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EP24.「決闘終了」

side:第三者視点

16時35分 残り人数2人

HTLC RF コントロールルーム(付添人待機室)



「了解、我が主の思うがままに・・・」

このセリフを聞いてミナセは両手で口元を隠しながら小さくニヤリと笑みを見せながら勝利を確信していた。しかし、これと同時に、なぜ自分とではなく、ぼっと出の新顔、しかも言えば転校初日の奴と理性を忘れるほどの全力状態になってしまうのかと僅かな嫉妬心が根生えていた。


ユイノが本気を使用した時に使用するというアタックス、初めは物事の順序を整理するためのリスト的な物かと思っていたらどうやらスキルの一種らしく、発動中は周囲にヒトの形をした物体が飛び回っている。挙動を見た感じカミマイツルとは異なり、常に右側に一体、それとは別に周囲の警戒をする為なのか、周りを旋回しているのが2体出現しており、必要に応じて、勝手に防弾シールドの展開などをしている。

「それにしてもあのアタックスとやら、どうやって手に入れたんだ?あんな便利な支援スキルがあれば、みんな徹夜してでも取得してそうなモノだけど」


右目のレンズに多層表示した検索ウィンドウでweb画像検索をかけてみるが、検索結果には"やっこさん"と呼ばれる折り紙しかヒットしない。自分で予め用意した外部スキンか、ユーザー追加プラグインか。そんなことを考えていると、ずっと隠れていたであろう、支援役を追い詰めている処であった。




───1───



「チェックメイト」

ユイノが追尾矢を充填した状態で、ベルトコンベア制御盤の前で追い詰める。光学迷彩マントをかぶっていたおかげで、ずっとその場所から動いていなかったのに中々見つけることが出来なかった。

しかしながら、追い詰められた人物は、慌てることもなく、ゆっくりとフードを下ろし何やら呪文を詠唱し始める。

「|我の前に不可視の壁を作り、我を守りたまえ《Quaeso fac murum perlucidum ante me ad defendendum me》."|偉大なる壁《Murus Sinarum》"」

ユイノが矢を放つと同時に、透明な壁が目の前に出現し矢の軌道を塞ぐ。だが、ユイノが驚いたのは透明な壁が出現したことではなく、それのために使った詠唱の方であった。

(RPFは確かにプレイヤー設定の言語で出来るが、それよりもその言語だな、英語でも中国語でもない、月川都市圏でラテン系の言語を母国語に、それも顔もあんまりよく見えないが留学生でもなさそうだし・・・)

「何れにせよ、そのような術式を使うのであれば、それを考慮して矢を放つのみ、山を貫く業矢となれ『レッドアロー』」

燃えさかる矢を放つが、やはり透明な壁に憚れる。再び矢を構えようとすると、自動戦術攻撃制御(ATACS)が後方にいるもう一人の敵からロックオンされている事を警告する。

「函南!」

ボイスチャットで叫ぶのと同時に点検用ハッチから函南がロープを使って飛び降りてくるるの同時にカウンターシールドを展開、背後の敵の急襲に対して反射攻撃を行う。


被弾すると同時に操作盤の前に居たはずの敵の姿が消える。

「幻影・・・おとりだった訳か」

しかしながら、残り人数の数が減らない。それが意味すること、それはつまり。



「成る程、飛んで火に入る夏の虫って訳か。面白いじゃねぇか」

ピンポイントで右腕の肘関節を狙う狙撃予告線。気付くのと同時に右腕を打ち抜かれる。ARでの仮想表示とは言えど、右腕を使った攻撃が不可能であるので戦略的敗北とも言える状態ではあるが、ユイノは至って平常心を保っていた。

「ユイノ?右腕が使えない以上は弓矢も使えないだろ、降参するか?」

函南は降参に使用する白煙弾をを差し出すが、ユイノはこれを首を振って拒否する。


「別に右手がだけが利き手ではないし、腕はもう一本ある。売られた喧嘩を買い上げた以上、徹底的に買い占めないと」

残った左手でクイックメニューを開き、麻痺弾(業務用)を取り出すし、そのまま地面へと落とし、フィールド内の全員に対して麻痺毒を仕掛けた上で、魔力探知を起動する。


「っ何を」

とっさに治癒魔法を詠唱した函南が右手に唯一所持している飛び道具、デザートイーグルを取り出す。しかしながら、それは敵側も同一状況。探索魔法を閉じたユイノは、色々と計算した上で、最後の一手に打って出る。


「4時の方向、角度15、距離75、壁抜き4枚、それと7時の方向、水平に距離20、壁抜き1枚、函南、これを中継しろ」

そうと同時に、設置型の指向性爆弾アイテム"ポイズンレーザー(自決用)を床に落とす。函南はそれを認識すると同時に、中継を開始、指示通りの壁抜きを行い、視界から検知できない残り敵二名にピンポイント狙い撃ち、撃破する。



<挑戦者マルスチーム の全員戦闘不能を検知 決闘を終了します>

審判用AI"自動戦闘審判システム(アブリス)"の合成音声がフィールド全体に響き渡り、そこで決闘が終了する。残り時間20秒の事であった。


そう言えば連載開始から1年立つんですね。元々は漫画用で用意していたシナリオですが、画力不足で小説として公開しています。

もしかしたら主人公達の設定画公開もあるかも・・・?

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