危険クエスト5
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「うひょぁぁぁぁー!!たーのすぃ!!」
下に続いていた穴は、滑り台の様になっていた。
ライルは、すーーーっと下に滑っていく。
「おっ!出口だ!もう終わりか〜。」
呑気なことを言いながら出口に着く。
「ふぅ〜!楽しかった〜!!
さて、みんなどこ行ったんだ??」と
言った瞬間。
「もうみんなには会えないと思うがな。」
赤いラインが入った黒いフードのマントに
赤い革靴、フードを深く被っていて
顔はよくわからない。
そんな不気味な男がライルに話しかける。
「お前、誰だよ。」
ライルの質問の返事の代わりに
不気味な男がフードを外す。
白髪混じりの短髪に、無精髭
顎の右側に大きな傷跡がついた
その顔は、歴戦の戦士を感じると同時に
虚ろでどこを見ているかわからない眼に
異様な不気味さを感じる。
腰には、細い剣を携えている。
「お前・・・知ってるぜ。〈極血〉の一人、死血のドーマだろ。」
死血のドーマ
フルネームは、
ドーマ=マダラキー
殺人を主として犯罪を犯し、
あらゆる人間を殺しまわった大量殺人犯
普段から道を歩くように
人を殺し、殺害した人数は
万を超えるという。
「その名前で合っている。
お前が〈白の英傑〉のライルか。」
「だったら、なんだ?」
「いや、久々に嬉しくてな。・・・ふっ」
ドーマは、ライルとわかった瞬間、笑う。
「何がおかしい?」
「いや・・・すまない。最近は
弱い人間を殺すのは飽きていたのでな。
どうせなら強者の死に顔が見たい。」
ドーマの顔が笑顔から、狂気が溢れた顔になる。
「っ!・・・・こいつ、やべぇな。」
体中に緊張が走り、
ライルは、大剣の柄を思わず掴む。
―――――――――――――――――――――――――
「きゃぁぁ!!痛っ〜〜!」
尻を強く打ち、痛がるナティカ。
「ようこそ♡あなたが来たのね♡」
赤いラインの入った黒いマントを羽織る
大柄な人間が、オカマ口調で
ナティカに話しかける。
「・・・・あなたは?」
「私?私は、ズナレロって言うの♡
よろしくね♡」
ズナレロは、マントを脱ぐ。
髪は、薄紫の長めのモヒカンのヘアー。
体には、皮で出来た黒いベルト状の
服を着て、乳首だけを隠すようにしている。
下半身は、黒のテカリのある際どい
ブーメランパンツを履き、
靴は赤いハイヒールを履いてる。
「あなたがズナレロ・・・」
〈極血〉の1人情血のズナレロ
フルネーム
ズナレロ=ラブルーズ
男女問わず、貞操を犯し
人の精神を殺していく。
最悪の色狂い
この男に犯された男女は、
教会や病院に送られ
長年の精神治療を受けるという。
「あら、やだ〜♡。
私って有名人?う〜れ〜し〜い♡」
オカマ口調でくねくねと動く様は、
とても気持ち悪い。
「えぇ・・・最悪の方で有名よ。」
「あら〜最悪の方なの〜♡まぁそれでもいいわ♡
あなた、〈白の英傑〉のナティカでしょ?」
「それが何か?」
ナティカがズナレロの姿に引きながらも
返事をする。
「私〜♡
・・・・あなたのこと嫌いなのよね。
一晩中、犯してあらゆるところを虐めたいわ。」
オカマの声からドスの効いた声に変わる。
「はぁ〜。早く倒してみんなと合流しなきゃ。」
ナティカは、ため息をつきながら
杖をズナレロに向けて構えた。
――――――――――――――――――――――――――
「わわわわわわ!まっ、待って!!
っ〜〜痛っい!痛すぎるわ!」
メルアは、尻を強く打ちつける。
小ぶりなお尻を優しくさすり
痛みを和らげようとする。
フッ!!
その瞬間、真横から人の息の音が聞こえる。
「っ!!」
メルアは、音と逆方向に飛ぶ。
ガッ!!と地面を叩いた音がした。
体で受け身を取り
音の方向を見ると、
「っ!!!ガ、ガハルト!」
そこには、〈赤の大鰐〉のリーダー
ガハルトがいた。
いや、ガハルトだけじゃない。
〈赤の大鰐〉のメンバーと
〈青の飛竜〉のメンバーが勢揃いしていた。
後ろには、黒のマントを着た人間が
山のように積んである。
「な、何よこれ。みんなどうしたの!?
あなたたちを助けに来たの!返事して!」
「・・・・・・」
メルアの呼びかけに、全く返事をしない二組。
「君が一番の大ハズレだよ。」
メルアの降りてきた穴から声が聞こえる。
「よっと。」
穴から出てきた男は、さっき寝かせた
〈赤の大鰐〉のカルスだった。
「・・・さっきの風は、あなたの仕業ね。」
「そうだよ。滑り台は、楽しかったかい?」
メルアは、睨みつけるが
それを笑顔で返すカルス。
「あなたは誰?」
メルアが質問する。
「僕かい?僕の本当の名前は・・・」
カルスが名前を言おうとした瞬間
ブブッブブジジジジジジジジジジ
カルスの姿がブレ始める。
「ふう、やっと戻れた。
僕の名前は、カイルクラド=スブレイ
カイルって呼んでね。」
〈極血〉の1人隷血のカイルクラド
あらゆる人間を奴隷として扱い
一度奴隷にされた人間は、
あらゆる国に売り飛ばされ
死んだほうがいいような人生を送ることになる。
最悪の奴隷商人。
黒髪のマッシュに、優男のような
端正な顔立ちと不自然な笑顔が
不気味さと爽やかさの雰囲気を出している。
身長は、ライルと同じくらいである。
腰には、皮で出来た大きめのポーチを
つけている。
「ふん、笑顔がキモいのよ。」
「あれ、変だった?おかしいなぁ。」
メルアの悪口に困った顔をするカイル。
「あっ、これならどうかな?」
また、違うパターンの笑顔を見せてくる。
「どうでもいいわ。」
冷たく吐き捨てるメルア。
「・・・そうだね。君は、〈白の英傑〉の
メルアでいいかな?」
「ええ、だから何かしら?」
「いや、ちょうど幼い女の子を探してたんだよね〜。あ、でももう成人してるのかな?
まぁ君みたいな、幼い見た目なら
貴族や王族の奴隷にしても喜んでくれるかも。
だから、奴隷になってくれないかな?」
爽やかなで不気味な笑顔で
メルアに言う。
「・・・・あんた、絶対に殺す。」
メルアは、完全にブチギレた。
――――――――――――――――――――――――――
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!!!
どんっ!!!
「・・・・・・・・・んぐぅ。」
〈痛ったーーい!!もう何だよこの穴!
道じゃないじゃん!!!〉
ジェイクは、転がりながら
滑り台を降りて頭を強く打ったので
少し涙目になる。
「お前が〈白の英傑〉ジェイクか。」
赤いマントに銀の長い髪、
顎には、銀の髭をきれいに整えた
大人の洋装が似合うような男がいた。
「・・・・・・・・」
(だれ・・・・この人。)
「ふっ、寡黙な男という噂は本当だな。
私は、地獄の血跡のリーダー。
スティレイン=ブラッドル
〈極血〉で奪血の名を付けさせて頂いてる。」
〈極血〉の1人であり
地獄の血跡のリーダー
奪血のスティレイン
命、財宝、尊厳、あらゆるものを奪う。
彼に出会ったものは、
全てを奪われる
盗賊の中でも最悪最恐の盗賊。
「長話をする気はないだろう。
君は、私を倒したい。
私は、君から全てを奪いたい。
シンプルな話だ。」
スティレインは、腰からナイフを取り出す。
「さぁ、奪い合おうか。勝利と命を。」
ジェイクは、一応構える。
(えっ?勝手に話が進んでるん
ですけどーー!?)
こうして
〈白の英傑〉と〈地獄の血跡〉の
戦いの火蓋が切られた。