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呪いの蟲毒の壺  作者: 山目 広介
2/2

バッドエンド

「早く、時間来ちゃうよー」


 雅美は愛美に準備を急かす。


「大丈夫よ。何度この準備をしてきたのよっ」


 愛美は手早く準備を整える。


「だって、やっと最後の仕上げなんだよー」


 雅美はそう言ってはいても、自分は手を動かさない。

 不器用で何度か失敗して怒られているため、時間のないときほど手を貸せないのだ。


「準備完了。ほら、間に合ったでしょっ」


 確かにまだ時間がある。雅美が思っていたよりも時間は余っていた。


「結局マサルの懸念ってなんだったと思うー」


 話題を換える。


「そんなの解呪不能な呪いって書いてあるのに解呪できる呪いを組み込もうとした部分でしょっ」


「ホントにそうなのかなー」


 雅美はもしそうならば、最初に組み込んだ段階でマコトに伝えても良かったように思う。


「私は別なことじゃないかと思うんだよねー」


「じゃあ、何だっていうのよっ」


 雅美は首を傾げ、考えながら口にする。


「私が思うに最後の呪文が気になったのじゃないかなー」


「別に変なことはないでしょっ」


 愛美は呪文を思い出しながら、答える。


「だってさー、リストの名前、憶えてるー?」


 愛美は言われて思い出そうとするが、すぐには出てこない。


「ちょっと待っててねー」


 雅美がリストを呼び出す。


List

・鹿島 学

・坂巻 聖史

・佐久間 亮

・相馬 真純

・島村 正巳

・多丸 雅臣

・津山 仁

・沼川 理

・浜口 勇

・馬渕 和馬

・山田 賢一


「これがどうしたってのよっ」


「このメンバーの名前、全員読めるー?」


「えっと、かしま まなぶ。さかまき さとし。さくま りょう。そうま ますみ。……」


 愛美はリストの名前に指を置いてずらしながら、それを読んでいく。


「名前にまがつく人が多いなーって思わないー?」


「だから何なのよっ」


 愛美は雅美に焦らされて苛立ってくる。


「それでねー。名前を検索して読み方を調べてみたの。それがこれなのー」


List

・鹿島 学 かしま まなぶ

・坂巻 聖史 さかまき まさし

・佐久間 亮 さくま まこと

・相馬 真純 そうま ますみ

・島村 正巳 しまむら まさみ

・多丸 雅臣 たまる まさおみ

・津山 仁 つやま まさし

・沼川 理 ぬまかわ まさし

・浜口 勇 はまぐち まさる

・馬渕 和馬 まぶち かずま

・山田 賢一 やまだ まさかず


「馬渕くん以外はまから始まる名前の読みが存在するんだよー」


「まぶちは苗字がまからだってわけっ?」


「ねー。ちょっと気にならない?」


 雅美の言いたいことに愛美は考える。


「でも実際にそう読むとは限らないんじゃないっ」


「確かにそうなんだけどねー」


 そうこうしてる間にそろそろ時間だ。


「あと10秒」


 二人は目を瞑り、呼吸を整える。



「だからねー、呪文が不吉かなーって」


「もう遅いっ」


「こんな時に言うなっ」


「だってー、気が付いて調べてたら今日になってー」


「3秒前だよっ」





「「まがつくものよ、滅びよ」」






マサルの懸念はこれとは違うよ。

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