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危害

 ノイルさんが門番に招待状を見せると、軽い身体検査と魔導契約を結んだ後すんなりと王宮内に通してくれた。


 王宮内は当然、関係者以外の武器等の持ち込みは禁じられている。


 ただ魔法や予め発動させてある魔術なんかは制限しようがないため、そこは魔導契約で対処するらしい。


 「自己が要因である、王宮及び人員を害する行為を身を以って阻止しなければならない」という契約内容だ。


 少し分かりにくいが、噛み砕いて説明するなら「もし危害を加えようと企んでるなら自分自身で命がけで阻止してもらうぞ」という事だ。


 この書き方の良い所は、ただ魔法や魔術を行使できないという契約と違い、事前に準備した時限式のものであろうと自分自身で解除させたり、無意識下のものであろうとも、第三者に時限爆弾を持たされようとも阻止できることにある。


 逆に言えば、もし転んでしまおうとも、その拍子に高そうな花瓶なんかを割ってしまったりする心配をしなくていいという事だ。


 害意が無いならお互いに安心できる契約でもある。


 ……なんて、最初はそう思っていたのだが。


 この契約は客側の行動を制限はするものの、王宮側の害意には全くの制限が無い事に遅ればせながら気が付いた。


 そう、僕は今……。



「何で監禁されてるんですか!!?」



 4畳半も無いくらいの殺風景な檻の中に居た。



「何で?お前俺の妹に手出しておいてタダで帰れると思ってるのか?」

「だからそんなことしてないって!」



 檻の向こうでボソボソと喋る人間が、僕をここに呼んだ張本人。


 ルブルム王国の魔術研究機関、魔術解析部魔術解析部のオーフェン・マーキスという男だ。


 名が示す通りノイルさんの兄にあたる人物らしい。


 ちなみに今この場にノイルさんは居ない。


 この人のと初めて会った時には同伴していたのだが、ノイルさんだけ待合室で待つように言われて別れた後、僕だけこの場に連れて来られたという次第だ。



「お前の話は前からノイルに聞かされてたんだ」



 ノイルさんと同じ紫がかった黒髪の、しかしノイルさんと違ってボサボサな髪をガシガシと右手で搔きながら、僕に対して濃い隈の上に乗った敵意の眼光を向ける。


 近くに居る2人の兵士は黙して動かない。


 助けを呼ぼうにもノイルさんに声が届くはずもないし、魔法も何も使えない絶望的な状況であるが、当の僕は以外にも冷静でいられた。


 なんせノイルさんに何もしてないのは事実だし、周りに居た兵士の反応を見るにこの監禁はオーフェンさんの独断によるものの可能性が高い。


 もし第三者が来て釈明の余地が与えられたなら、ノイルさん本人を呼べばいいだけだ。


 そして何より、理不尽な監禁は一度経験済みだからである!

タニノギムレットの天龍コスのイラストを見て気付いたんですが、コパノリッキーの既視感ってもしかして金剛さんでは?改めて見ると髪型ほぼ同じやん?

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