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感知

 とはいえ、タルタロスさんの時はグランブルク王国の人じゃないって事が分かっただけで解放されたが、今回は変な誤解をされて閉じ込められてる。


 誤解を解ければ解放されるのだろうが、思い込みを訂正するのは少し骨が折れるかもしれない。



「あの……ノイルさんにどんなことを聞かされたので……?」

「気安くノイルの名を呼ぶんじゃない。お前のせいでただでさえ少ない俺とノイルの団欒の時が穢される。レイさんレイさんとお前の話ばかりするようになったんだぞどうしてくれる!」

「どうするって言われても……本当に何もしてないし……、彼女とはただ図書館で知り合った仲で……」

「おいお前今彼女って言ったかおい!」

「いやいやいやただの三人称としての意味で関係性を表す意味じゃないですから!」



 と、取り付く島もない。


 名前を呼ぶなって言ったのは彼自身なんだが、いったいノイルさんの事をどう呼べばいいというのだ……?


 怒りを露わにするオーフェンさんに、どうしたらまともに話を聞いてもらえるだろうかと、オーフェンさんと二進も三進も行かないやりとりを続けていたところ、意外にも早く助け船が訪れた。


 カシャカシャと階段を下りる鎧の音が聞こえ、僕もオーフェンさんもいったい誰が来たのかと様子を伺っていた。



「随分と騒々しいじゃないか。祭りの喧騒は好物だが、どうやらそういうわけではないらしいね?」

「は……ハインリーネ様!?」



 オーフェンさんは一歩後退りをする。


 現れたのは金髪碧眼の、一目で騎士と分かる白い鎧を身にまとった人物だった。


 中性的な顔立ちで切れ長の眼、長めの髪を後ろで結び留めているため一瞬女性かと思ってしまったが、身体つきはがっしりとした成人男性のもので背も高い。


 イケメンという概念を安易に擬人化したら生まれそうなこの男性が、オーフェンさん曰くハインリーネ様らしい。


 以前初めての依頼を片付けてきた時にお世話になった人がこの人のようだ。



「城内に2つの知らない人物の反応を感知したから、客人かと思って眺めていたら、何やら一人を置いてオーフェン君が地下牢に連れて行ってしまうではないか。今まで客人を招いたことの無いオーフェン君がいきなりそんなことをするのはおかしいと思って事情を聞きに来た次第さ。囚人が増えるなんて話は聞いてないしね」

「こいつが悪いんです。俺の妹を誑かしやがって」

「なるほど、君はオーフェン君の妹を誑かしたのかい?」



 なんてド直球に聞いてくる。


 仮にそうだったとしても流石にその聞き方でYESと答える人は居ないんじゃなかろうか……。



「ノイルさんとは図書館で知り合った友人関係です……。色々と分からない事を教えてくれたりして助けられてます。誑かすなんてそんな……」

「なるほどなるほど、じゃあ最後に当事者にも意見を聞いてみようか」



 ハインリーネ様がそう言うと、鎧の後ろからオドオドとノイルさんが半身だけ姿を現す。

夕飯の後の眠気に抗うことができない。

もしかして膵臓働きすぎなのではなかろうか?


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