危険クエスト2
読んでくださってありがとうございます!
応接室室には、Sランクパーティの称号を
持つパーティが集まった。
それぞれのパーティが席に座る。
一人の男性が前に立つ。
ギルド長 ビスヒルズ=ローデイン(53)
白髪のマッシュに丸メガネ
きれいに整えられたヒゲにほっそりとした体躯
それなのに強いオーラを感じる
中年の男性だ。
「みなさんお忙しい中、お集まりいただき
ありがとうございます。今回のクエストの
内容は、ミルアの方から説明させていただきます。」と挨拶し、ミルアに代わる。
「はい、今回の危険クエストの内容は
S級指名手配
盗賊集団
地獄の血跡の捕獲です。」
「地獄の血跡だと!!!」
「あいつらの居所がわかったのか!」
周りがざわつき出す。
S級指名手配 盗賊集団 地獄の血跡
盗賊団のメンバーは、
Bランク冒険者以上の強さを持ち
極血と呼ばれる4人の
リーダー格は、
Sランク冒険者でも勝てるか分からない
強さだという。
強姦、強盗、殺人、人身売買等も行う
やつらが来た場所には、
血の足跡が大量に残るという
最悪の犯罪集団だ。
「それで、どのパーティが
行けばいいのですかな?」
一人の男が質問する。
ガハルト=バージャル(42 )
ジェイクに負けず劣らずの体格で、
赤い鎧を着用している。
男らしい顔立ちがヒゲによって
さらに男らしさを増している。
Sランクパーティ 〈赤の大鰐〉
のリーダーを務めている。
パーティ人数は50を超え
Sランク冒険者をガハルト含め10名抱えている。
レスタルム王国随一の巨大パーティだ。
「私たちが行って、すぐに終わらせてくる。」
続いて口を開いたのは、
ティア=ミストルティ(24)
金髪の腰まで伸びた長い髪は煌びやかで
青のサファイアのような瞳、
輝くように白い肌、
人形を思わせる整った容姿
青を基調とした貴族の男性のような服を
身にまとった女性だ。
その姿は、綺麗と思わず言ってしまう程の
美しさである。
Sランクパーティ
〈青の飛竜〉のリーダーを務めている。
パーティ人数は、7名で
全員がSランク
強くて全員美人であることから
アイドル的人気もあるパーティだ。
この場にレスタルム王国で
たった3組しかないSランクパーティが集まった。
「いいや、強姦を行うような輩だ。
女性には任せてられん。
盗賊集団に対しては数が必要だろう。
俺たちが行こう。」
と立候補するガハルト
「いや、私達は確かに少ないが
お前たちよりも遥かに強い。
少人数だからこその
連携力があるからな。
ここは、私達に任せろ。」
と負けじと立候補するティア
「いいや、我がパーティに」
「いや、私達に」
どちも一歩も引かない様子だ。
「名誉が欲しいだけでしょ?
お前たち大鰐は。」
ムカつくようにガハルトを煽る。
「お前らこそ、名誉が欲しいだけじゃないのか?
飛竜の女よ。」
対抗するようにティアを煽る。
殺伐とした空気になっていく。
「どっちとも行けばいいじゃん!
数は、多い方がいいんだし!」
ライルが殺伐とした空気の中、口を開く。
「盗賊集団で数もわかってないし、
強い人たちがたくさん行けば
それだけクエスト達成率も上がるじゃん!
ちなみに、人数は分かるの?ミルアちゃん」
「はい、私の〈祝福〉の
鳩の情報網では、
リーダー格の4人を含め200くらいの
人数を確認しています。」
祝福とは、10人に一人は
持っているものでそこまで珍しくないが
能力は人によって千差万別で、
弱いものから強いものまでたくさんの種類が
あり、同じ祝福は
存在しないと言われている。
ミルアの祝福は、
鳩の情報網
大量の鳩の使役、鳩の言葉の理解できる
能力である。
この能力を使って、
鳩から情報をもらったり
クエスト先にいるパーティに
連絡をしたりする能力だ。
「ミルアちゃんがそう言うなら、
間違いないよね〜。お二方の
パーティで行きなよ。」
ライルが二組で行くように促す。
「君たちは、どうするのだね?」
ガハルトが質問する。
「俺達は、他のところで困っている人たちを
助けとくよ。それにSランクパーティ1組くらい残ってた方が国のみんなも安心するでしょ?」
ライルは二カッと笑う。
「仕方ありませんが共同戦線と行くしかない
な。ライル殿の言う通り出しな。ガハルト殿
一緒に行こうじゃないか。
手柄は、早いもの勝ちということで」
ティアが手を伸ばして握手を求める。
「あぁ、いいだろう。」
ガハルトもティアと握手を交わしたことで
赤の大鰐と青の飛竜の二組の
Sランクパーティが危険クエストを受ける形と
なった。