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処置

「んっ……」

「あっ、い、痛かったですか?」

「い……いや、大丈夫……です」



 受付の女性に任されたとは言っても、これと言って医療の知識があるわけじゃないし、患部を冷やしておくくらいしか処置が分からない。


 救急箱の中に何かないだろうかと探ってみるとタオルや包帯、よく分からない葉っぱとか、箱の底の方には添え木なんかが入ってる。


 骨折ほどの重症ではないはずだからそこまで大袈裟にしなくても大丈夫なはずだ。


 さすがに湿布のようなものは無いが、軟膏のようなものは入っていた。


 「とりあえず塗るやつ」って書いてある。


 それ以外の情報が一切無いのだが大丈夫だろうか……。


 僕も昔怪我した時とかにおばあちゃんにやたらめったら軟膏を塗られてたけど、そんな感じのやつなのか……?


 まあでもこの世界で「とりあえず塗るやつ」なんて呼ばれてるんだから、そういうものだと思っていいのかもしれないな。


 ひとまずこれを塗布するために裸足になってもらわないといけない。



「ちょっと脱がしますね」

「はい……」



 あまり動かさないようにゆっくりと靴と靴下を脱がす。


 患部はやや腫れている。


 捻挫ってところだろうか。


 「とりあえず塗るやつ」を適量指で掬い、患部に塗布していく。


 ノイルさんはビクリと一瞬足を引いたが、ちょっとしてから何をされているのか理解したらしく、ゆっくりと足を戻した。



「ていうか、何で顔を手で隠したままなんですか……?」



 背負った状態からイスに下ろした後もずっと顔を隠し続けてる。



「あ……あの、恥ずかしい……ので……」



 背負って運ばれるのってもしかしてそんなに羞恥的な事だったのか……?


 いやでもよく考えたらノイルさんって僕より年上っぽいし、年下におぶさって移動するのって結構な羞恥プレイなのでは?


 僕がカノンに背負われて運んでもらってる状況を想像するとたしかに恥ずかしいかもしれない。


 リッテさんになんて茶化されるか分かったもんじゃないな。



「す、すみません、なんか配慮が足りてなくて」

「い、いえ、これは私が悪いので……、気にしないでください……」



 そうは言っても僕はなるべく早くどこかへ行った方がいいかもしれない。


 処置を終わらせたら今日はさっさと図書館から退出することにしよう。


 入場料の払い損だが致し方ない。



「すぐに終わらせて帰るので、ノイルさんも今日は家でゆっくり休んでください」



 僕は「とりあえず塗るやつ」の上にガーゼを乗せ、その上に包帯をしっかりと巻きながら言う。


 たしか捻挫は靭帯が傷ついてなるやつだから、なるべくこれ以上負荷がかからないように固定してあげた方がいい……はず。



「ま、待ってください……!ちょっと、この後お話しする時間をくれませんか……?」

「まあ、大丈夫ですけど……」



 包帯も巻き終わり、とりあえずこれで応急処置は終了でいいんじゃなかろうか。


 できる事なら患部を冷やすための氷水があればよかったのだが、残念ながら氷は保存方法が無いためどこかで売ってたりもしない。


 図書館だし水場も無い。


 禁止されてるので水属性魔法も使えない。


 このまま一旦病院に向かうのが正解かもしれないな。


 話があるって言ってるし、このまま病院まで付き合うことにしよう。

武豊さんダービー勝利おめでとうございます!!!!!

馬券は負けました!!!!!

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