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断言

「ノイル……どうしてこんなところに」

「それは私が連れてきたからに決まっているだろう?」

「お兄ちゃん……なんでレイさんをこんなところに閉じ込めてるの……」

「そんなのノイルに寄ってくる悪い男を処分するため……」



 と言いながら目は泳いでいる。


 一応は非道な事をしているという認識はあるようで良かった。


 ハインリーネ様が良い人であることは知っているし、多分何とかしてくれるだろう。


 僕はなるべく余計な口を挟まないように事の行く末を見守ることにした。



「レイさんは悪い人なんかじゃなくて、私の大事な……お、お友達だから……」

「ただの友達なら俺の前でこいつの話ばかりするはずないだろ!こいつはノイルに魔術か何かをかけてるんだ!俺がそれを暴いてやる!」

「お、お兄ちゃん……、レイさんの前でその話は……っ」



 ノイルさんは顔を引っ込めてしまった。


 正直そこまで話題になるほど交流は多くないと思うのだが……。



「魔術か。彼がそんなことをする根拠はあるのかな?」

「こいつがタルタロスの禁書を探していたのが根拠だ!あの本は昔の魔術学者が記した本だからあれを知ってるって事は少なくとも魔術の知識はあるに決まってる!」

「なるほど、魔術が使える事と魔術学者の本を探している理由がイコールとは言えないにせよ、たしかに一理ある」



 あれ?


 理が通ってしまったぞ……。


 さすがに反論しないとマズいか?


 と、口を出そうとしたところ、察したかのようにハインリーネ様からバトンを渡される。



「では君。君はオーフェン君の妹ちゃんに何かしらの魔術を使用したのかい?」

「いや……、そもそも僕はあんまり魔術の知識は無いので使うも何も……。本を探してたのも知り合いからその本の話を聞いて気になったからで……」

「なるほどなるほど、嘘はついてないようだね。……らしいよ?オーフェン君」

「嘘だ!」

「嘘ではないと言った」



 オーフェンさんは黙ってしまった。


 たしかに嘘ではないが、ハインリーネ様がどうしてそんな断言できるんだ?


 もしかして僕が言ったことの真否って筒抜けだったりする……?


 前に嘘が下手だとは言われたことあるけど……。



「君は本当にオーフェン君の妹ちゃんを、一人の友人として思っているのかな?」

「まあ、はい」

「ナントカの禁書を探していたのはただの興味本位で、妹ちゃんとは何の関係もない?」

「まあそうですね、探してる過程で知り合いはしましたけど。あと探すついでにその本の著者の事を知ってる人に話を聞けたらいいなと」

「正直でよろしい。という事だオーフェン君、妹ちゃんが彼の話ばかりするのは魔術なんかのせいではないだろうね。ねっ、妹ちゃん?」



 ハインリーネ様はひょいと横にズレると、後ろに隠れていたノイルさんが姿を現す。



「わっ、わわ……!わあああああああああっ!」



 僕と目が合うなりノイルさんは手で顔を覆い、外へと続く階段を駆け上っていってしまった。



「ま、まてノイル!そういう事なのか!?詳しく聞かせてくれないと納得できないぞ!?」



 オーフェンさんもノイルさんを追いかけてどこかへ行ってしまった。


 僕はハインリーネ様、及び見張りらしき兵士2人と共に取り残されてしまう。



「僕……ノイルさんに何もしてないはずなんですけど……」

「そうかい、なら今度何かしてあげるといい。もちろん彼女の喜ぶようなことをね」

ミスターシービーのためにターボ貯金を崩してしまった罪でダブルジェット師匠が実装されたら課金します。

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