受付嬢の悩み
読んでくださってありがとうございます!
「んっ・・・・もう朝か・・・」
太陽の光が目に当たり、朝になったこと実感する。ベッドから降りて黒い道着を着て
赤い布を腰に巻く。
洗面台に向かって、顔を洗い
タオルで濡れた顔を拭く。
「さぁ・・・・今日も頑張ろう。」
最強のモンクは、ギルドに向かうことにした。
(朝っていいなぁ、街が太陽で白く光ったり、
影の所は青くなる。この雰囲気がとても好きだ。
あと、人いないし!)
ギルドは24時間空いてるので
どの時間に行っても大丈夫なのだ。
ちなみに、現在時刻は5時43分である。
ギルドに到着した。
ここは、レスタルム王国の主要都市
ルービの冒険者ギルド
魔物との討伐を主に行い、
国中の人を守るために存在する組織である。
村人からの救援や困ったことの依頼が来たら
解決する代わりに報酬をもらう。
そうやって、お金を稼ぐのが冒険者だ。
扉を開く。
「あっ!おはようございます!ジェイクさん。」
受付には、ミルアがいた。
ミルア=グレイス(19)
メルアの双子の妹である。
メルアと違って、魔法の才に恵まれなかったが
事務処理能力と情報収集力が高く、
いつも俺達の事をサポートをしてくれている。
髪の色は明るめの茶髪のセミロングで
後ろの髪を縛って、
右肩に髪を掛けた
大人っぽい髪型だ。
透き通るような白い肌
目は大きいがメルアと違って
少しタレ目である。
整った容姿に
背も160くらいとメルアよりも
背は高く、胸の膨らみはナティカにも負けてない。
ギルドの受付嬢は綺麗どころが
するようになっているが
その中でも群を抜いて美人と言えるだろう。
「今日も来るの早いですね。ライルさんたちを
待ってからクエストを受けますか?」
「・・・・・・・んっ。」
質問に対して首を縦に振り
ギルドの隅っこのベンチで
残りの3人を待つことにした。
一時間後
「ジェイクさん隣に座ってもよろしいですか?」
「・・・・・んっ。」
「なら失礼しますね。」
ミルアの仕事が終わったのか、
別の受付嬢と交代して
隣に座ってきた。
「最近お姉さんは、どうでしょうか?」
「・・・・・・・・・」
(いや、どうってなんだ?
どういうことだ?クエストで粗相をしてないかってことか?)
ミルアの質問の意図がわからず考え込む。
「ふふっ。相変わらず無口ですね。」
口に手を当てて、可笑しそうに笑う。
「私は、事務仕事で皆さんを手助けすることしか
できないのでお姉さんが最高の魔法使いだから
活躍した話とか聞きたいんです。
私には・・・魔法の才能や戦う力がなかったので・・・
街のみなさんを助けたり守ったりすることが
できないので・・・・・」
俯いて自虐気味に言う姿を見ると
なんだか心が痛ましたかった。
「・・・・・・しかじゃな゛い゛」
「えっ?」
ミルアがこっちを見る。
「・・・・き゛み゛に゛は゛、い゛つも゛
たすかって゛る゛。」
ミルアには、いつも助けてもらってる。
ミルアがいるから詳細な情報を聞いて
クエストに正確な対処ができている。
何度も何度も助けてもらってる。
「きみ゛が受付だと安心す゛る。」
(正確な情報をもらえて、作戦も立てやすいしね!あと、知っている人であんまり緊張しないから!!)
ジェイクは、人見知りなので
喋れる相手が少ない。
「ふふっ。ジェイクさんからそう言ってもらえると嬉しいです。」
ミルアは嬉しそうに笑った。
「・・・ジェイクさん!
私、受付の仕事、頑張りますね!」
もう俯いた姿は無く
いつもの元気なミルアがいた。
「ジェイクさん・・・」
ミルアは、道着を引っ張り
チュッ
ジェイクの頬に口づけをした。
何が起きたのか、頭がパニックになる。
ぽぉーーーっ!!!!と大きな音を出して
顔と耳が真っ赤になり、湯気が
あらゆるところから立つ。
「ふふっ。相変わらず可愛らしい方。」
いたずらっ娘のように笑うミルアが耳元で囁く。
「今のキスはお姉さんには、内緒ですよ。
それでは、帰りますね〜。」
そう言った後、こちらに手を振りながら
ギルドから出ていった。
ギルドには、216cmの大男の頭から
湯気が出ていた。
「うわ!!ジェイクさんどうしたんだ!
顔がトマトみたいだぞ!!」
「怒ってるのか?やばい!怖い!」
「誰か!ジェイクさんの好きな食べ物持ってこい!」
「食べ物で怒りを抑えるんだな!
よし!任せろ!!」
とギルドは大騒ぎになり、
ライル、ナティカ、メルアが来る頃には、
「何よこれ。」
「宗教かしら?」
「ジェイクがみんなに崇められている!!
ぶっははっ!!」
ナティカとメルアは、呆れて
ライルは、腹を抱えて笑っていた。
それもそうだ。
ジェイクの前には、大量の肉や魚や野菜が置かれ
他の冒険者がジェイクに向かって土下座している
異様な光景が目の前にあった。
「・・・・・・・」
(誰かぁーーー!!!!
助けてーー!!!!!
やめてくれー!!!!)
最強モンクの文句は、
今日も誰にも届かないのであった。