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タケと日常

マメゾーってのが、俺のあだ名。

理由は簡単。

兄貴たちと違って俺は身長が160位で低い。

天女の「まめ」と蔵人の蔵を「ぞう」でマメゾーだ。

付けた本人は別に悪気があって付けたんじゃねぇからタチ悪い。


「今日はちゃんと飯食うたんか?」

「...ああ」

「ほーか、ならええわ。ちゃーんと食わんと身長伸びんで?」

「うっせぇよ」

「ほんなら行こか」


人懐っこい笑みを浮かべ、歩き出した。

それに倣って、俺もタケの隣を歩き始めた。

お前は俺の母ちゃんか。 


身長180位で、茶髪。

少し長い髪を後ろで結んだ優男。

そんな感じのタケは、かなり女にモテる。


そんなコイツは小さい頃からずっと俺とツルんでる。

中学の頃、一時期女子どもが腐った方向に走りやがった。

発信元は俺がぶっ飛ばした先輩の女ども。

そんな噂を広めたクソビッチどもは全員お仕置きされたが。


あん?ぶっ飛ばしたのかって?

んな事するかよ。

クソビッチって言ったろ?

おっさん相手に色々やってたんだよ。

しかも、最後は男が出てきて美人局って。

そんな奴らが、男がヤられた腹いせにクソッタレな噂を流しやがった。

要は、やり過ぎたんだ。

そしたらタケがキレた。

次の日には色々激写したやつを学校でバラまいてたなぁ。

半日であの量はあり得ねぇ。

当時の俺もビビったわ(笑)

そんな事になりゃあ女どもは仲良く別荘にお見送り。

先輩らは追加のお仕置きだったが。


しかし、後日談があってよ。

噂を鵜呑みにした普通の女子どもが喰い気味にタケに言い寄った。

俺達の関係は本当かってな。

そしたら、あの野郎俺をチラ見して微笑みやがった。

場は女子の黄色い悲鳴の阿鼻叫喚だぜ。

そん時マジで俺は自分のケツを守るかアイツのへし折るか考えたね。

まぁ、その直後俺の顔見て全否定してたが。

俺はそんなにやべぇ顔してたかね。


そんな奴と下らねぇ馬鹿話をしながら学校へ向かう。

昨日、テレビで何が面白かったとか、あの芸能人がどうなど。

アホな会話ばかり。

そんなアホな友人がため息を吐いた。


「今朝な、ちょお夢見がなぁ」

「何かあったのか?」

「いやな」


常に明るく元気なアホを、地で行く。

そんなコイツがため息を吐くような事がないので少し気になる。

元気を取ったら何も残らんからな。


「マメゾーが、なんやどっかの国に行ってな」

「...おう」

「そしたら、めっちゃ良い女どもに迫られてんのや」

「...あぁ??」

「それ、見てぇな。わいが滅茶苦茶笑ってた」

「...」

「おぶっ」


ドスッと思いっきり溝に腹パン決めてやったわ。

何を言い出すのかと思ったら、下らねぇ。

勢い良く入って悶絶してるタケを見下ろしながら、ため息。

そんな俺を見上げて一言。


「わいの夢はよう当たるん知っとるやん!何かある!」

「...そうならねぇ事を祈るわ」


確かにタケの夢は良く当たる。

予知夢とかいったか。

俺はあんまり迷信やオカルト、宗教なんかは信じてない。

だけど、タケの夢はそうじゃねぇから、面倒だ。

そんな事を思いながら、座り込んでいじけるタケを放って歩き出した。


「マメゾー待ってぇな!」

「早くしねぇと、遅刻すんだろ」

「そんな真面目か!?」

「当たり前だ、学校はきちんと行くもんだろ」

「ほんま真面目!?」


そんな感じで俺達は日常を過ごしていたんだ。







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