③認識のズレ
筆者:
では中盤戦も行ってみましょう!
9 参政党神谷宗幣代表「みとられる時に蓄えもしないと大変だ」
参政党の神谷宗幣代表は7月8日、参院選の公約に終末期の延命措置医療費の全額自己負担化を掲げたことの真意を問われ、
「みとられる時に蓄えもしないと大変だと啓発する思いで入れた」
と語った。遊説先の盛岡市で記者団に答えた。
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生死に関しては非常にデリケートな問題ではあるのですが、
ちょっとこの受け答えだけを見ると終末期の延命措置医療費の全額自己負担化の問いに対して「論点ずらし」なのかなと思います。
お金が無い人でも終末医療を受けられるのが医療費の保険適用であり、
それを無くしてしまえば、よりお金のない人の選択肢が狭まってしまうことでしょう。
質問者:
確かに、「選択肢の多さが人生の豊かさにつながる」という言葉もあるぐらいですからね……。
筆者:
今の世の中選択肢が多すぎて大変という見方もありますけど、生きるか死ぬかの状態では選択肢が多い方が良いと思います。
どちらかというと無理やり胃瘻などの終末医療を受けることで「人間性が失われる可能性が高い」と言う事や終末医療の実態でどのような生活をしているのか? を医療行為を行う前に患者に対して周知させることの方が大事なのではないか? と思いますね。
それを知ってでも生きていたいと思う方はいるでしょうし、それを最初から保険適用から外すことで選択肢から無くしてしまうことは反対ですね。
質問者:
死ぬときどのような姿でいるのか? なるべく自分で決めたいですし、決められるような存在になりたいですね……。
筆者:
出来れば健康な状態であるとき突然痛み無くあの世に行く“ピンピンコロリ“みたいな感じが良いですね。
10 石破茂首相「北方領土を除いて考えれば、日本で一番海岸線が長いのは長崎県だ」
石破茂首相は7月9日、長崎県諫早市で開いた参院選候補の応援演説で、長崎県の海岸線の長さについて
「北海道に次いで2番目と言われている。北方領土を除いて考えれば、日本で一番海岸線が長いのは長崎県だ」
と発言して大炎上しました。
まるで北海道が日本の領土ではない印象を受けるために自民党岩盤保守層が更に投票したくなくなる発言と言えます。
海岸線ぐらい2番で何ら問題ないことがまず1点。
そして保守層にプラスの訴えをするのなら「島が非常に多く他国と係争地帯になりそうになるので守っていく」ぐらいのことを言って欲しかったですね。
質問者:
ホント、どうして除いてしまうのか……それぐらいしか長崎県で良いところが思い浮かばなかったんですかね?
筆者:
それは密かにあると思います(笑)。
11 石破茂首相「ルビオ氏は今来日中だ。岩谷外相と会談する」
石破茂首相は7月12日、高知県南国市で行った自民党の参院選候補の演説会で、日米関税交渉に言及した際、ルビオ米国務長官について
「いま来日中だ。岩屋毅外相とおそらく会談する」
と発言したのですが、その後の官邸側は記者団の問い合わせに対し、ルビオ氏が来日した事実はないと否定したことが問題になりました。
質問者:
え……脳内で勝手に会談をセッティングしたんですか!?
筆者:
これは、ルビオ氏が8日から12日にかけて東南アジア諸国連合(ASEAN)の関連外相会議出席のためにマレーシアを訪問しており、米国へ帰国の際に給油のために在日米軍基地に立ち寄ったものの日本には上陸しなかったために誤解が生じたものだと思われます。
しかし、会談するかどうかすら把握していないというのは一体どうなっているのかな? と思いますね。
質問者:
でも、折角立ち寄ってくれたのに会談が無いというのは石破政権はアメリカから見放されているんでしょうか?
筆者:
少なくとも現状提示した案からはアメリカは譲歩しないぞというある種のメッセージなのかもしれませんね。
12 百田尚樹日本保守党代表 「大阪の女性は10人中9人ブス」
12日の北海道・北広島駅前日本保守党の百田尚樹代表が通行人の声掛けに気さくに応じていた百田氏は、「綺麗なお姉さん。ありがとう」と礼を述べると、こんな持論を述べ始めました。
「こっから見ててもね、札幌はね、美人率が高い!これ、ほんま!大阪なんか歩いとったらね、10人中9人ブスですよ!もうね、街宣してても、だんだん嫌になってくるねん。
でも今日はね、みんな綺麗な子が手振ってくれる。不思議なことにね、手振ってくれる子はたいがい美人なんですよ。ま、札幌にも“これ気の毒やな”っちゅう人はいますよ?そういう人はあんまり手振ってくれませんよ。よくできてますわ」
この発言はルッキズムだけでなく後半を読むと「見た目で中身まで判断」しているという事が分かります。
北海道で北海道の方を持ち上げることで評価を上げようとしていると思いますが、今はSNSで一瞬で大阪に住んでいる方にも伝わります。
そう言ったことを考慮できないのはどうなのかなと思います。
質問者:
以前、百田さんは「30過ぎたら子宮摘出」という衝撃発言がありましたが、
どっちかって言うとそういう発想なんですね……。
筆者:
それを言うなら百田さんあなたも――おっと! これ以上言うと危険なレベルの発言になるのでやめときます(笑)。
13 神谷宗幣参政党代表「政権与党入りを目指す」
政党の神谷代表は14日、高松市で街頭演説した際に、
「参院選は通過点。その後の衆院選で政権の一部を担う50~60人ぐらいの規模になって、他の党と連立を組みながら新しい国の政治を作っていきたい」
自民、公明両党の連立政権については、
「引きずりおろそうと言っている。なぜ組まないといけないのか。延命するようなことを我々はするはずもない。柔軟にどこの党でも交渉する」
とも述べました。
質問者:
でも、政権与党入りしなくては政策って実現しなくないですか?
筆者:
連立したミニ政党というのは“気が付けば消滅していた“という歴史があります。
その昔、自民党と連立していた「保守新党」や民主党と連立していた「国民新党」と言ったミニ政党がありましたが、すぐさま大政党に吸収されて無くなりました。
公明党のような巨大組織がバックについているならともかく、自民党や民主党といった巨大政党に首を縦に振っているだけでは「同一視」され近い将来に消滅する未来しかないのです。
また中規模の全く違う考えの集まりだと「自社さきがけ」政権のように一瞬で瓦解するでしょう。
質問者:
最低でもそれを語るのは野党第一党や議席を安定して取れるようになってからというところですか……。
筆者:
しかも今は衆議院で自公過半数割れ、参議院も自公過半数割れが濃厚で法案ごとに野党の意見を聞く必要があります。
ですから「政党としての存在感を野党でも示せる(もちろん悪い意味でも)」のです。
「公約に掲げている政策を実現するために部分連合する」というのなら分かるのです
が「政権与党入り」をするという事は大臣ポストと引き換えに自分より大政党(自民党や立憲民主党)の言いなりになることを意味します。
これは非常に危うさしか無く、閣議決定の際に自らの政策に反することを否決できるのなら話は別ですけど、基本的には取り込まれてしまうリスクの方が高いです。
そのことを理解しての発言なのか? 有権者を愚弄していないか? と言いたくなってしまう内容です。
質問者:
歴史を振り返ると今の国民民主党のような立場が一番「美味しい」ということですか……。
筆者:
現状はそんなところですね。キャスティングボートを握り、与党には法案提出を、野党には不信任を巡るところで影響力を発揮するのが合理的かなと思います。
全体的に今回紹介したものは「認識のズレ」が根本的にあるように思いましたね。
では最後に終盤と「失言総括」をして今回の選挙特集の締めとしたいと思います。




