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菓子

「ノ……ノイルさんにそう聞いたんですか?」

「ノイルには事実確認をしただけだ。怪我をしてお前と一緒に帰ったって事を聞いた上で戸棚のティーカップ2つと最近買った良い茶葉が減っていた。俺が管理してる物だから間違えない。ノイルは謙虚だから自分で淹れる時は古い茶葉から使うはず。つまり来客があったわけだ。ここまで証拠が揃ってりゃお前が家に上がったって事くらい簡単に推理できる」



 どうやら物音でバレたとかではなく、痕跡から推理してそこに辿り着いたらしい。


 って事は昨日の隠れていた時点でバレてはいなかったって事か、それならまだよかった……のか?



「た、たしかに昨日は送っていったお礼にとお茶を頂いて帰りましたけど……」

「鍵も持ったままだろ。返せ」

「あ、あぁ、はい」



 なんかもっと怒られるんじゃないかと思っていたのだが、意外にもそんな事は無く、僕への要求は鍵の返却のようだった。


 鍵とは昨日ノイルさんに渡された魔法陣の事だ。


 僕も宿に帰ってから返してない事に気付いて、いつでも返せるようにと荷物袋の中に居れていた。


 別に隠す理由も無いし、大人しく鍵を受け渡す。



「よし。今後勝手に家に上がられたら困るからな」

「しませんよそんなこと」



 いちいち嫌味な言い方するなぁ……。



「用事はこれだけですか?午後から剣の稽古があるんでもう行きますよ」

「待て」



 オーフェンさんに引き留められ振り向くと、オーフェンさんは小脇に置いていた荷物から紙包みを取り出した。



「ノイルの部屋に入った事は許さないしいつか後悔させてやる。だがノイルを助けてくれた事だけは感謝している。この菓子折りでも持っていけ」



 そう言って取り出した包みを僕に投げつけた。


 物を投げるんじゃあない。


 一応キャッチはできたが……。



「言っておくがこれは鍵回収のついででノイルに持っていくように言われて持ってきただけだからな。分かったらさっさと失せろ」



 そう言って僕は部屋の外に追い出されてしまった。


 本当に最初から最後まで感じ悪いなあの人……。


 ツンデレとかそういうのではなく、シンプルに僕を邪険にしている。


 ……まあ気にしても仕方がない、オーフェンさんはそういうものだと割り切って接することにしよう。


 僕はそんな諦観を抱きながら、ギルドの受付の方に戻っていった。


 包みの中はクッキーだった。


 果物以外の甘味はなかなか口にできないから地味にありがたい。


 ノイルさんの家では食べ損ねたし……。


 この世界での砂糖は割と値が張る。


 裕福ならではの菓子折りって感じだ。


 せっかくだしカノンやリッテさんたちと分けて食べる事にした。


 糖分はカノンの好物だし、全部取られないように小分けにして渡すことにしよう……。

チャミスルのマスカット味美味しいので、お酒好きだけどまだ飲んだこと無いって人は是非試してみてください。

あ、当然甘い系のお酒なので苦手な方はプレーンの方をどうぞ。

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