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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

転生チート!と希望した俺氏

作者: まいこ

描写関係は保険。

テンプレに真っ向から喧嘩を売る内容ゆえ、苦手な方は回避して下さい。

 毎日が地獄だった。

 隣家の優秀な幼なじみと比較され続けて19年。

 隣家の幼なじみの野郎は超の付くイケメンでモテまくる。

 成績優秀、運動得意で武道も嗜み、楽器演奏なんかもできる。

 こいつと付き合っているのが小沢くるみ。

 身長150cmくらいの、スタイルのいい美少女。

 惚れたのは俺が先。

 でも俺は見向きもされなかった。


 隣家だからこいつらのやってることはよく分かる。

 つかデケえ声で盛ってんじゃねえ!


 小中高とぼっちを貫いた俺。

 大学受験に失敗し、悶々とする日々。


 目の前を、くるみが歩いている。

 今なら犯れる。

 隣家の野郎は都内の大学の医学部に進んだ。

 くるみはこちらの短大で花嫁修業って奴らしい。

 千載一遇のチャンスを生かして…トラックが突っ込んできた!

 このタイミングかよ!


 気が付くと真っ白な空間にいた。


「俺は、死んだのか」

『ええ、その通り』


 目の前に絶世の美女がいた。


「おお、神様って奴か?」


 よしきた!

 転生して今度はハーレム作ったる!


『いいえ、単なる伝言役よ』

「は?転生させてもらえるとかあるんじゃねえのか?」

『何を馬鹿なことを。伝言を伝える。汝その罪余りに深く、反省も改悛もせず、ただひたすら奪い、犯し、殺すだけであった。これ以上の改善は見込めぬ故消滅の処置とする』

「…あ?」

『思い出せ、汝の罪を』


 怒濤のごとき記憶の奔流。

 かつて、気に入らないというだけで村民を殺していた。

 かつて、敗戦国の民を難癖を付けて処刑していた。

 かつて、自分の行いに諌言した忠臣を処刑し、その妻を散々陵辱して飽きたら殺した。

 かつて、それまでの行いが祟り、体が不自由に生まれ付き、いろいろ助けてくれていた司祭を、小銭欲しさに殺した。

 かつて、全てをやり直し償うために生まれたはずなのに、暗殺者になって、助けるべき相手を暗殺した。

 そして今生。

 かつて忠臣だった、司祭だった隣家の幼なじみと、その妻だった、暗殺した相手をだった小沢くるみを祝福し、やり直す最後の機会だったのに、自分で台無しにした。

 あのトラックは安全装置。

 俺は、ここで終わりなのだ。


『これまで殺してきた者達の無念、魂に刻んで消えるがいい』


 最期の光景ー

 自分が千々に引き裂かれ、塵になっていく。



『どうしてああいう輩が多いのか。自分の境遇に理由がないとでも思っているのだろうか。』


 咎人が塵に還ったのを見届けて、伝言役の女性はため息をついた。

 そろそろ配置転換を願い出よう。

 『ゴミ掃除』など長くやるものじゃない。


 ほら、また勘違いした魂が上がってきたー




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