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早退

「よし、とりあえず応急処置はしたので、後は医者に診てもらう事にしましょう」



 早退できるか聞いて来よう。


 聞くのはさっきの受付の女性で大丈夫だろうか?


 そう考えながら休憩室の扉を開くと、ガンッと扉が何かにぶつかった。



「いったあああっ!!?」



 扉の先に居たのは例の受付の女性だった。


 どうやら扉を開いた拍子に顔にぶつけてしまったらしい。



「す、すみません!扉の前に居るとは知らず……、怪我はありませんか!?」

「あ、あはは……大丈夫大丈夫!扉の前に居たウチのせいだし」



 受付の女性は鼻っ柱を赤くしてそう言う。


 一応本当に扉に鼻をぶつけただけらしく、赤くはなっているものの傷にはなっていないようだ。


 あぶない……、怪我人が増えてしまうところだった……。


 ていうか女性の顔に傷をつけるのはさすがにマズいし、軽症でよかった……。



「あれ、でも仕事に戻ったんじゃ……?」

「ギク……ッ!」



 ギクッて口で言う人本当に居るんだ……。


 よく見ると受付の女性だけじゃなく、他の従業員の女性も2人くらい扉の横で屈んでいた。


 その人たちは部屋の中のノイルさんを見てこう言う。



「ちょっとニナ!別に何も無さそうじゃない!?」

「マーキスさんが脱がされてるって話はどうなったんですか!?」

「あ……あれぇ……?さっきまでそんな話が聞こえてたはず……なんだけどなあ……?」



 屈んで様子を伺っていた2人の女性から問い詰められ、ニナと呼ばれた受付の女性は「あれれ?」と首を傾げる。



「脱がされてるって……それ靴の話では……?」

「靴かいっ!!……いや!脱がしますね~だの、恥ずかしいので~だの、紛らわしい会話すんのが悪いだろっ!?」

「そ、そんなこと言われても……」

「ってか!まだお互い距離感掴めてない感じの文学系むっちりお姉さんと優しくて活発そうな少年が密室で二人きりになってるってのに間違いが起きない方が間違いなんじゃないの!!?ウチの求めたラブロマンスは何処!!?」



 ニナさんは息つく間もなく洪水のように願望を吐き、頭を抱え嘆き、ガクリと膝から崩れ落ちる。


 あぁ……それで鍵がどうのこうの言ってたのか……。


 ていうか仮に手を出しでもすれば今度こそオーフェンさんにしばかれるだろうし、そんなことは万が一にも無い。



「ニナ、あんた小説の読み過ぎなのよ……」

「まったく、そういう妄想は頭の中だけにしときなさい?」

「あんたらもノリノリで野次馬しに来てたでしょうが!!」



 そんな感じでニナさんと連れの二人はやいのやいの扉の前で駄弁り始める。


 盛り上がってるところ悪いが、早くノイルさんを病院へ連れて行きたいので割って入らせてもらう。



「あ、あの……、念のためノイルさんを医者のとこまで連れて行きたいので、今日は早退させてもらえますか?」

「ああ……はい、分かりました。館長には私から伝えておきますのでご安心ください。マーキスさんをよろしくお願いしますね」

「ありがとうございます!」



 ニナさんの連れの2人のうち、長身でメガネの人が対応してくれるそうだ。


 許可が下りたので早速図書館を出るとしよう。

新衣装のカレンチャンの破壊力もファインモーションの破壊力も凄すぎて粉微塵になりました。

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