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帰路

「ご、ごめんなさい……、ずっと迷惑ばかり……。お金も帰ったらちゃんと返すので……」

「迷惑だなんて、別に気にしなくて大丈夫ですよ」

「でも……」



 ノイルさんは俯きながら言う。


 僕としては本当にそこまで気にしてはいないのだが、ノイルさん本人としてはやはり負い目のようなものがあるのだろう。


 できればそういう蟠りは早めに解消しておきたいのだが、さてどうしたものか……。



「あ、あの……、何かお礼をさせてくれませんか……?」

「お礼……?」

「はい……、私にできる事なら……、な、なんでもしますので……」



 とは言われてもパッとは思いつかないな……。


 ていうかハインリーネ様からも最近詫びられたばかりで、なんだか逆に申し訳なくなってきてしまう……。


 ……そういえば、ハインリーネ様にノイルさんを食事に誘ってはどうかと言われていたな。



「じゃあ、今度一緒にお食事でもどうですか?北の商業地帯にちょっと気になってる店があるんですけど、なかなか行く機会が無くて……」

「そ、そんなことでいいんですか……?あ、いえ、もっと難しい事を頼んで欲しいとかそういうわけじゃないんですけど……」

「ノイルさんには色々と教えてもらって、むしろ感謝してるんです。なのでいつか僕もお礼がしたいなとは思ってたんですけど」

「…………そう、ですか……」



 ノイルさんはスッと立ち止まる。


 慌てて僕も歩みを止めるが、ノイルさんは両手で僕の肩を掴んでいるので上手く振り向けず、俯いているせいで顔もよく見えない。



「ノイルさん?」

「あの……!おんぶ……してくれませんか……?」

「え?いいですけど、でもさっき恥ずかしがってませんでした?」

「この辺からなら……人も少ないので……」



 ノイルさんの家は西の農業地区付近らしく、たしかに国の中央部や北部なんかと比べると極端に人口は少ない。


 それにしてもどんな心境の変化なんだろうか……。


 また痛みが出てきたのだろうか?


 それなら無理をさせるわけにはいかないな。



「どうぞ」



 僕は腰を下ろし、背負い上げる姿勢を取る。


 ノイルさんは前回同様遠慮気味に乗り込むも、今度はしっかりと体を僕に預けてくれる。


 肩の上に腕を回し、ギュっと密着した状態で抱き着いてくれているので、重心を取るのも楽だ。



「つ、疲れたらいつでも言ってください……、すぐに降りるので……」

「体力は特に鍛えられてるので全然大丈夫ですよ」



 毎日カノンと依頼をこなしているうちに付いた僕の体力をなめてもらっては困る。


 歩きでこのくらいなら王宮から国の端までは余裕なはずだ。


 ……だが、耳元で囁かれるこのこそばゆさだけは我慢しなければならないな……。

そろそろアイスが高くなるそうなのでハーゲンダッツを買い込んできました。

ダッツって高くてなかなか手が出せない人が多いと思いますが、一度味を知ってしまうと安いアイスじゃ満足できなくなってしまうので、みなさんお気をつけてください。

オススメはストロベリーです。

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