の抱き心地良かったでしょ?」


ざわっー


クラスがざわついたぞ、おい。


「お前、何を言ってんだ?」

「嫌がる私を抑え付けて、あんな...」

「わお、マメゾー無理矢理!?鬼やな~」

「そうよ、初めてだったのに」


シクシクと言った感じで泣き真似を始めた光に対し、俺は冷めた視線をプレゼント。

すると、俺の視線に気づいたらしく、口を開いた。


「皆いるし。ここでは、ちょっと」

「とりあえず黙ってろ、クソビッチ」

「失礼ね、まだ未使用よ」

「聞いてねぇ...」


俺は更に酷くなった頭痛と、周りでざわざわしてるクラスメイトに辟易しながら、こめかみに手をやる。


「マジで勘弁してくれ...」

「嬉しいでしょ?貴方の未来の...」

「おら~、ガキども。席に付け~」


光の台詞を遮る様に、チャイムと同時に担任がクラスに入ってきた。

俺が疲れた表情で視線を送ると、何かを察したらしい。

此方にニヤリと笑みを浮かべてきた。


「おう、朝から盛ってんなぁ、」

「うるせぇ、ハゲ。冗談は頭だけにしろよ」

「だぁれがハゲだこらぁ!?」

「起立」

「おい、渡瀬!?」

「礼。着席」


何時ものやり取りと言った感じでハゲの事を無視すると、光は無表情に担任に告げた。


「さっさとホームルームを始めて下さい」

「いやいや、ちょっと待て渡瀬」

「待ちませんよ。冗談は頭だけにしてして頂けます?」

「まじ、女生徒にまでディスられるってなんだよ...」


ブツブツ言いながら、点呼を取り始めた担任。

落胆する姿を見てから、後ろの方にいる光を見る。

すると視線に気が付いたのか、俺に向かってウィンクしてきた。


マジでコイツ、何をしたいんだろうか。

そう改めて思った俺だった。

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