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友人

「まあ、カノンちゃんはどっちかというとリーヴァ様と似たタイプっていう事ね。アタシとしては癪だけど、あの子はリーヴァ様に教えを請うた方がもっと強くなれると思うわ。弟子は取ってないと思うけど」

「そもそも会う機会さえほとんど無さそうですけどね……」



 ダイアンさんのようにたまたま飲食店で出会って、相手側から気さくに話しかけてくれるなんてことが起これば別だが、そんな幸運は滅多にあるものではないだろう。



「正直カノンちゃんよりレイちゃんの方が教え甲斐はあるのよね。アナタは魔法がメインのようだけど、剣も使うってカノンちゃんから聞いたわよ」

「いやまあ、魔法がメインっていうか、使いやすいから使ってるっていうか……」

「かといって剣をメインで使ってるわけでもないでしょう?どれだけ剣を使い込んでるかなんて手を見ればイッパツで判っちゃうんだから」



 そりゃあ剣を握ったのなんて数日前が初めてなんだから熟練しているわけもない。


 しかし剣術は魔法と違って、知識と経験はユニークスキルでリセットされないものだし、身に付けておいて損はないとは思うが。



「もしかして稽古つけてくれたりします?」

「アナタが望むなら教えてあげるのも吝かではないわ。ただ、一つだけお願いを聞いてもらおうかしら?」

「お金とかじゃなくて……?」

「お金には困ってないもの~。お願いってのは、稽古の日の夜はここで一緒に飲んで話を聞いてほしいの」

「そんなことでいいんですか?僕お酒飲めないんでジュースですけど」



 仮にも王宮で剣術指南をしているレベルの人が、夕食同じ卓を囲むことを条件に素人にもその剣術を教えるなんて……。



「いいのよそんなことで。アタシは飲み友ってやつが前々から欲しかったのよ。でもお城の人は仕事があるって言って来てくれないし、他のお客さんには何故かちょっと避けられるし、良くしてくれるのはマーレラちゃんだけなんだけど、マーレラちゃんはお店で忙しいし」



 いわゆるボッチという事か……。


 この世界でのジェンダー的な問題は僕には分らないが、オカマもといオネエというのはこの世界では理解を得られないのかもしれない。


 カノンもあの自由奔放さや猪突猛進さで周りの人がどんどん離れて行って、結局一人で冒険者をやっていたという。


 一般的ではないというのはそれだけで他の人との壁が一枚多くなるものだ。



「このお店でちゃんとお話ししてくれたのはアナタたちが初めてなのよ~。ねぇ、飲み友になってくれる?」

「いいですけど、別にそんな条件じゃなくても予定が合えばいつでも付き合いますよ」

「本当!?嬉しいこと言ってくれるじゃない!早速明日からどうかしら?」



 午前中はカノンとギルドの依頼を受けるとして、午後は僕が見繕った依頼をカノンにこなしてもらうとするか……。


 カノンも一緒に剣術の指南を受けるならそれはそれでいいのだが、彼女のスタイルと剣術のタイプが合わないと言っていたし、あまり身にはならないんじゃないかとは思うが……。


 まあ明日聞いてみることにしよう



「それじゃあ明日の午後から空けるようにしておきます」

「わかったわ、腕がなるわね!」

「お、お手柔らかにお願いします……」

ゴールデンウイークももう折り返しってマ?


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