戦血祭
読んで下さりありがとうございます!
〜次の日〜
パンッッ!パパンッッッッ!!
空砲が、空に打ち上がる。
今日は、10年に1度の戦いの祭典である
夢叶戦祭の開催日。
夢叶戦祭の会場に選ばれたのは、
カバトゥル闘牛場であった。
国で唯一の闘牛場であるこの場所は、
普段は闘牛ショーなどで、
国民を楽しませてくれている。
今日は、闘牛ショーでは無く
願いを叶える冒険者達を見るために
闘牛場には、次々と人が入っていく。
「やっと来たぜ!!」
「ついに、この日が来たのね。」
「試練、大変だったわね〜。」
「ん゛。」
〈白の英傑〉の4人は、
一緒に、闘牛場に向かっていく。
「10年に一度の祭りだものね!
優勝したいわね。」
「あら、私達が優勝するわよ!」
「いいえ!私達よ!」
ナティカとメルアの間に火花が散る。
二人共、やる気に満ち溢れている。
「2人共、熱いな〜!
がっはは!」
闘志を燃やしている二人と違って
ライルは、呑気に笑う。
「私達は、これからライバル同士!
もし、戦うことになっても手加減は無しよ!」
「望むところよ!」
二人の火花は、さらに大きくなっていく。
「おーい!早く会場内に入ろうぜ!」
ライルが二人の火花を止めて、
4人は闘牛場の関係者入り口の中に入る。
闘牛場に続く通路を抜けると、
いつもは砂地の闘牛場の中央に
白い大きな石のタイル数十個が、
20mくらいの正方形の形に積まれていた。
恐らく冒険者達が戦う闘技場だ。
闘技場の上には、
冒険者達が揃っていた。
客席には、たくさんの人が座っている。
「〈白の英傑〉の皆様、
あちらの闘技場に集まって下さい。」
会場のスタッフに、冒険者達の場所に
行くように案内される。
「お!!〈白の英傑〉の4人だ!!」
「頑張れー!!」
「お前達のどっちかが、優勝で間違いないな!」
観客達からの応援の声が聞こえる。
「ありがとうー!頑張るぜー!!」
ライルが観客に大きな声で返事をした後、
冒険者達の集まる場所に着くと
パーン♪パパパーン♪パパパパーン♪と
トランペットの音が、会場に響き渡る。
「さぁー!!!全員集まりましたね!!
皆さん!!こんにちは!!
今回の夢叶戦祭の
司会を務めさせて頂きます!
ドム=ナエカです!!選考会に引き続き、
司会進行をしてまいますので!
今日1日、よろしくお願いしまーす!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!!!
鼓膜が破れそうな程に、
歓声が湧く。
「すごい歓声ですね!
観客の皆様も、この日を楽しみにしていたことをひしひしと感じます!
それでは、今大会の主催者である
国王から、夢叶戦祭のはじめの
言葉をどうぞ!!!」
ドムが手を、闘牛場の上の方に向ける。
手の方向には金色の綺羅びやかな椅子が
並んでいた。いつもは、貴族や王族が
闘牛ショーを見るための特別席だ。
ワァァァァァァァァァァ!!!
歓声が鳴り響き、
椅子から立ち上がった王は、
観客に向けて手を振る。
「えー。国民の皆様、
今大会の主催者である
ジルドストン=レスタルムである。
今日は天気も良く、素晴らしい戦いの祭りと
なるであろう。
私からは、ここにいる皆に言葉を送ることで
はじめの言葉とさせて頂く。
諸君らは、様々な夢をお持ちだろうか?
もちろん夢を持っていない者も
少なからずいるだろう。
夢を持っていても、持っていなくても
ぜひ聞いて欲しい。
諸君らは、夢を叶えるとは、どういうこと
だと思っているかね?
私は、こう思う。
夢を叶えることは、戦うことと同義だと。
夢を叶えるために目の前の現実と戦うこと、
どんなに体が辛くても、努力を怠らないこと。
つまりは、自分の弱さと戦い、
現実と戦い、目標に向かうことこそが
夢を叶える行動だと私は思う。
今大会は、夢を叶える為に必死に戦う姿を
国民の諸君に見てもらいたい。
そして、今大会がキッカケで
夢の為に、自分の弱さや現実と戦う覚悟が
芽生えて欲しいと心から願っている。
それでは諸君!そろそろ始めよう!
第11回!!!夢叶戦祭を
開催する!!!
冒険者達よ!!!!戦え!!!!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!!!!!!
国王の言葉が終了したと同時に
歓声が湧き上がる。
「よっしゃぁ!!!」
「俺が絶対に優勝してやる!!!」
冒険者達もやる気満々のようだ。
「いや〜素晴らしい挨拶を
どうもありがとうございます!!
とても熱い言葉でしたね!
心が震えました!
それでは、みなさん!
お待ちかねのトーナメント表の
発表と行きましょう!!」
ドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥル
ドラムの音が、鳴り響く。
「さぁ、今回のトーナメント表は
これだ!!!」
ドムが、手を挙げようとしたその瞬間。
ザッ!!!!!
ドムの腹部から剣の切っ先が飛び出す。
「ぐっ・・・・がっ!!!」
ドムの口から、血が飛び出す。
「へへっ。・・・・させねぇよ。
夢叶戦祭は
開始させねぇよ。」
ドムの後ろから、人が現れる。
愛の試練で落ちたドイ=ヤツキだ。
「おい!お前何してるんだ!!」
冒険者の1人が叫ぶ。
「俺か?俺は、いや俺達は、お前らの夢を壊しに来たんだよ。」
ドイが返事した瞬間。
キャァーーーーーーーーーー!!!!
客席から悲鳴が聞こえる。
客席の方を見ると武装した大勢の冒険者が、
観客に向けて武器を向けている。
王様が、慌てながら立ち上がる。
「な、なんだ!お前達は一体!!」
「だから〜言っただろ?
俺達は、こいつら本選に出場した
冒険者の夢を壊しに来たんだって。
なぁ〜、王様よ。
観客達が怯えているぜ?」
ニヤニヤしながらドイが返事する。
「何が望みなんだ!!!」
「・・・・俺に、願いの星硝子を寄越せ。
そしたら、観客に危害は加えない。」
「ふざけるな!そんな要求が!!」
「要求を飲まなきゃ・・・死ぬぜ?」
ドイがそう言った瞬間。
ギャァァァ!!!!!!
悲鳴が響く。
悲鳴の方向を見ると
観客が肩から血を流している。
観客の近くの冒険者の持っている
剣が血で赤くなっている。
「貴様!!やめろ!!」
「だったら、早く寄越せよ。」
慌てている王の制止を聞かずに、
ドイは要求を迫る。
「くっ!!!!」
悔しそうに歯を食いしばる国王。
「さぁ、早く!!寄越せよ!!」
ドイが王に向かって叫ぶ。
「王様ー!!渡さなくていいわよ!!!」
メルアの声が闘技場から響く。
「観客のみんなー!!少し待っててね!!
転移!!!!!」
その瞬間、観客が全員消える。
「観客を安全な場所に転移させたわ!
さぁ!これであとはクソ冒険者だけね!!
・・・観客を傷つけたことを後悔しなさい!!」
メルアは、ドイに向かって杖を向ける。
「10年に一度の祭りを台無しにしやがって!」
「許さねぇ!!」
「ボコボコにしてやる!!」
闘技場の冒険者達が、怒りの頂点に達する。
「ふぅ〜〜♪さすがだなぁ〜。
〈白の英傑〉奇跡の魔女のメルア。だが、客席にいるやつらだけで
こんなことするわけ無いだろ?」
ドイの言葉の後に、闘牛場の客席の
入り口や屋根から千を超える人が現れる。
「試練に落ちた冒険者、2000名で
お前達も王族も夢ごと潰してやるよ!
夢叶祭じゃなく、戦血祭の開始だー!!!!!」
夢を叶える為の戦いでは無く、
血が飛び散るような戦いが
始まった。




