かっこいいところ。
「ちょっと!ちょっとライル!!」
ナティカはライルを呼び止める。
「な〜んだよ〜。
お前の家こっちじゃないだろ?」
「こっちじゃないけど!
メルアの前であんな誘いして!
メルアの気持ち知ってるんでしょ?」
怒った顔でナティカが問い詰める。
「そりゃぁ、知ってるさ〜。」
「なら!なんであんな事を!」
「だって、焦れったくね??
もう、俺らパーティー組んで5年
メルアがジェイクを好きになって
3年経ってんだぜ??」
「あなた・・・まさかわざと・・
っ〜〜!はぁ!にしたっても強引よ!」
呆れた顔でナティカが言う。
「もうちょっと順序があるでしょ!?
二人は、なんていうか不器用なんだから!」
「・・・でもさ、俺らいつ死んでもおかしくないんだぜ?いくらSランクパーティで強いからってさ。あいつらには幸せになってほしいわけよ。
そのためなら、バカなフリでもなんでもするぜ?」
「・・・はぁ、とにかく二人を見守りましょう?
それにこのパーティで死人が出るときは、
老衰だけだわ。私がいるもの。」
「まぁそれも、そうだな!がはは!」
ライルは、バカっぽく笑って帰路につくのだった。
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「はぁっ、はあっ、はぁっ、
ジェイクどこに行ったのよ。」
ジェイクを探して街中を走る。
体は大きいのですぐに見つかるはずだ。
どこに行ったのか。
辺りを見回す。
「う゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ん」
泣き声が聞こえる。
後ろの方から。
「メ゛ル゛ア゛」
とジェイクの声もする。
「ジェイク!!あのさっきは・・・って
その子は何?」
ジェイクが泣く子供を
肩車していた。
「ま゛い゛ご」
「迷子ぉ〜??」
どうやら樽酒を買おうと酒屋に向かう途中で
この子と出会ったらしい。
「待ちなさい。なら浮遊魔法で
その子と一緒に空を飛んで
私がお母さんを探してくるわ。」
と言った瞬間。
「い゛や゛ま゛って」と
ジェイクに止められる。
「何よ!さっきのこと怒ってるの?
いいから私を頼りなんっ!」
メルアの発言を指で止める。
「・・・・それ゛よ゛りも早く見つける。
早くかえ゛してあ゛げたい。」
そう言った後、子供の頭を撫で、
胸の位置に子供を抱える。
「・・・つ゛かま゛ってて゛」
そういった瞬間
どぉぁぁぁぁぁぁん!!!!!と
ジェイクが飛ぶ。
「うわ!!ジェイク!!」
建物の屋根の上に飛び乗り
屋根から屋根へ高速で飛び移る。
飛び移るたびに屋根がへこんでいく。
「もう!ジェイクったら!!」
メルアは、浮遊魔法で
ジェイクを追いかける。
「・・・きみ゛なま゛え゛は?」
「・・・ジェム」
「・・・・・よく゛い゛え゛たね。」
名前を聞いたあとジェイクは、
屋根から屋根へ高速で飛びながら。
大きく息を吸う。
「すぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!
ジェム゛の゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛
お゛がぁさん゛ん゛ん゛!!!!!!!
ま゛いごですよぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!!」
ジェイクの雄叫びが街全体に響く。
「ジェム゛の゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛
お゛がぁ゛さん゛ん゛ん゛!!!!!!」
何度も何度も叫ぶ。
「ジェムー!!! 」
下から女性の声が聞こえる。
「あっ!おかあさん!!」
ジェイクは、屋根から飛び移るのをやめて
下に降りる。
「ジェムー!!!」
ジェムのお母さんがこっちに駆け寄る。
ジェイクは、ジェムをゆっくりと
下ろす。
「お母さん!!!」
ジェムもお母さんの元に走っていく。
「もう!!心配したんだから!!」
「ごめんなさい!!ごめ゛ん゛な゛ざい!」
二人は、泣きながら安心したように
抱き合っていた。
「・・・・・・よ゛がった。」
ジェイクは、二人を見て
安心したように笑った。
「・・・・仏頂面で、しゃべらなくて、
ムキムキな木偶の坊だけど
・・・・・かっこ・・よすぎるのよね。
・・・・・あと笑顔かわいすぎ!!!」
空に浮かんで3人を見ていた魔法使いは、
そう言った後、顔を真っ赤にしていた。