<院長ユリウス>
~院~
「久しいな」
恐ろしく冷たい声で喋りかけてきたのは、
院長補佐官であるサーバであった。
シルク「ああ、3年ぶりだな」
シルクは威嚇するように返事をした。
ロイセ「悪いなサーバ。もうお前は仲間とは言えん。俺たちにとっちゃお前は上世の次に厄介なやつだ」
サーバ「そうだろうな。まあ、健闘を祈るよ」
サーバは気味悪く笑いながらそう言うと去っていた。
コーク「誰だ?」
ゼブラ「お前は部署が違ったから知らなくて当然だな。あいつは院長補佐官のサーバだ。3年前に軍を抜け、院にはいった。俺たちの元同僚だ。」
コーク「別にいいではないか。院に元軍人がいたほうがこちらの意見が通りやすい。」
ゼブラ「そうだったら良かったのだが・・・」
ゼブラはそこで話をやめた。というよりも話をやめなければならなかった。
シルク「着いたぞ。院政殿だ。」
院政殿とは院の中枢にあたる機関で政治の中心の場であった。
ロイセ「相変わらず無駄にでかいな・・・」
サデス「ああ、世界で一番の規模を持つ機関だ。ちっぽけなはずがない。」
シルク「もう喋るな。行くぞ」
重い扉が開くとそこには10人の議員がいた。
「来たか・・・」
貫禄のある男が言った。院長ユリウスである。
シルク「ユリウス様、お待たせしてすみません。」
そう言ってシルクが頭を下げると、
ユリウス「構わん。それより今回の出兵の件だが・・・」
シルク「ええ。向こうの動きがまた活発になってきています。今すぐに出兵すべきです。」
ユリウス「そうか・・・だが行くのは少し待ってくれないか」
シルク「・・・と申しますと」
シルク達はすぐに今回の出兵はすぐ却下されると思っていたので少しばかり動揺した。
ユリウス「南西で大規模な反乱が起こった。今はそちらに兵力を集中させたい。」
シルク「それは中央の兵もそちらに向かわなければならないものですか?」
ユリウス「ああ・・・今回の反乱はどうもおかしい。国民だけでここまで兵力が必要なのは初めてだ。」
シルク「・・・そこまでですか・・・」
ユリウス「ああ・・・そこでだ、お前達も南西に向かってくれないか?この反乱が終わらない限りこちらからの上世への出兵は難しい。頼んだぞ。」
シルク「・・・・・・分かりました」
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コーク「まいったな・・・反乱か・・・そこまでひどいものなのか?」
シルク「さあな、とにかく早く反乱を沈めてしまおう。」
ゼブラ「そうだな。」
それから2日後彼らは南西にあるビストル市へ向かった。
この反乱が悪夢への入口だということも知らずに・・・