危険クエスト8
読んでくださってありがとうございます!
「炎の槍!!」
「風の旋回壁!!」
「炎の連撃弾」
「風の連撃弾」
メルアが出す炎の魔法が全て相殺される。
「いい加減に燃えなさいよ!」
中々魔法が当たらずに、メルアは苛ついている。
「僕の方だけを見ていてもいいのかい?」
カイルがニヤニヤする。
ぶんっ!! シュッ!シュッ!
メルアに襲いかかるように、
〈赤の大鰐〉のガハルトと
〈青の飛竜〉のティアが攻撃する。
「っ!防御魔法!!」
円球の防御魔法を展開し
間一髪で、二人の攻撃を防ぐが、
ガン!!ガン!!ガン!ガン!!
ガン!!ガン!ガン!ガン!!
ガハルトやティアだけでなく
〈赤の大鰐〉〈青の飛竜〉のメンバー達の
攻撃が四方八方から迫る。
「もう!!どういうことなの!?
みんな!!敵はあっちよ!!」
メルアの叫びは、誰にも届かず
攻撃を受け続ける。
「無駄だよ。全員、
僕の奴隷だからね。」
風の多刃」
カイルは、ニコニコしながら風の刃を無数に
放つ。
「っ!!〈解除〉!!風の豪風!!」
防御魔法を解除し
瞬時に豪風を起こす。
〈赤の大鰐〉と〈青の飛竜〉を
吹っ飛ばしながら風の刃を相殺しようとするが
ザッ!ザッ!
「がっ!!!」
メルアの両肩に傷がつく。
「ははっ、優しいんだね。風で吹っ飛ばして
刃が当たらないようにしたの?
でも君に傷が出来ちゃったね。大丈夫かい?」
「くっ、うるさいわよ!カスが。」
ニヤニヤしながら喋るカイルに
悪態をつく。
「ひどいなぁ、心配してるのに。早く奴隷に
なってくれれば攻撃はやめるよ?
奴隷にならない?」
「ならないわよ!何度聞いたって
あんたの奴隷になるもんですか!!
あんたの奴隷になるくらいなら
死んだほうがマシよ!!」
誘いに絶対に乗らない
意思表示でカイルに杖を向ける。
「はぁ、仕方ないな。
・・・永遠の奴隷」
カイルの右手が黒いオーラを纏う。
「僕の祝福、永遠の奴隷は普通の人はオーラを当てるだけで奴隷に出来るけど、君みたいに強い冒険者だと
直接触らないと奴隷にできないからね。
直接触らせてもらうよ。」
ゆっくりとメルアに近づく。
「ふざけるな!触らせるもんですか!」
魔法を放とうとした瞬間。
ガッ!!
後ろからティアやガハルト、
その他の奴隷となった〈赤の大鰐〉〈青の飛竜〉
のメンバーに服や、足を掴まれる。
「そのまま離さないでねー。
すぐに終わらせるから。」
カイルの手がメルアの目の前に来る。
「くっ!浮遊魔法!!」
間一髪で、自分の体を浮遊させて
なんとか逃げることに成功する。
メルアを掴んでいた奴隷は、
一緒に飛んだ後に一体一体
落ちていく。
かなりの高さからから落ちたので
腕が変な方向に曲がったり
足が折れているものもいる。
(・・・ごめんなさい。)
心の中で謝罪する。
「しぶといな〜。こうなったら総攻撃しか
ないか。浮遊魔法」
カイルは、浮遊魔法を行う。
しかし、魔法の対象はカイルではなく
〈赤の大鰐〉と〈青の飛竜〉、
そして山積みになっていた
黒の赤いラインが入ったマントを来た人間が、宙を舞う。
「さぁ!Sランクパーティ2組と
200名の死体が君を襲うよ!
さぁ、空中のお遊戯会だ!!」
「・・・ゲスが。入った瞬間から
腐敗臭がしていたけど、やはり山積みだった
黒マントの人間は、死体だったのね。」
カイルをゴミを見るような目で睨む。
「そうだよ、僕ら地獄の血跡の
たくさんの部下は
僕の死体奴隷、首が折れても目が飛び出しても
僕の言うことを聞くんだ。
まさに永遠の奴隷さ。いいでしょ??」
下衆な事を平気で喋るカイル。
「こいつらを使えば、弱いやつは
僕の祝福で奴隷になり、
増えた奴隷と死体奴隷でSランク
冒険者を抑えれば
触って奴隷にできる無敵の能力さ。
あぁ、僕はついてる。こんな祝福を
もらえるなんて」
カイルが恍惚な表情をする。
「あとは、君だけだよ。
君は奴隷にする瞬間どんな絶望の表情を
浮かべるんだろうね。」
「だから、ならないって言ってるでしょ!!
炎の槍!!」
メルアは、空中を飛びながら
炎の槍を放つ。
「ははっ。そんなことしていいのかな?」
カイルが笑った瞬間
浮遊していた。〈赤の大鰐〉と〈青の飛竜〉
のパーティメンバー5人が
炎の槍の目の前に立つ。
「っ!!〈解除〉!!」
慌てて炎の槍を消して
何とか5人が貫かれるのを防ぐ。
「どう?わかったかい?
僕には奴隷の盾がこんなにある。
君は、魔力の限界まで浮遊しながら
奴隷達から逃げなければいけない。
君は詰んでるのさ。
どう?絶望した?」
ニヤニヤ笑うカイル。
「くそっ!!」
メルアは、空中に舞うたくさんの奴隷から
逃げる。
(壁側を逃げるとみんなが壁にぶつかるし、
洞窟中央にいると全ての奴隷を見ながら
逃げないといけない。体力が余計に削がれるわ。
このままじゃ、負けるわね。)
「ちっ!!」
メルアが舌打ちし、空中で止まる。
「ん?諦めたのかな?行け、奴隷達。」
メルアに大量の奴隷が向かう。
「・・・ファニーさん力を貸して。」
(何やねん、お昼寝中に。もしかして
力を貸してほしいんか?)
「・・・・うん。」
(ほな、仕方無いな〜。)
ボンッ!!
メルアの帽子の上に
帽子を被ったぶちねこが現れる。
「ほれ!」
「ありがとうファニーさん
・・・面白くて愉快な想像」
そう言った瞬間
メルアの髪色が白く染まり
洞窟の景観が変わる。
「っ!!君は何をしたんだい?」
さっきまで洞窟だった場所から
変な空間に変わる。
周りは、ピンク色に
空中には、人の家くらい大きな
スイーツやチョコやコップに入った
オレンジジュースなど
様々な甘い物が浮かんでいる。
「私の祝福よ。
お菓子たち、みんなを拘束しなさい。」
浮遊しているチョコやスイーツが高速に動く。
奴隷達の前で巨大チョコが弾けて
瞬時に固まる。
また、巨大スイーツに奴隷達が
ズボっと埋まる。
「僕の奴隷が!!」
「・・・この世界は、私の想像の世界。
想像して作ったものは思い通りに動くわ。」
ドーナツの上に立ち、能力の説明をする。
メルアの祝福
面白くて愉快な想像
効果 召喚獣ファニーさんの力を借りて
メルアの想像の世界を作る能力
作られた世界の物は全て、メルアの好物ばかりである。今回は、最近甘い物を食べてなかったので甘い物だらけの世界となった。
使用時には、大量の魔力を消費する。
想像して作った物は、メルアの思い通りに動かせる。形の変形も可能である。
たくさんの奴隷は、スイーツに埋まったり
チョコに捕まったりして
全員が拘束されていく。
「ははっ・・・こんな祝福があるなんて」カイルは膝から崩れ落ちる。
「これで、終わりよ。」
メルアがチョコを操作する。
カイルの目の前で溶けて
一瞬で固まり拘束する。
カイルは振りほどこうともしない。
どうやら諦めたようだ。
「ねぇ、少し質問に答えて
応援要請の鳩を飛ばしたのはあなた?」
「・・・あぁ、そうだ。」
素直に質問するカイル。
「何が目的なの?」
「さぁ?リーダーが君たちに会いたいと
言ったんだよ。君たちというより
最強のモンクのジェイクに会いたいって。」
「ジェイクに??何で??」
再度質問する。
「わからないさ、リーダーが
欲しい物でもあったんじゃないかな?
彼は、あらゆる物を奪えるからね。」
カイルは、ニヤニヤと笑う。
「・・・そう?まぁよく知らないけど彼は
負けないわよ?最強だもの。」
自信に満ち溢れた目で言い切る。
「へぇ、信頼してるんだね。」
「えぇ、信頼してるし尊敬しているわ。
彼には、何度も助けられたもの。」
「へぇ、でも今回は助けれないね。」
そう言った瞬間。
「炎」
ボゥ!!
カイル自身が燃えだす。
炎でカイルの周りのチョコが溶ける。
「ははっ!永遠の奴隷!
これで終わりだ!!」
自身の体を燃やしながら、
メルアに襲いかかる。
「はぁっ、諦めの悪いクズね。
ジュースよ、捕まえて。」
その瞬間、逆さになった
オレンジジュース入りのコップ
がカイルを閉じ込める。
「ク゛ソ゛がぁぁぁぁ!!!!」
「混ぜろ」
メルアがジュースに指示した瞬間
高速でジュースが回る。
「おぼぼぼぼぼぼぼぼぼっ!!!」
一緒に回るカイル。
「はぁっ、捕獲じゃなきゃ殺してやったのに。
ジュースよ開けて。」
オレンジジュースが上に浮かんでいく。
「・・・あ゛っ・・・ぁ」
溺れて白目を向いたカイルがジュースまみれで
出てくる。
「ふふっ、面白い顔。
あんたには、お似合いの姿ね。」
白目を向いたカイルを見ながら嘲笑する。
「・・・はあっ、疲れた。
甘い物を食べたいわ。」
帰ったら何を食べようかなと想像する。
メルア=グレイス
二つ名は、奇跡の魔女
祝福は、面白くて愉快な想像
召喚獣ファニーの力を借りて
メルアの想像した世界を作る能力。
能力で作ったものを自由自在に動かしたり
変形できる。
使用時は、かなりの魔力を消費する。
そして、あと2つ祝福を持っている
3つの祝福の所有者である。
通常の祝福持ちが10人に1人の割合で存在するが
3つの祝福持ちは、1000万人に1人である。
残り2つの祝福は
常時発動型の祝福
魔界の沼
効果 魔力の超増量
この祝福により
面白くて愉快な想像の大量の魔力消費でも
疲れること無く使用できる。
そして、もう一つは
料理人の知恵
効果 料理を作るのが上手になる。
メルアは、〈白の英傑〉の料理担当でもある。
「さて、何を食べようかしら?
ミルアに、マドレーヌを作るのも良いわね。
ジェ、ジェイクにも何か作ろうかな。」
急に顔が赤くなる。
「おい!!」
バシッ!!と頭を叩かれる。
正確には、猫パンチである。
「痛ったぁ!何よ!ファニーさん。」
ファニーに打たれたところを抑えて
涙目になる。
「お前、代償を支払わんかい!」
「げっ!!」
当然、面白くて愉快な想像も罰が存在した。
「ワテをたくさん笑わせんか!!!」
面白くて愉快な想像の
罰は、能力を使用した時間
だけ召喚獣ファニーを笑わせることである。
一分につき1回笑わせないといけない。
笑わせないと能力の解除が不可能。
「今回の使用した時間は、5分32秒!
まぁ肩に傷を負っとるし
まけて、5回は笑わせんと
能力を解除させんからな!」
「・・・お願いファニーさん。
4回にしてくれないかしら?」
困り顔でお願いする。
「いや!あかん!ルールは、ルールや!
昼寝中のワシを叩き起こしたんやからな!
ほら、さっさせい!」
首を縦に振ってくれないファニー。
「っ〜!!いやぁぁぁ!!!」
頭を抱えて叫ぶメルア
〈白の英傑〉の
最高の魔法使いであり、
面白く滑稽な魔法使いの渾身の一発ギャグが
面白くて愉快な想像の中で行われていることは、
メンバーすら知ることは無かった。




