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双子の恋の争奪戦

作者: ラス

 私には双子の姉がいる。

 そこそこ可愛い方(だと思う)なので、よく節目には話題にされるし、お互いに友達も多い方。でも、いい事があったという記憶はない。いつもなんでも取り合いだし、思考がお互い読めてしまうのもめんどくさい。そして今、一番めんどくさい事案、「好きな人かぶり」が勃発している。


 一つ上の部活の先輩。お互いの趣味もほぼかぶっているので、自然と部活もずっといっよの所を選んでいる。まあそれはいい。けど、何故毎回好きな人まで一緒になってしまうのか。そして何故毎回私は敗北してしまうのか。だがそれも過去の話。今までの恋は、恋に恋するレベルのかわいいものだった。その証拠に、勝利した姉も殆ど一か月未満で別れている。だが今回は違う。もう私達も高校生だし、今までのあやふやな感情とは違う、と思う。


 とにもかくにも、今度こそ私は姉に打ち勝ち、初勝利と恋をゲットするのだ!


「という事で先輩、付き合って下さい」

「何がという事なのか分かりかねるが、どこに行くのだ」

「そういうのはいいんで」

「え、っとそれはつまり……」

「決断の時です先輩!まごまごしてたら姉が来てしまうんです!そうなればもう終わりです!」

「え、俺今告白されてるんだよね?」


 今回の私は一味違う。

 いつもはどうしようああしようこうしようでもなあなんて言ってる内に、姉にさくっと持って行かれるパターンばかりであった。今回はそのスキを与えない!好きと隙をかけてる。今回の私は冴えまくってる。いける!


「うん……まあ、あの、よろしくお願いします」

「……え?」

「俺と付き合って下さい」

「……ん?」

「ええ、どうしろってんだよ……」


 カッタ。

 あまりにあっけない勝利に、反応が追い付かなかったが、謝り倒した後、正式にお付き合いする事になった。勝ったと狩ったもかかってるし、これからの私は違うのだ!!









 ワタシには双子の妹がいる。

 なんにでも張り合ってきて、負けるとすぐ涙目になるかわいい妹ちゃん。

 ブツブツ言いながらもワタシが選んだ物を好きになってくれるし、選んだ部活も一緒に入ってくれる。はっきり言ってかわいくて死んでしまいそうなのだ。

 だが一つだけ不満がある。男の趣味が悪すぎる事だ。


 妹は全てワタシとかぶってると思ってるみたいだけど、男の趣味だけはまるで違っていた。だが、妹が好きになった男は全てワタシが先に告白し、諦めさせて来た。見事に全員クソみたいな奴だらけで妹ちゃんの将来がとても心配だ。まあ最悪ワタシと結婚すればいいから問題はない。寧ろそれでいい気がするなあ。


 だが高校になり、初めて妹がまともな男を好きになった。

 ちょっと色々頼りなかったりと不満はあるものの、こればでを考えればはるかにいい。

 妹ちゃんも気合が入ってたみたいで、結構早くに告白し、付き合う事になったみたいだ。まあそれでも好きになってから告白まで半年かかったけど。

 凄いドヤ顔をしてくる妹チャンマジかわいい。死ぬ。


 まあこれから保護者として、色々とちょっかいを出して行こうと思う。

 簡単に私の妹ちゃんを好きに出来ると思われては困るしね。

 しねに死ねがかかってるわね。ふふ。


 これからどうなるか、とても楽しみだわ。


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